2022/03/12(土)

離島から家へと帰って来た。

最終日の今日は怪しげなレンタカー屋さんで軽自動車を借りて、離島をぐるっと回った。先週ドライブした時は大雨でコースを短縮したので、そのリベンジだった。

この上なく晴れた空にと文句のない風は僕らのために溢れるようにそこにあった。僕らを乗せた軽自動車は、何もない田舎道を小さなエンジンで駆け抜けた。突然始まり終わる集落には学校や無人販売所があって、生活の営みが愛おしく憧れを植え付けるビジョンで存在していた。

僕らは何度も、

「いいねぇ、いいねぇ。」

と、言った。

音楽もラジオも付けないで、ただそうやって走った。

この旅をきっと一生覚えているだろう。そして今はまだ浮遊している記憶も、そのうちゆっくりと静置され心の中でそれぞれの場所を見つけた時、僕をまた豊かに爽やかにしてくれる。

昔のことを思い出した。思い出しもしなかったことが夢に出て来た。

そうやって過ごしたこの日々は、どこかで昔の僕と繋がり、今後の僕を形作っていく。

日常に戻った今、だから僕は生きていく。

ヘトヘトで帰宅した。

余力も残っていなかったから、冷凍うどんをあっためて食べた。

そして僕らは、何度も

「いいねぇ、いいねぇ。」

と、頷きあった。

こうしてまた生きていくんだ。

・・・

今日も夜が来ました。

Good night.