2022/06/28(火)

帰りの電車に揺られていた。事故でダイヤが乱れたせいで、人がわんさかと走っている電車に集中したため、車両内の密度は高く、そして皆一様に無口だった。

「お雨の国ではみんな同じ顔をしているんだろ。俺にはそう見えるぜ。」

と、留学していた頃(高2)に言われたことがある。僕はその時、

「そんなことないぜ。」

と、何かを庇うかのように、なぜか熱くなって答えた。

しかし、今日僕がみた車両の中の、その顔たちは、友人の言った通りだった。

「みんな、それぞれみんななんだな。」

と、意味のあるようでないことを思い、そして、僕もその中の一つであることに嫌悪感を感じた。

ずり落ちるメガネと蒸れるマスクに隠すように溜息をついた。

電車は30分遅れて最寄り駅に着いた。

湿り気と熱を持った空気がホームで僕を迎えた。

今日1日、無事に終わったことだけに、救われた気分になった。

・・・

今日も夜が来ました。

Good night.

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