vol.0140 採用を作り込むと、実際に入社してからのギャップができそうで怖い。(2/5)

前回は、採用を作り込むことで起こる
入社してからのギャップを無くすことはできない。
むしろギャップはポジティブなものになる
ということをお伝えさせていただきました。


今回からは、ギャップに対して健全な
捉え方ができるようになったら、
許容可能なギャップまで抑えていく
方法に触れていこうと思います。


当然範囲というものには
個人差があり誰に対しても万能な基準
というものがあるわけではございませんので、
感覚的には80%くらいの人が許容できる
という水準
を目指しています。

許容可能なギャップを考える前に、
許容できないレベルとはどんなレベルかを
見ていくと、実はわかりやすいものです。


■ケース1
採用メンバーの言うことと、配属先の先輩の言うことが真逆

これは実際に採用職人が雇われの身であった時に、
自社で起こしてしまった問題でした。

あれは大層心を痛めてしまいましたね。

忘れもしない、採用プロジェクト1年目に
入社をしてくれた方たちでした。

それまで新卒採用とは縁遠く、
中途採用だけで人の採用をしていた会社でした。

新卒採用をいざ始めるとなると、
色々わからないことだらけで
何もかもがいっぱいいっぱいでした。

でも、せっかく始まったプロジェクトです。
いっぱいいっぱいだったとしても、
絶対に結果を作りたいと思って、
もうギリギリのギリギリ
それこそ、説明会のラストで使うムービーを
説明会の最中にビルドしていて、
予定時刻に間に合わず、
何とか10分くらい間をつないでもらって
なんとか流すことができた。
でも、そんなタイミングだったから
流れるムービーに誤字を見つけて猛反省。

そんなこんなでなんとか10名の
学生が内定を承諾してくれて、
10名が入社してくれたのです。

その待望の一期生は
一年以内に9人が辞めてしまいました。

もう、絶望ってこういうことか・・・

と大層落ち込んだことを記憶しております。

ただ、その時は原因がわからない。
あんなに選考中に目を輝かせていた子が
どうして入社して間もなく目の光を失うのか?

採用選考中に深く関わっていた子が
何人かいたので、辞意を表明してから
その理由を表向きな理由ではなく、
言えない本当の理由を教えて欲しいと
お願いして教えてもらいました。

「選考を進んでいる時、
 経営者も役員も採用担当者も口にされていることが
 素敵で、ぜひこの一員になって一緒に働きたい
 思いました。
 でも、今は裏切られたと思っています。
 現場の先輩たちは選考で言われていたことなんて
 何一つ知らなかったし、
 『そんな理想論言っていないで数字をあげるのが
  私達の仕事なんよ』
 と、何のためにやっている仕事がわからない仕事を
 目標数字を達成するために仕方なくやらされるだけの
 日々でした。
 採用の仕方を考え直した方がいいんじゃないですか?」

もう感情はぐっちゃぐちゃです。
目の前の新入社員に対する申し訳のない気持ちと、
現場の先輩社員に対する怒りと、
自社を好きだと言って入社してくれた子が
自社を憎んで辞めていってしまう現実が
入り混じって、

「ごめん、本当に申し訳なかった。
 現場を巻き込むことができなかった僕の責任です。」

と口にしていました。

今思うと本心だったのだと思います。

現場に対して思うことはありましたけれど、
その現場をその気にさすことをしないまま、
忙しいを理由に、経営層と採用チームだけで
勝手に採用を進めてしまっていたのです。

多くの人に迷惑をかけたと痛く反省したのを
覚えています。


次回は

■ケース2
目指す方向性と、実際に落ちてくる指示に矛盾がある
を解説します。


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