2022/07/25(月)

「うわ、西日がきついなぁ。」

と、思いながら自転車を漕いでいた。実際は口に出していたかもしれない。

街路樹の木陰に隠れるたびに、バックパックで密封された背中が汗で疼いた。通り過ぎる車は涼しげだった。いや、車自体は暑がっているが、乗っている中の人が涼しげだった、が正しい。

帰宅後、クーラーを付けて水を飲む。喉の音が心臓の音の何倍も大きく鳴る。

夕方と夜の間。野暮用で外へ出る。湿った風が少しだけ柔らかくなっていた。誰もいない小さな下り坂で、Tシャツの裾をめくり上げながら風を取り込んだ。

スープに入れた溶き卵のような雲を受けて、大きなブロッコリーに似た雲が幾重にも積み重なっていた。空はピンク色だった。

彼女は今日、帰りがとても遅く、その空を一緒に見られないことを思った。その分、僕が見ておこうとも思った。

これから夏は長い。

次は一緒に、とも思った。

・・・

今日も夜が来ました。

Good night.

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