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ZOOMでワークショップを開催するコツ~参加者の満足度を高め、より充実した時間にするためにどんな工夫ができるか?

新型コロナウィルスの影響もあり、リモートワークが増え、ZOOMでのオンラインMTGも増えてきました。

少人数のMTG形式だとオンラインでもあまり問題が発生しにくいかもしれませんが、大人数のワークショップ形式となると、いろいろと準備が必要になってきます。

先日、教えている國學院大學で、アクティブラーニング型の授業をサポートしてくれる学生さんたち40名と、ZOOMを使い、2時間のオンライン型のワークショップを開催しました。

もちろん、対面ではないので、それぞれのメンバーの温度感まで含めてのシェアとなると、難しい部分がありますが、工夫すれば、対面で進めるのと大きく変わらず、ストレスを感じずに進められる感想を持ちました。場合によっては、対面よりも集中できている場面もあったと思います。

ファシリテーターが対面の場で気にかけていることは、当然の様にオンラインでも変わらないと思いました。

ただ、オンラインならではの留意点もあるかと思いますので、【ZOOMの使い勝手の良さ】を整理するとともに、【事前準備・当日運営・事後フォロー】に分けてまとめてみたいと思います!

これからオンラインでのワークショップを開催しようとされている方にとって、少しでも参考になれば幸いです!(自分にできることを、少しずつ!)

※あくまでも学生とオンラインでワークショップを行った経験を振り返っての留意点ですので、その文脈に付随する前提がある点はご留意ください!

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ZOOM自体の使用方法については、すでにまとめてくださっている方も多いかなと思いますので、使用方法に関する詳細は他のWebサイトをご覧ください。

ここでは、ワークショップでのZOOM活用に絞って記載して行きたいなと思います。

他のオンラインコミュニケーションツールと比較しても、ワークショップを行う上で、特に使い勝手がいいなと思うのは、下記の点です。

➀「画面共有機能」で、参加者のPCの画面を、全体にシェアできる!
②「ブレイクアウトルーム機能」で、少ない人数のグループ(小部屋)を、いくつも作れる!!
③「録画機能」で、ZOOMでのやりとりの様子を映像として簡単に残せる!!!

かなと思います。

➀「画面共有機能」で、参加者のPCの画面を、全体にシェアできる!

この機能によって、全体に共有したい資料を自分のPCに「画面共有」ボタンを押して投影しておけば、簡単に全体にシェアすることができます。

オンラインMTGの場合、それぞれがローカルのPCで資料を見ていると、気をつけていないと、参加者は、スピーカーが今、どこのことを話しているのか、わからなくなります。

画面共有機能を使えば、その心配がなくなるので、みんな同じ資料をみられているかな?という心配をせずに、先に進めることができます。


②「ブレイクアウトルーム機能」で、少ない人数のグループを、いくつか作れる!!

この機能によって、大人数いたとしても、任意で設定したグループ数に分ける、小さな部屋をいくつも設定することができます。

先日の研修では、40名を、5~6名ずつ、7個の部屋に分け、小グループでの対話の時間を持ちました。

グループごとのメンバー設定は、自動的にランダムに部屋割りをすることもできますし、こちら側で、どの部屋に誰を割り振るかを決めることもできます。

こちら側で割り振る場合は、各部屋に誰を入れるかの設定に地味に時間がかかりますので、ZOOMのアクセスを開始したら、「ブレイクアウトルーム」のボタンを押して、ホストが事前に割り振っておくといいかもしれません。

そして、ホストは、各小部屋に自由に出入りできます。

対面と違い、一度に、各グループの雰囲気を視認できないのはつらいところではありますが、グループごとにファシリテーター役を決めておけると、スムーズに進行できると思います。

余談ですが、3月末にも、30名程度が参加するオンラインワークショップを企画しています。その場では「ブレイクアウトルーム」を使って、都度メンバーを入れ替えながら、3ラウンド程のワールドカフェを実施しようと企画しています。

③「録画機能」で、ZOOMでのやりとりの様子を、映像としても簡単に残せる!!!

ZOOMの便利機能にセッションの「録画」があります。

ボタン一つで、簡単にセッションの様子を録画できるので、欠席者にも当日の様子を共有しやすく、大変便利です。

無料のアカウントだと、ローカルPCにしか保存できませんが、有料のアカウントだと、クラウドにも保存できます。

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ここから、実際にワークショップを行ったプロセスを【事前準備・当日運営・事後フォロー】に分けて、留意点を記載していきます。

