執筆の一助(第5回 プロットのいろいろ②)
目次
1、はじめに
2、プロットってなんだろう?
3、プロット通りにはいかない。まるで人生のようだ。
~①から続く~ 今回はここから!
4、さあプロットができた! これで予定通りの作品ができる!
5、まとめ
〇はじめに
2週間に1度の更新がなんとなく様になってきた今日この頃。
今回は前回の〈プロットのいろいろ①〉の続きとなります。
早速いってみましょう!
4、さあプロットができた! これで予定通りの作品ができる!
という訳にはいかないのが、現実の厳しいところ!
そして悲しいプロット初心者の性質ですね……。
( ' v ' ){説明書通りにつくればいいだけなのに?)
説明書通りにつくればいいってものでもないのが創作の醍醐味!
一度執筆をされた方ならば、大まかな二つを悟っているはずです。
1、プロット通りにいかなくなる、書いていて矛盾を感じる等
2、プロット通りにいっているが、そもそもこれ面白いのか?と疑問に思う等
「等」とつけるぐらいには、様々な失敗パターンが考えられますが大まかにはこの二つではないでしょうか。
①の場合、主人公の性格を「熱血」としているのに、おびえるシーンが必要な場合の動機付けだとか、そもそも推理小説におけるトリックミスなどが考えられます。
主人公が熱血漢で、なんでも気合で乗り切る話なのに、どうしても必要だからと〈おびえて、逃げるシーン〉をいきなり書いてしまっては、行動パターンが無茶苦茶になってしまいます。
②の場合は、これはもうなんというか、悲しいもので、「これ面白いのか……?」という疑問を覚えてしまうというパターン。
発案時や、プロット起こしの時は「いけるぞ! これは面白い!」と確信を持っていても、実際に文章に起こしてみると起承転結の起伏が弱かったり、右肩あがりの山谷を繰り返すべき展開なのに、ワンアイデアの盛り上がりしかないことがあります。
深夜に書いた超絶面白い作品が、朝起きると大して面白く感じない……というのは、本当に辛いものです。
( ' v ' ){どうすればいいの?)
私が知りたい(真顔)
正直な所、これらの問題を解決できるなら、もはやあなたの作品は傑作のはずです。受賞できます。「斎藤ニコ? ああ、あのパッとしないやつだろ?」とか授賞式で笑っていいと思います。
( ' v ' ){いいんですか?)
お手柔らかにお願いします(涙)
つまり、これらを大まかに表現しちゃうと、「そのレベルを目指し、そのレベルに達することができれば作家として成立する」ということなのでしょう。
プロットを軸にして、面白い作品を書き上げる。
一番単純な名作への道ではないでしょうか。
もちろんプロットを作成しないプロはたくさんいるでしょうが、その場合もなんとなく頭に入っているものです。
( ' v ' ){答えがない。プロットとはどう付き合えばいいの……?)
う、うーん。
( ' v ' ){あ、友達付き合いが少ない人に聞いてすみませんでした)
それで悩んでいたんじゃないよ!?
プロット通りにいかないことなどままあるもの。
書いていて「こっちの方が面白いかも」なんて思ったら、迷わずそちらに舵を切るべきだとも思っています。
さらにプロットに設定集をつけすぎて、さらにそのプロットから設定をすべて作中に書き出そうすれば、「設定集かよ!」と突っ込まれること間違いなしです。
もちろんそういった作風のものもあるでしょうが、一般的に受けるものではないでしょう。
プロットに書くことは問題ないのですが、その引き出し方はやはり書きながら調整していくものでしょうから、プロット上では判断できないでしょう。
ですから「プロット活用法の成功方法」というよりも「プロット使用時の失敗例を避けながらプロットを上手に活用する」――というのが答えとしては一番合っているのかなあと考えています。
たとえば私の失敗例を思いつく限りあげますと、
1、設定をいっぱい詰め込んだプロットをつくった!
→作品が設定の説明ばかりになって話が進まない。
2、かっこいい主人公の設定をつくった!
→かっこよさを地の文で説明しがちになる。物語で魅せていない。
3、かっこいい能力をつくった!
→能力が目立つシーンより、どういう能力かという説明に傾倒しがちになる。
4、大まかな起承転結ができた!
→実際書いてみると、100Pどころか、50Pでも長いレベルの起承転結しかない。イベントがない。短編用のアイデアを水増ししてるだけ。
5、じゃあイベントを足してみた!
→これ面白いの? 話がまとまってなくて、頭に入らないよ。
なんてものが、思い浮かびました。
( ' v ' ){いっぱい失敗してますね)
失敗の金閣寺や~。
( ' v ' ){……)
これが失敗というものの見本です(断言)
失敗というのは人それぞれです。
癖というのは、必ずあります。
無意識にうまく出来ていることもありますし、その逆もあります。
ただ、最後に私なり答えを提示しておきます。
( ' v ' ){これはもちろん……)
私見です!
