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MBTIを使った「鎌倉殿の13人」のキャラ語り。

MBTIを用いてのキャラ語り。
専門家ではないので雑談程度に読んで下さい。

◆三浦義村(ESTP)

山本耕史のインタビューを読んだり作内での三浦義村の言動について考えると、義村はESTPだろうと思う。

「臨機応変」「思考即行動」がESTPを端的に表した言葉だと思う。
とにかくごちゃごちゃとした議論やぐちゃぐちゃと色々と考えることは時間の無駄。目の前の状況を瞬時に見て取って、即座に決断し、電光石火でその時の最適の行動をとる。

ESTJは裏切られてもギリギリまで説得を試みそうだが、ESTPは「敵だ」と認識した瞬間に即座に対処しそうだ。
非情とか冷たいと言うよりは、外向感覚を使うから、その瞬間のその場の状況判断が優先されるのだと思う。それが非情だ、という意見もあるが。

義村は公暁を自分の手で始末した。そこも人を使って殺させる義時とは対照的だ。
「自分の手を汚さなければいけない」という美学ではなく(←まったく興味がなさそう)単純に、公暁と話していて「今が殺す好機だ」と思ったのだと思う。
瞬間瞬間の感覚が最優先なので、「今だ」と思った瞬間に体が勝手に動く。その感覚に従うことにまったく躊躇いがない。

ESTPは「現実で生きること」に特化したタイプだ。
どの時代、どの状況に生きていても、「いまこの瞬間」の情報を素早く集めて即座に最適解を導き出せる。
GOTのブロンを見てもわかるが、一人でも生きられるし、人の輪の中でも楽しくやれる。
他タイプからは薄情、信用できないと思われることもあるが、人間関係にこだわりがないので本人は特に困らない。
抽象的な思考にも自分や他人の内面にもほぼ興味がないから、創作の主人公としては描きにくそうだが、なったらなったで面白いかもしれない。
物事を片端からすいすい片づけて、片付いた側から忘れて行く。カラッとスカッとしていて読んでいるほうも余り負担なくひょいひょい読み進められそうだ。

◆北条義時(ISTJ)

義時はISTJだと思う。
話が終盤に差し掛かった時点の義時は、「ISTJが煮詰まるとこうなる」ということを体現しているようだ。
クソがつくほど真面目で、自分が経験したことや学んだことを大事にし、忠実にこなそうとする。

今の義時はドラマの見せ方では「悪役」になっているが、フラットに事柄を見ると、自分の心をどこにも吐露できず内部でそうとう煮詰まっているよううに見える。
源仲章のように己の権力欲のためでもなく、政敵を小馬鹿にするような「遊び」もなく、頼朝から学んだ「悪を引き受ける権力者像」をひたすら生真面目に体現している。
「政子が頼朝が死んだ時に、『逃げるのは卑怯』と言ったからこんなことになったのでは」と、つい思ってしまう。←こんなの真に受けなくていいのに、受けてしまうのが義時なのだ。

ISTJは裏方というか、管理に向いている。義時は若いころから自分をわかっていて、表向きのことは兄の宗時や父親に任せて、物品の管理などの一般的には地味で忍耐が必要な仕事をしていた。
義時は根っこのところはまったく変わっていない。
「女性はきのこが好き」という話を真に受けて、好きになるたびにきのこを贈ってしまう義時のままだ。
真面目で実直で誠実な働き者。
周りからは信頼されるが、余りに真面目でちょっと敬遠される。地味で面白みがないから、女性にモテない。

「鎌倉殿」の義時には、愛人がいた(いる)形跡がない。
八重には惚れこんでいたし、比奈とは気が合っていたのでわからないでもないが、のえなど一緒にいてもお互いにストレスしかなさそうだ。今の義時の権力ならば妾が五人くらいいても誰も文句を言わないだろうに、律儀に家に帰って飯を食っている。
箸を投げたシーンの様子を見ると、あの日だけではなく義時は常に家では暗く不機嫌で、のえがやかましく色々と言っていると想像がつく。あの調子なのに、仕事がある時以外は毎日ちゃんと家に帰っていそうなところがむしろ怖い。

背負わされた重荷を義務や責任だと思い込み、誰にも弱音を吐けずどんどん内にこもっていく義時が、見ていると不憫で仕方がない。
正直ここまで詰めるかと思うが、義時のこの追い込まれ方が「鎌倉殿の13人」の面白さのひとつだ。

◆源実朝(ISFP)

