2022年参議院選挙公約比較(金融財政編)

 どうも、来月7月10日に投開票を迎える第26回参議院通常選挙。今回金融財政政策を比較していきます。ウクライナ侵攻によって物価高が激化し、円安基調が更に高騰の拍車をかける一方、バブル崩壊後賃金が上がらない状況に陥っています。その中で各党はどの様な政策を打ち出すのか、これ見ていると大まかに3分類で分けられるのでは感じました。それでは見ていきましょう。

積極財政と金融緩和

  金融財政政策の各党公約を見ていると大まかに3つに分けられるのではと思いました。
 1.金融緩和賛成×積極財政派
 2.金融緩和反対×積極財政派
 3.金融緩和賛成×緊縮財政派
 今回日銀の円安政策肯定派やそれに似通った政策を明記している政党を金融緩和賛成派、消費税減税や積極的な財政出動を容認する政党を積極財政派として分類します。

1.金融緩和賛成×積極財政派

 国民民主党
 ・消費税5%減税 ・ガソリン税トリガー条項発動
 ・インフレ手当(10万円給付) ・インボイス制度否定
 ・教育国債(科学・教育予算に使う)発効
 日本維新の会
 ・将来世代の負担とインフレを招かない範囲での金融緩和・積極財政
 ・消費税のみならず所得税・法人税を減税する「フロー大減税」の断行 
 ・マイナンバーを活用と銀行口座を紐づけした徴税を行う
 ・租税特別措置法を廃止 
 ・マイナンバー制度の活用や銀行口座との紐付けによる徴税
 ・暗号資産税制の改正と暗号資産分野の研究促進
 れいわ新選組
 ・消費税廃止 ・ガソリン税ゼロ ・春夏秋冬の10万円一律給付
 NHK党(金融政策については明記なし)
 ・消費税減税 ・政府支出の見直し

 国民民主党、日本維新の会、れいわ新選組、NHK党は財政出動をかけて経済を回していこうと考えています。
 細かく見ると国民は科学技術や教育分野にお金を掛けて長期間のスパンで経済成長を目指していこうという考えが見えます。維新は税制改革や徴税の仕方を変えて対応するなど合理的な党風が見える政策となっています。
 れいわはシンプルに国債を発行してどんどんお金を回していくあり意味正攻法だと思う政策です。NHK党もシンプルに無駄遣いがないかどうかを精査し、財源を確保する政策を打ち出しています。

2.金融緩和反対×積極財政派 

 立憲民主党 
 ・物価安定目標を前年比2%とした政府と日銀との共同声明取り消し
 ・税率5%への時限的な消費税減税
 ・トリガー条項発動 ・インボイス制度廃止
 日本共産党
 ・「異次元の金融緩和」を見直し
 ・消費税を5%に緊急減税 ・インボイス廃止
 ・法人税率を(中小企業除いて)安倍政権以前の28%に変更
 ・所得税・住民税の最高税率を現行の55%から65%
 ・コロナ対策で必要な経費は国債にて対応
 社会民主党(金融政策明記なし)
 ・消費税3年間ゼロ ・大企業の内部留保に課税

 立憲民主党は日銀と政府が施策した金融政策には反対の立場を取っています。日本共産党はコロナ対策において国債で対応するという立場を取っており、財源の確保という考えでは意外にも現実的な考えを持っていると感じました。社民党は期限を付けて消費税の減税期間を示しています。

3.金融緩和賛成×緊縮財政派

 自由民主党
 ・日銀の金融緩和策は維持
 ・原油の値上がりは補助金で対応
 ・賃上げ促進税制の活用 ・赤字でも賃上げする企業には補助金
 ・マイナンバー活用による徴税
 公明党(金融政策については特に明記なし)
 ・燃料高騰支援は続ける
 ・トリガー解除は3党での協議を続ける
 ・経済再生と財政健全化の両立を目指す

 与党2党は報道上、日銀緩和政策については維持の方向性になっています。また補助金で対応し、ガソリン税や消費税減税はあくまでも行わない方針です。公明党に関しては金融政策について政策集には特には書いておらず、金融政策には弱いイメージを持ちました。

まとめ

 今回金融財政政策を見てみると与党2党は財政規律を考えると大胆な政策ができないと感じました。一方野党はチャレンジングな政策や財政支出を見直すなど大きく政策を打ち出していますが、これを実現できるかどうかはそもそも政権を取っていないので微妙な所はあります。
 しかし相対的に与党2党の議席を野党7党が奪えれば実現の可能性は上がります、当たり前ですけど。ただ国民民主党の様に与党と政策協定を組むようなことをすれば政策が実現する可能性は上がります。どちらにせよ選挙後、政策が変化するのか、野党の政策が実現するのか注視しましょう。


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