シンデレラはなぜ、王子さまと結婚したのか。「目的」と「目標」で読み解く、シンデレラ。

前回のnoteでは、以下のことについて書きました。

・「無駄な努力」を引き起こす３大原因（目的がブレブレ、目標設定がイマイチ、方向性が間違えている）がある。

・自分がこの３つのうち、どれにつまずきやすいか、知ることが、「無駄な努力」をなくすために大切

自分がつまづきやすい原因を知る方法について書く前に、まずは、３大原因の用語について、整理していきます。

特に、「目的」と「目標」の違い、うまく説明できるでしょうか？

「目標」については、子どもの頃から、「目標を立てなさい」、「クラスの目標はこれ」というように、自然と使ってきたもの。

一方で、「目的」はどうでしょうか。

大人になってから、急に、「その事業目的は何？」「目的をはっきりせよ」というように問われることが多くなったように思います。

そもそも、意味を明確に意識して使ってこなかった。

そんな方が多いのではないでしょうか。

もちろん、例に漏れず、わたしもです。

「目的」と「目標」の辞書的な意味

まず、言葉の定義から見ていきましょう。goo辞書によると、

「目的」：
１実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。
２ 倫理学で、理性ないし意志が、行為に先だって行為を規定し、方向づけるもの。

「目標」：
１ そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの。「島を—にして東へ進む」
２ 射撃・攻撃などの対象。まと。「砲撃の—になる」
３ 行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。「—を達成する」「月産五千台を—とする」

・・・・分かったような、分からないような。

「目的」は、「的」
「目標」は、「標」

goo辞典の漢語辞典では、

「的」：
①まと。めあて。ねらい。「射的」「目的」 ②あたる。要点をつく。たしか。あきらか。「的確」「的中」 ③英語の ～tic の音訳字。そのような性質・状態・傾向である。「劇的」「公的」

「標」：
①しるし。めじるし。「標識」「商標」 ②まと。めあて。「標準」「目標」 ③あらわす。しるす。書きしるす。「標記」「標榜(ヒョウボウ)」 ④こずえ。高い小枝。

ちょっとモヤモヤしつつも、イメージ的には、

・「的」は、ねらいを定めたまと（🎯）。弓矢が刺さる、到達点のようなもの？
・「標」は、めじるし、

でしょうか？

定義の確認は、いったんこの辺までにしておきます。

モヤモヤするから、自分なりの答えを

色々と考えた結果、自分なりの解釈としては、

目的：最終的に目指す到達点（叶っても、終わらないもの）
目標：目的を達成するための指標（叶ったら、終わるもの）

ではないか、と考えるようになりました。

色々な解釈がありそうですが、今の自分は、これが腑に落ちています。

ここから、説明していきますね。

シンデレラの「王子との結婚」は、目的 or 目標？

自分なりの解釈を示しましたが、文字ではなんだか分かったような気がするだけ。

具体的な例で説明できないか、悶々としていました。

あ！「シンデレラ」！

ここからは、わたしの頭の整理もありますが、お付き合いください。

シンデレラで、「目的」と「目標」の違いの説明！スタートです！

皆さんご存知の『シンデレラ』。

姉や義理の母にぞんざいに扱われているシンデレラが、
・舞踏会行きたい、と願う
・魔法使いが、魔法で馬車とドレスを用意する
・お城に向かって、ガラスの靴を落とし
・王子さまと結婚（ゴール）
メデタシメデタシ。
ですよね。