実朝はほぼ間違いなくISFPだと思う。
「鎌倉殿の13人」で「一番好きなキャラ」を上げるとしたら実朝だ。
「鎌倉殿の13人」どころか、ここ最近見た創作の登場人物の中でも一番好きかもしれない。
父親である頼朝にも兄の頼家にも性格がまったく似ていない。そう言えば叔父の全成と似ている部分がある。全成も好きだった。
純粋で真っすぐで、周りがドス黒くなってもまったくそれに染まらない。
公暁に対して「悪を討つにしても、公明正大にやらなければならない」というところが実朝らしい。自分が不利な位置にいたり敵が卑怯な手を使ってくる時も綺麗ごとが貫ける人間は凄いなと思う。
自分が死ぬと分かっていたということは、公暁が自分を信頼してくれなかったこともわかっていたのだろう。

◆源頼家(ENTJ)

頼家は実朝とは真逆のタイプだ。頼家は本人のモチベーションとは逆に権力を握れなかったことが悪い方向に進んでしまった。
NTJは自分も含めて総合的に物を見る。自分でさえ状況を構成する駒のひとつに過ぎないので、「仲がいいから」「義理があるから」ということが人間関係でまったく機能しない。
近くにいる人間には不気味に思われたり怖がられるだけで、ほぼ好かれない。
頼家が実質的な権力を握った場合、周りは凄く大変だと思うが(実質的な権力から遠ざけてさえ、かなり厄介だったし)意外と民など離れた場所から見ると善政を敷きそうな気がする。周りは大変だと思うけれど(二回言う)

◆北条時宗(ESFJ)

権力を握った時に、頼家と逆のことをやらかすのが時政だ。恐らくESFJ。
自分の周りにいる人、目に見える人を世話をしたり喜ぶ顔を見るのが好き。家族思いで仲間内では超いい人、面倒見がよく悪く言う人はいない。
「鬼滅の刃」で縁壱が言っていた、「私の夢は家族と静かに暮らすことだった。(略)愛する人の顔が見える距離、手を伸ばせばすぐに繋げる距離、届く距離」を大切にする人間なのだ。
しかし権力者になると、距離があり、直接知らない人からは不公平、不公正な人間に(結果的に)なってしまう。

◆源仲章(ENTP)

実朝のついでに殺された源仲章はENTPだと思う。
源仲章も大好きだった。
自分が優位に立った途端、義時に嫌味をブチかますなど、権力闘争を楽しんでいるところが良かった。
陰謀大好き暗躍大好き、騙し合い、汚れ仕事、色仕掛け何でも上等というああいう「悪役」に一度なってみたい。
太刀持ちを代わるために出て来た時の「残念でしたあああw 生きてまああああすw」(←人生で一度は言ってみたいセリフw)と言わんばかりの表情がたまらなかった。まあその後すぐ死んだが。

ドラマを楽しく見てくださっているお客様にも「やった! 仲章やっといなくなったぜ! 清々した!」という気持ちになってもらえるようにいろんなことを積み上げていきたいなと思っていました。(略)
「こいつさえいなければ、すべてうまく回るのに!」という、いやらしさやうっとうしさを少し混ぜていく感じですかね。

(「インタビュー・源仲章役・生田斗真/NHK」より)

こう言っている生田斗真には済まないが、自分は仲章にずっとあの感じで生きていて欲しかった。
自分が仲章が好きだったのは、京の出だということが人物像から滲み出ていたところだ。
ひと目見ただけで「坂東武者とは違う文化で生きてきた、坂東にはいないタイプの人間」とわかる。のえに色仕掛けを仕掛けている時も、坂東とは違う雅な文化を見ている楽しさがあった。(だからのえも、引き寄せられたのだろうが)
生田斗真が演じたからかもしれないが、陰謀の企み方もどこか歌や蹴鞠を楽しんでいるような優雅さがあり、立ち居振る舞いも言葉も表情も華があった。こういう悪役は見ていて楽しい。
実朝と同じくらいいなくなって寂しい。もっとあの嫌味っぷりを見ていたかった。

◆それ以外

それ以外では和田義盛と義経がESFPかなと思った。いるだけで賑やかで楽しく、お調子者で困ったところはあるが憎めない。
頼朝はENTP。怖いところも愛すべきところもあるが、結局何が本音かわからない得体の知れなさがあった。
公暁はINFPっぽい。実朝と同じISFPだったら、実朝のことを信頼しそうな気がする。
傷つきすぎて他人を信じられず世界を恨んでしまうところや、母親への思いがモチベになっていたり、「自分のことを覚えていて欲しい」というロマンチスト気質なところがINFPっぽい。
出番が少なく歴史上は損な役割に関わらず、かなり印象的なキャラだった。

「鎌倉殿の13人」は余り嫌いなキャラがいないが、義時、時宗、りく、梶原景時、実朝、源仲章が特に好きだった。
長い年月を描くからだが、本当に色々な人がいたなあと懐かしく思い出す。
あと二回かあ。最終回が楽しみだが、寂しいなあ。

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