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書いて残しておきたい事があるんです


いきなりの告白です。

私の父は数え年49で自ら他界しました。
そして私は父の歳を、10歳も超えました。
35年前のことです。

父は亡くなってから、一度も、私の夢に現れてはくれません。思い出すことも頻繁ではなくなっています。

その父の事を話す機会がありました。ただ聞いてもらうだけの「傾聴」でした。

それまでも知り合いに話す機会はあったけど、「こんな事があって…」くらいの軽い感じで。
でもあの時は今までにない感情が湧いて、涙が溢れこころが大きく乱れました。

話しながら「今、父に会いたい」と思い、父が亡くなった頃の自分に戻り、涙も思いも抑えることができなかったんです。

あの時、自分に出来た事は無かったのか。
ああしていたら、こうしていたら。
悔やまれることばかり。

時が経つ事で、思い出す事も少なくなり、過去の事として、乗り越えている「つもり」だったのでしょうか。蓋をして忘れたフリをしていたのでしょうか。

私の話を黙って聴いてもらい、時間を共有してもらっている。言葉を掛けてもらわなくても、感情を受け止めて貰えているという安心感。

話していると不思議な事に、辛かった思い出と共に、生前の楽しかった思い出も湧いてきたのです。

この時の体験は、どう表現したら伝えられるのか、今もわかりません。

ただ、私が話を聴かせていただく時の大きな指針になった事は、間違いありません。

書く事や話す事で、絡まった思いがほぐれ、整理されていくと知ってはいたけど、体験できた時間でした。

元々ファザコンの私はあの体験の後、ますます父が好きになりました。
相変わらず夢にも現れないけど、いつでも笑顔で側に居てくれます。

私より若い姿で。





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