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保育園年長から大学進学までの13年間の子育て奮闘記②

今現在、シングルファザーとして育てた『息子とのこれまで』について、全7回に渡ってお伝えしています。

今回は、ひとり親になったばかりのころ。息子が幼少期のころの話しです。誰かのお役に立てたら幸いです。また、息子にも何か届くものがあれば嬉しいです。

幼少期の息子のこと

親になると、どうしても我が子の『いいところ探し』をしてしまう方って多いのではないでしょうか。私も、その中の一人でした。

私は『息子の敏感さ』に注目していました。子どもが敏感と言うと、ネガティブな意味で捉えられることも多いかもしれません。しかし、息子はいい意味で敏感でした。

大人でも気付かないような周囲の些細な変化に気付く子でした。気付いたことを、言葉にして伝えたり表現したりして周囲を喜ばせることも多かったです。たとえば、保育園でのエピソードが印象的でした。担任の先生が伝えてくれた『給食のご飯』の話しが今でも鮮明に記憶に残っています。

幼稚園の給食のご飯は、いつも炊飯器で炊いていたそうです。ある日、たまたま窯で炊いたことがあったようです。子ども達には『釜炊きのご飯』だとは伝えてないために、誰一人としてお米の違いに気付く子はいません。そんな中で、息子だけが『今日のご飯は凄く美味しい』と、言って食していたそう。これには保育士の方々も驚いて『違いが分かるんですね!』と報告を受けたことがありました。

これはほんの一例となる、可愛らしいエピソードです。ただ、共に暮らす中で息子の視点は私を驚かせるもばかりでした。とくに、人の些細な変化に気付く子でした。また、気付くだけで留まることは少なかったです。気付いたからこそ、どう対応すればいいのか『考える力』を持った子でした。考えを積極的に言葉に出来る力も備えていました。

子どもによくありがちな、感想だけを伝えることも少なかったように思います。その変化に対してどう思うのかといった自分なりの意見を、真っ向から投げかけてくることも多く、よく大人たちを驚かせていました。

離婚直後の息子の様子

良くも悪くも敏感な息子にとって、親の離婚がもたらした影響は大きかったはず。親が一緒に暮らさなくなった事実に対し、気持ちがついて行かなかったようです。処理しきれない気持ちは、顕著に息子の行動として見え隠れするようになりました。

離婚後、息子のとある行動が目立つようになりました。それは、とにかく私から離れないということです。察する力の強い息子は、もう誰も失いたくいと考えての行動だったのかもしれません。これ以上自分が傷つかなくても済むために、自分を守っているようにも見えました。

それが想像できてしまうから、親としては心が痛かったです。そのとき、息子は幼稚園の年長でした。

シングルファザースタート時の私の様子

この頃、私自身も新しくスタートした息子との2人暮らしに大きく戸惑っていました。離婚前は、強い意志で子どもを引き取りたいと決断したのはずなのに、すぐさま父子家庭の暮らしに躓いていました。ひとり親とは、想像していたよりずっと大変なことでした。仕事と育児の両立の難しさに、正直なところ潰れそうになっていました。

とはいえ、一番の被害者は息子です。心に大きな傷を抱える息子のことを考えると、仕事を休んでずっと一緒に過ごしてやりたいと思っていました。しかし、そんな訳にはいきません。

その頃の私は事業が上手くいっておらず、生活費を稼ぐことで必死でした。これからひとり親として我が子を育てていくことを考えても、なんとか事業を立て直す必要がありました。

とはいえ、仕事と育児を両立するには思ったように動けずフラストレーションが募るばかりだったように思います。

息子と向き合いたかった

私にとって、事業の立て直しは凄く重要なことでした。だから、仕事に専念するため、父母(息子の祖父母)に育児を任せるという手立てもあったのかもしれません。しかし、それはしたくなかったです。なぜなら、苦しみの渦中にいる息子を救い出せるのは、自分しかいないと感じていたからです。

親の行動によって、これ以上に息子を追い詰めたくないと考えました。時間がない中でも、唯一息子にしてやれることは『誰かに預けたりしないこと』と『真っ向から愛情を伝えていくこと』でした。気持ちを言葉で伝えるのはもちろんのこと、一緒にいるときはスキンシップをとって愛情を示すようにしていました。

仕事と育児の両立のためにとった行動

また、育児と仕事を両立させるため、仕事に息子を連れて行くことも多かったです。息子に対して申し訳ない気持ちもありましたが、息子は私の仕事についていくことを喜んでいました。大人の会話を聞くのが楽しそうにも見えました。そして、自然と大人の会話に参加することも増えて行ったように思います。

結果論として言えるのかもしれませんが『大人達の会話』が息子にいい影響を与えたように思います。

子どもの世界に居ては知る由もなかった大人達の働きぶりが刺激となり、息子の思考力を加速させたように思います。幼いころからロジカルだった息子の考えが、この頃からより一層、研ぎ澄まされたようにも感じていました。

次回は、小学校入学の頃の話しです。親の都合で小学校の校区を変えたこともあり、息子は学校に行き渋りをみせるようになりました。そうした、親子の葛藤をお伝えします。

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