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【5分でわかる】プラットフォーム革命

「プラットフォーム革命」は、FacebookやAirbnbなどの現代の経済を支配するプラットフォーム企業について立体的にわかるようになる本です。 そして立体的にわかることで、結果、自社サービスの企画に活かせることがこの本の最大の良さです。

伝統的な企業とのちがい 

プラットフォーム企業とトヨタやGEなどの伝統的な企業の一番大きなちがいは、プラットフォーム企業は生産設備や在庫をもたず、プラットフォーム企業自体は何の生産もしないことです。
プラットフォーム企業では生産はユーザーが行い、プラットフォームはその生産や生産者と消費者のマッチングを効率化することで収益を得る構造になっています。
例えば、YouTubeでは動画はYouTubeがつくらずユーザーがつくり、Uberはタクシーの在庫管理やドライバーの雇用をせず、生産(運転)はユーザーがします。Uberはユーザーとドライバーをマッチングさせるだけです。

構造のちがい

一口にプラットフォーム企業といってもビジネスの領域によってさまざまな構造があり、構造にあった最適な体験を設計した企業が覇者になります。
大きな構造のちがいとしてはYouTubeやTwitterなどのユーザーにコンテンツを生産してもらう「メーカー型」と、UberやAirbnbなどの生産者とユーザーのマッチングを効率化する「マッチング型」があります。
面白いのは「マッチング型」ビジネスもサービスのコモディティ化レベルによって区別されることです。
例えば、ある程度の条件が満たされていればユーザーにとってどの生産者が生産してもよい(ちゃんと送り届けてくれればどのドライバーでもよいUberなど)サービスはコモディティ度が高く、検索のインターフェースは極力シンプルだったりなかったりするのに対し、生産者を選ぶのにさまざまな条件を比較・検討しなければならないLinkedInやAirbnbのような企業はコモディティ度が低く、できるだけ幅広い条件をシンプルに検索させることに力を注いでいます。
Tinderの成功は出会い系サービスのコモディティ化レベルを適切にとらえ、最適な検索インタフェースを設計したことにあるのです。

発展フェーズのちがい

プラットフォーム企業も発展フェーズによって取りうる施策は様々です(同じ企業でもフェーズによって相反する施策を打つことすらあります)。
まず、前提としてプラットフォーム企業はネットワーク効果に依存し、人数が一定以上に達すると指数的に発展します。ですのでとにかくどの企業も最初期は「人を集めること」が至上命題となります。具体的には「(アリババのように)参加者にお金を払う」、「(Twitterのように)有名人を集めて一般人へのエサにする」、「(Instagramのように)単体で優れた機能を提供する」などの施策をとります。
一定の人数を集めたあと関心の焦点は「ユーザーの質を高める」ことにうつります。その際は「質の悪いユーザーを追い出す、自社にとって不利なサードパーティを締め出す(Facebook)」などの施策をとります。

いろいろな疑問や各社がとる施策がわかる

プラットフォーム企業が立体的に見えてくると、企業にまつわる様々な疑問や施策の背景がみえてきます。一例をあげると、

・なぜAirbnbやUberは法律違反が多いのか?
 → 法律は「伝統的な企業」に合わせて設計されているから。プラットフォーム企業とはそぐわない部分が多い
・なぜFacebookは成功しGoogle+は失敗したのか?
 → Facebookは「大学」という極めて活発なコミュニティに範囲を限定したため初めからコミュニティが活性化した
 → Google+ は人数が多いが、つながりがうすく、誰とどうコミュニケーションすれば良いかわからないためコミュニティが活性化しなかった

自社サービスの企画に活かせる

プラットフォーム企業各社の構造やサービス設計が徹底的にわかるように書いてあるため、その視点は明日から自社サービスの企画に活かせるのではないかと思います。僕も明日から活かしていきます!

最後に

というわけでこの本、サービスの企画をしている方だけではなく僕のようにビジネスを勉強したい人などにも必読ではないかと思います。めちゃくちゃオススメです!

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