たとえば、プロット作成を〈旅行計画〉になぞらえてみましょう。
あなたは旅に出ようとします。
計画を立てるときには、どこまで決めるでしょうか。
まさか、
〇15時13分 フェリー乗り場
〇15時14分 フェリーに右足から乗り込む。
〇15時15分 右から席を探して座る
なんて決め方はしませんよね?
(される場合はすみません、話の都合上許してください。)
確かにここまで詳細に決めると、旅立つ前の安心感はあります。
が、安心感だけです。今度は旅の最中に、これらを達成していくのがとても大変になるでしょう。
そのうち旅行をしているのか、予定をこなしていく目的なのか、分からなくなっていきます。
おそらくこれはプロット通りに書いていて「これ面白いの?」と思う理由の一因でもあるかもしれませんね。
予定を立てるのはいいのですが、過密すぎて自由がないのですね。
もしくは「決めることばかりに傾注していて」、「なにを楽しむための旅なのか」などがすっぽり抜け落ちているのでしょう。
作家は製作者――つまり書き手です。
しかし同時に、世界で一番最初に作品を目にする「読み手」でもあるのです。
書いていてつまらないものは、大抵、読んでも面白くありません。
旅も同じです。
パンフレットばかりみていても、部屋で行う旅行計画のときと変わりません。
風を感じて目を瞑る時間や、船の揺れに身をゆだねる遊びの時間がなければ、旅行の楽しさも半減します。
( ' v ' ){じゃあ適当にきめようっと)
ちょっとまったああああああ!(ドンッ)
( ' v ' ){それを言いたかっただけでは?)
え、いや、え、なんでそういうことを言うんですか?(しどろもどろ)
では、適当に決めるのがいいか?、というとまた違いますよね。
〇旅に出る
〇旅から帰る
というおおざっぱな計画では、何の意味も成しません。もちろんそれを楽しむ旅行もあるのでしょうが……旅行中のトラブルはなるべく避けたいもの。
前述のとおり、今回の旅行では〈どうやって移動して、何を見て、そしてどこに楽しみを見出す〉のか。
そうやって、あらかじめ〈旅行の醍醐味〉を定義しておかなければ、安心して旅行の時間に身をゆだねることもできません。
ということで、旅行の計画を立てるならば、
〇3月1日 9時出発
〇同日 10時到着
〇同日 14時までに×××を観光 それから電車移動して×××へ
〇同日 18時までにチェックイン(おみやげは明日)
〇同日 20時食事(24時までに寝ること!)
〇帰ってきたら、旅行終了!
といったように、「通過点(チェックポイント)」を作ると良いと思います。その点をつないでいって、線とするのです。
最後にそれを振り返って見てみると、旅行の思い出が連なって見えてくるでしょう。
そしてこれはプロット――そして創作と同じことです。
がちがちに話を固めるわけでもなく、おおまかに思いつくことだけ書きなぐるわけでもない。
書きたいストーリーに必要なものを、的確にプロットに記載しておく。それは必ず通過しなければならない点となります。
あとはその点と点をつないでいき、線とする。
その結果、振り返ってみると「作品」という一本の線が出来上がっているのです。
( ' v ' ){執筆っていうのは、点を線にする行為なんだね)
可愛い顔して、かっこいいこと言いますね(羨望)
というわけで、いかがでしたでしょうか。
もはや失敗〈談〉を諦めて、失敗例を箇条書きにしていくというアグレッシブな試合放棄を行いつつも、斎藤ニコ(若)の失敗談を軸として続けていくという宣言は絶対に撤回しない「執筆の一助」。
( ' v ' ){もう、なんちゃって適当創作論って認めちゃいなよ)
ち、ちがうやい、失敗談なんだい!
過去、いつもどこかに答えが落ちていないかと考え、本やネットをさまよっては、「答えがない!」、「答えが見つかったと思ったのに、こっちで否定されてる! きいいいい」といった感じの神経質な私でしたが、なんとか小説は書きあげられました。
そして、どこかに同じような性質の方がいると信じて書いていきたいと思います。いつか、誰かの為になればいいなーと思います。
それが何年後だろうと、いつか……。
( ' v ' ){死ぬなよ)
そこまで長くは望んでませんよ!?
さて、次回はいよいよ執筆終了~投稿先の選定、
ペンネームの決め方などなど……こうご期待! しなくていいです!
( ' v ' ){安定の保険発言をはさみつつ、今回はここまで!)
さよなら!
〇まとめ
プロットの形態は問わない。書き出しても、頭の中でもいい。
詳細に書いても、さっくばらんに書いてもいい。
ただし通過すべき点を書き出し、線とする意識は忘れないこと。
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