あくまで、仮定の話ですが、『シンデレラは、今の生活から抜け出すために、一発逆転！王子さまと結婚したかった』と考えてみます。

「王子様と結婚する」は、シンデレラにとって、「目標」でしょうか、「目的」でしょうか？

冒頭で書いた、定義を思い出してみます。

目的：最終的に目指す到達点（叶っても、終わらないもの）
目標：目的を達成するための指標（叶ったら、終わるもの）

王子さまと結婚したとして、それで物語は終了しますが、シンデレラの人生は終わらない、その後も続きます。

「王子さまと結婚する」ということも、「結婚している状態」は続くけれども、その行為としては、婚姻届を出せば、終わりますよね。

ですので、「王子さまと結婚する」は、「目標」と考えます。

では、ここでクエスチョン。

なぜ、シンデレラは、王子さまと結婚したかったのでしょうか。

結婚しても、人生は続いていく。

あくまで、仮定ですが、シンデレラは、「経済的に余裕がある状態で、心身ともに健やかに暮らす」という人生を送りたいと思っていた、とします。

この場合、「経済的に余裕がある状態で、心身ともに健やかに暮らす」は、「目標」でしょうか？「目的」でしょうか？

「目的」ですね。

いうなれば、人生の最終的に目指す到達点であり、状態を指すもので、終わりがないものです。

「目標」は、「目的」を達成するための指標、でしたね。

整理すると、
・「王子さまと結婚する」は、目標

・「経済的に余裕がある状態で、心身ともに健やかに暮らす」は目的

・「経済的に余裕がある状態で、心身ともに健やかに暮らす」目的を、達成するため、「王子さまと結婚する」という目標を設定し、シンデレラは無事、達成した

と考えてみてはどうでしょうか。

ここまで、「目的」と「目標」の違いを、シンデレラを例に考えてきました。

ここで、ふと、立ち止まって考えてみます。

目的達成のために、目標は達成していくもの。

では、「本当に、シンデレラの目標設定は、それで良かったのか」？

「経済的に余裕がある状態で、心身ともに健やかに暮らす」という目的を達成するための、「王子さまと結婚する」という目標は、それで良かったのか、ということです。

もちろん、目標達成できたので、シンデレラにとっては良かったかもしれません。

ただ、一般的に考えて・・・・

大博打すぎる。

「王子さまと結婚する」という目標は、大博打すぎる。

もう一度言うが、

大博打すぎる。

・シンデレラが、王子様の好みでなかったら？
・そもそも、魔法使いがやってこなかったら？
・招待状がないと、城に入れなかったら？
目標達成できるか、あやしい。

目標達成したとしても、
・王子さまが嫌なヤツだったら？

シンデレラの目的は、達成できるでしょうか。

もちろん、日々、慎ましく働いていたシンデレラへの、魔法使いからのご褒美なのは理解しています。あくまで、仮の話。

前置きが長くなりましたが、言いたいのは、「経済的に余裕がある状態で、心身ともに健やかに暮らす」という目的を達成するのに、他の目標設定でも良いのでは？ということです。

目的は、それほど変わらないと思います。
ですが、目的を達成するために、目標はどんどん変えて良い。

目的を達成するために、王子さまと結婚しなくても、自分でビジネスを始めても良い。

魔法使いに、「自分のお店を始める資金をください」と頼んでみても良い。

そんな自力（？）で自分の人生を掴み取るシンデレラも、これからの時代には良いですよね。

さて、お付き合いいただき、ありがとうございました。

・「目的」と「目標」の違い
・目的達成のための目標設定

についての話を書きました。

シンデレラの例を書いておいて、なんですが・・・

余談。「鬼滅の刃」、わたしも大好きです。

めちゃくちゃ感動しました。

ただ・・・

「国全体で、藤の花を植えまくる、持ち歩く」という施策を立てて、「鬼から人を守る」という目標も同時にやれば良いのでは、と、読み終わったあとつぶやきたくなりました。

何事も、「目的」と「目標」を考えるのは大事ですね！

次回は、本題。「無駄な努力」をしないためのつまづきやすいポイントを見極める方法について、書いていきます。

まとめ

・「目的」と「目標」の違いについて書きました

目的：最終的に目指す到達点（叶っても、終わらないもの）
目標：目的を達成するための指標（叶ったら、終わるもの）

・シンデレラを例としたとき、
「王子さまと結婚する」は、目標
「経済的に余裕がある状態で、心身ともに健やかに暮らす」は目的

・目的達成のために、「王子さまと結婚する」以外の目標があっても良い

今日書いた、イメージはこちらです。