2022/06/24(金)
朝、彼女を見送った後、僕は僕で自転車に跨り、図書館へと向かった。
風が吹いていて、でもその風はやっぱり湿っていて、軽い上り坂になっている道のりを進む僕は、前半のそれもかなり早い段階で汗をかきはじめていることに気が付いていた。
そして、図書館へ着きバックパックを下ろし、トイレの鏡の前に立った。
グレーのTシャツは見事にバックパックの跡そのまま汗染みとなり、そこだけ見るとまだバックパックを背負っているみたいだった。
「なんか、服着た透明人間みたいだな。いや、この場合は、バックパックが透明人間側で、僕はそれを包む空っぽの服の方だ。」
と、ゼェゼェ思った。
昼食後、ホットコーヒーを飲みながら、名も無いベンチで文庫本を読んだ。風は朝よりも優しく、しかし日差しは厳しくなっていた。そこはちょうど半地下で影になっていたから、そういう景色を見ながら余計に過ごしやすかった。
午後、外国語の記事を必死に訳す。ちょうどいい文章量のちょうどいい難易度のコラムだ。素晴らしい時間だった。
それまでの間、
「レギュラーコーヒー、Sでお願いします。」
以外に一言も発することなく過ごし帰宅したことに今気がついた。
汗と図書館と文庫本、コーヒーに外国語。
僕を取り巻いている、素晴らしい存在たち。
あとは彼女が帰ってくるのを待つだけだ。
・・・
今日も夜が来ました。
Good night.
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?