マガジンのカバー画像

式典準備委員会資料を読む

7
令和の御代替わりを前に式典準備委員会が開かれました。その資料を精査します
運営しているクリエイター

#大嘗祭

大嘗祭は稲の祭りではなく、国民統合の儀礼である──第2回式典準備委員会資料を読む 9(2018年6月5日)

大嘗祭は稲の祭りではなく、国民統合の儀礼である──第2回式典準備委員会資料を読む 9(2018年6月5日)

 平成の御代替わりには様々な不都合が指摘されましたが、これを基本的に前例踏襲する次の御代替わりも当然にして、同様の不都合が指摘されます。次もそうなら、次のまた次も同様でしょう。不都合なる事態が固定化しないよう一縷の望みをかけて、あえて批判を続けます。

 なぜ不都合なる事態が起きるのか、その原因を、2月に開かれた第2回式典準備委員会に提出された資料のなかから探り出す作業をこれまで行ってきました。前

もっとみる
「大嘗祭は第一級の無形文化財」と訴えた上山春平──第2回式典準備委員会資料を読む 13(2018年7月16日)

「大嘗祭は第一級の無形文化財」と訴えた上山春平──第2回式典準備委員会資料を読む 13(2018年7月16日)

 政府は、大嘗祭について、「稲作農業を中心とした我が国の社会に古くから伝承されてきた収穫儀礼に根ざしたもの」であり、「皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式」だと理解しています。

 この解釈には、何度も申し上げたように、2つの問題点があります。(1)大嘗祭を「稲作の儀礼」と解釈すること、(2)稲作儀礼と皇位継承儀礼とを直結して理解すること、の2点です。

 誤った理解の原因はいうまでもなく、稲と粟

もっとみる