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ヤング・シェルドンを観た感想

誰が見ても面白い、観て損なし!

天才児ゆえのすれ違いをえがく作品なのでちょっぴりシリアスなんじゃないかと予想していたけど、全くそんなことはなかった。
おもわず大笑いしてしまうようなシーンが沢山あるし、シーズン1を観終わる頃には登場キャラクター全員に愛着が湧いていました^^!

一話完結なのも良し。続きどうなっちゃうの~!な終わりをしても次の話では全く別のお話にかわっててびっくりしました^^;

個人的な好きポイントは、マイクロアグレッションなどの差別や毒親あるあるをさりげな~く入れてくるところ。ダークな笑いの解像度が高すぎる…


以下、軽いネタバレを含む感想です。

1-1
 1話から子供への愛が深すぎるがあまりに過保護になってしまうママの解像度がこの時点でかなり高くて驚きました(;^_^A 
 そしてそういうママの旦那は大体放任主義なんですよね、そこもあてはまっているし、人間関係についてかなり観察されているように思います。

 妹ちゃん(ミッシー)がママに苦し紛れに褒められた髪を大切にするシーンも心にくるものがありますね。親から子への愛も深いけど、子から親への愛の方がよっぽど深くて一途なんだよね。
 この視点が明確に表現されている作品って少ないのでは? 
 これが1話から描写されている時点でこの作品への信頼度がグンと上がりました。

1-2
 ベトナム人のタム君がシェルドン(のママ)に招かれて夕食を一緒に食べるシーンは個人的お気に入りのシーンです(*^^*) 
 シェルドンママパパのタムへの態度が生生しくて心がザワザワしてしまった…
 マイクロアグレッションってこういうことなんだろうなと思いました。


1-3
   3話から私の大好きなシェルドンのおばあちゃん登場します^^
 心配性で過保護なシェルドンママのお母さんとは思えないほど放任主義で楽観的なおしゃれおばあちゃん。
 見進めていくとわかりますが、このおばあちゃんかなりのbi*ch(もちろん誉め言葉(^^♪("slat"ではなく”bitch”)
 お年を召しても異性交遊を楽しむイケイケばあさんかっこいい~!!


1-4
 この回にも好きなセリフがあるんですよね~~~~!
 "The boy has got to eat!"
      -(シェルドンに)食べさせないと!-

  ママンの保守的な思想がゴリゴリ見え始めて楽しくなってきましたね。
 さらに
"If we take him to a shrink, it feels like we're admitting something's wrong with him"
    -(シェルドンを)精神科に連れて行けば息子が変だってことになる-
 
このパパの発言も時代背景を感じさせる名セリフだと思っています。昔はシェルドンのような人は今以上に理解が得られず苦しい思いをすることが多かったのでしょうね。

1-6
 かさりげなく訳されているけど、シェルドンのタムに向けた
  "Tread lightly, my friend." -口には気を付けろ-
ってかなり重要な発言では…?自然にタムのことを友達扱いするシェルドンに精神的な成長を感じることのできる発言でした。
 
 そして、この作品ってノンフィクションでなんですかね?調べても史実に基づいているなんて情報出てこないけど、最後のイーロン・マスクがロケットの再利用?に成功するシーンはなんだ…?あれは確実にイーロン・マスク本人ですよね。本当に現実でちびっこシェルドンの研究結果がロケットの進歩に関わっているのか?????
 たまに天の声のごとく成長したシェルドンらしき人物のナレーションが入るあたりノンフィクションっぽいんですけどね。実際どうなんでしょう。


1-8
 ここでもかなりの衝撃発言ありますね。
” Young boys who don't spend time with their daddies grow up to be oddballs.”
   -父親に遊んでもらえなかった男の子は変人になる-

 いや~~~~~、ママのガチガチの保守思想がよく表れていますね。
 この作品はなぜこんなにも何事にも解像度が高いのだろうか…


1-11
 個人的激ヤバ回です!(^^)!
 敬虔すぎるママンの暴走!この話で濁した言い方をする必要無くなったなと思いました、シンプルに毒親ですね。
 この理性の無さ、論理の通じなさ、一つの物を信じすぎてしまう危うさ…すべてが完璧だ。
 この話に続いて、18話もママの激ヤバ回です。

1-18
 ママ大暴走!まさにヒステリック!

 シェルドンの読んでいる漫画の内容に腹を立て、書店へ怒鳴り込み、完全に論理が通じなくなっているあの感じに心がザワザワする人も多いのでは?
 ここでのママのやばいところはシェルドンを大人扱いすると言って世話を放棄するところですね。
 シェルドンが喉にソーセージを詰まらせてまともに物を食べなくなったときはあれだけ慌てて必死に息子に食べさせようとしていたのに、今回では自分の気分を晴らすために息子の世話を放棄している自分勝手さにあきれてしまいます。
 これだけで彼女が息子想いなために息子が食べないことを心配していたのではなく、”自分のせいで”息子に何かあることが許せないだけだったことが伝わります。

 他にも、シェルドンが学校からのプリントに親のサインを求めたときに、
「大人なのに親のサインがいるの?学校はあなたのことを大人だと認めていないようね。」
と言い放ちシェルドンに勝ち誇るシーンもあまりに解像度の高い支離滅裂さだと思いました。
 シェルドンは事実として未成年であって、学校側が未成年として扱うことは当たり前のことです。家庭内(ママとシェルドンの間)で勝手にシェルドンを大人扱いし始めているだけなのに、その家庭内ルールを学校側にまで適用させてそれで論破した気になるのやばすぎませんか????
 ヒステリックママの描写が丁寧で助かるな…(?)


ザっと、私の感想はこんな感じですね。様々なことを丁寧に描写し、時代背景に忠実に差別や社会を表現しているとても良い作品だと思います。

親や差別などの社会に存在する負の側面を無視している作品は多く、私はそういったものをあえて取り除くのはあまりにもリアリティがないし、問題の矮小化、透明化をしているズルい作品だと思うので好きではありません。
しかし、ヤング・シェルドンではそこらへんがかなりきっちりと描写されていて非常に見やすい作品でした。 

コメディですが、作品の基盤にはポリコレが含まれていると思います。しかし、意識しなければわからない人もいると思うくらいには自然なので、まさに万人が楽しむことの出来る作品なんじゃないかなって思います。

 
 
 




 

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