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人の健康は「社会とのつながり」が決めていた!!

 イギリスで「孤独担当大臣」が創設されたように食事、運動、喫煙よりも人とのつながりが、私たちの健康に影響を与えることが明らかになってきた。
 その健康への効果は、運動やダイエットの3倍ともいわれている。

 死亡や病気といった健康に関する事象の分布を調べ、それに影響する要因を明らかにする学問分野は、「疫学」(えきがく)と呼ばれます。

これまで、多くの研究者が疫学研究によって、「長生きするためのライフスタイルは何なのか?」という疑問に取り組んできました。

 2010年、それまでの関連する研究結果を統合して「結局、どのライフスタイルがいちばん長寿に影響しているのか」をまとめた論文が出版され、驚く結果が出ました(*1)。

 タバコを吸わない、飲み過ぎない、運動する、太り過ぎないといったライフスタイルが健康や長生きに良いのは誰でも知っていますし、皆さんも納得できると思います。

しかし、それら以上に長寿に影響するライフスタイルがあったのです。

それが「社会とのつながりを持つこと」でした。

研究者の間では社会とのつながりを持っていることは、長生きや健康に良い影響を持つことは知られていました。

しかし、まさか喫煙、飲酒、運動、体格指数といった、いわゆるライフスタイルの王道よりも影響が強いとまでは思ってはいませんでした。

しかし、ものはとらえようです。禁煙、禁酒、運動、ダイエットが長生きや健康につながると言われても、それらに取り組むのはなかなか難しいものです。

しかし、「普段の生活の中でのつながりが長生きや健康に良い影響を与えています」と言われると、すでに多くの人が持っているものですし、何となく安心できます。
(村山 洋史 : 東京大学高齢社会総合研究機構・特任講師)

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