記事一覧
お祭りに行って来ました。
#シロクマ文芸部 100文字ショートショート「終章」
夏は夜に家を抜け出し恋をした。恋は不倫だった。あっと言う間に愛に変色し、腐敗が始まった。恋の命が尽きた後も私の執着だけが残ってしまった。恋情も憎しみも下ろした幕ももう一人の主役も捨てた。波の間に間に。
#シロクマ文芸部
#シロクマ文芸部「夜の快楽」100文字ショートショート
夏は夜がいい。闇が深いから罪を人のせいに出来る気がする。私は、夫が入れあげている女を絞殺してゴミ集積場に捨てた。「行方不明の女児(8)遺体で発見される」クソガキのくせに人の夫の心を盗んだ罪を思い知れ。
#シロクマ文芸部
私は東日本の震災を「サンテンイチイチ」と言う人間が嫌いだ。物凄く薄っぺらな表現のように感じる。私は「東日本の震災が起こった日」若しくは「震災があった3月11日」と言う言い方をする。「サンテンイチイチ」と言ったことはない。何も変わらないかも知れないけど、私の拘りの一つだ。
200文字ショートショート「挽き肉」
日曜日はお好み焼きだった。私はボールの中身を混ぜ始めた。ボールにはいつもの豚肉ではなく、挽肉が入っていた。母はピカピカになるまでフードプロセッサーを洗って、何故か満足気だ。妹がホットプレートにサラダ油を敷き、薄く伸ばした。「焼きます〜 」私はボールの中身をホットプレートに移した。いつもとは違う匂いがした。物凄く嫌で、香ばしい匂い。「お父さんが家出したのよ! 」母の目が嘘をついていた。
#シロクマ文芸部 短編小説「忘れていたもの」
手紙には「佳代子を殺した犯人は同じ課の水田」と書かれていた。一昨日、同僚の佳代子が絞殺された。警察は犯人の目処もついていないようだ。
佳代子が殺された丁度7日後に、人事課に手紙が一通届いた。でも、佳代子がいた営業課には後にも先にも水田と言う人間はいない。
暫くして、派遣社員の飛騨邦彦が佳代子殺しを自白した。痴情のもつれの末の殺人らしい。自白は、気の小さい飛騨が自分の罪に押しつぶされたの
100文字ショートショート「いつかの浮気と検梅日」
今日は二人で過ごす日曜日。朝は1杯の水。ブランチ後の薄いコーヒー。3時の紅茶。夕食後の梅昆布茶はあなたのブーム。私の粘膜を入れて混ぜたんだ。愛しあっている、私とあなた。逝くときも、伴に同じ性病の果て。