(1)事前準備の留意点

ワークショップ前の留意点としては、下記があります。

1. グランドルールの事前共有/ 実施を徹底
2. 接続テストを実施して設備面での不安をなくす
3. 資料作りのフォントサイズは大きめに


(1)-1. グランドルールの事前共有/ 実施を徹底

ワークショップやミーティングを開始する前には、グランドルールというものを設定します。

今回は、オンライン編にちなんだものを設定しました。
このグランドルールを徹底させる強い意志が、ミーティングの質を左右するので、一番重要かなと思います。

➀できるだけ静かな場所から参加する
⇒マイクが周囲の音を拾ってしまうので雑音が半端なくなってしまいます。

②安定したWi-Fiを使う(テザリングは禁止)
⇒遅い環境だと、動画がフリーズしてしまうので。
 フリーズする場合は、動画をオフにしてもらうと早くなります。

③マイク付きイヤフォンを使用する!
⇒ハウリングを防ぐため。

④発言者以外、基本はマイクをミュート
⇒聞きやすさの確保。余分な音声を、ワークショップの場に持ち込まない。静かではない場所から参加するときは特に!

⑤ビデオは基本ON!
⇒顔が見えるコミュニケーションを意識。発言の温度感が伝わりにくいので、表情で意図をしっかり伝える。

後は、前日のワークショップ開催時には伝えなかったですが、他の方も書かれているのを参考に追記すると、

⑥リアクションはいつもより大きめに!
⇒リアクションがないと、聞こえているのかどうかもわからないので、ビデオの画面越しや時には、ミュートを切って、リアクションを!

⑦スマホやタブレッドではなくPCを使って入る
⇒画面共有で資料をみることなど考えると、PCの方が視認性が高いと思います。

⑧みんなそれぞれ違う場所から入る
⇒特定のメンバーだけが同じ場所にいると、ZOOMを介さないリアルなコミュニケーションが発生してしまい、他の参加者がおいてけぼりになります。
 PCがその場に2台あったりすると、ハウリングの原因にもなるので、できるだけそれぞれが別の場所から参加します。


(1)-2. 接続テストを実施して設備面での不安をなくす

まだまだZOOM自体を使ったことがない方も多いと思うので、接続テストは必須です。

今回は、ワークショップ前日の夜に、任意で接続テストを行い、機器利用に関する不安を払拭しました。おかげで、当日は、機器面でのトラブルはほとんどありませんでした。

加えて、接続テスト時にある程度人数がいる場合、「画面共有」や「ブレイクアウトルーム」機能を実施してみることで、運営側にとっても練習の場になります。ワークショップの"ホスト"として、ZOOMを使い慣れていない場合も、接続テストは大切なシュミレーションの時間になります。

(1)-3. 資料作りのフォントサイズは大きめに

ワークショップ当日、資料を画面共有して見せることを考えると、文字のサイズはある程度の大きさが必要です。

ワード資料は細かく、文字情報が多くなってしまうので、見ずらくなってしまいますし(スマホやタブレットからも入ってくる場合もあると思いますし)。

パワーポイントで、最小のフォントサイズが20ptくらいで作成できると、視認性も高く、スペースにあまりたくさんの文章を記載できないため、必要な情報を取捨選択して記載することにもなるので、いいのではないかと思います。

場合によっては、クラウド等で、当日使う資料を事前共有しておいてもいいかもしれません。


(2)当日運営の留意点

1. チェックイン/ チェックアウトの実施
2. 必要最低限のコンテンツに結晶化
3. 参加者への問いかけを多めに


(2)-1. チェックイン/ チェックアウトの実施

[チェックイン]

オンラインMTGに限らず、対面のMTGでも意識していることではありますが、冒頭に、参加者が一人ずつ話す、チェックインという時間を持つと、発言がスムーズになります。

最初の段階で一言、話す(声を出して)しておけると、その後の発言に対する"俊敏さ"の様なものを準備することができます。この時間がないと、「あっ、今、話したいな」と思っても、ちょっと二の足を踏んでしまったり。

対面で時間に余裕があれば、全員が一同に会してチェックインをしてもいいかもしれませんが、今回のワークショップの際は、ブレイクアウトルームの機能を使って、メンバーをランダムにいくつかのグループに分けて一人1分程度で話をしてもらいました(ランダムに分けるのは、あっという間にできるので、本当に便利!)。

テーマは、ワークショップへの意気込みや、最近の楽しかった経験等、話しやすいものがいいと思います。

[チェックアウト]

チェックアウトは、チェックインと同様、一人ひとこと、ワークショップの感想や気づきや学びについて話してもらいます。

この時間を取れると、ワークショップでのできごとを、振り返り、意味づけする時間になりますので、より内容に対する理解や自分にとってのハラオチ度が高まります。

先日のワークショップでも、チェックインと同様、ブレイクアウトルーム機能で、自動でメンバーを分けて実施しました。

タイムスケジュールの進行によっては、時間がなくなってしまう取れない場合もあるかと思いますので、ボリュームが多くなり過ぎないコンテンツや当日のタイムコントロールが重要となります。

(2)-2.必要最低限のコンテンツに結晶化

コンテンツは、元々は対面で5時間あったものを、本当に伝えなければいけないこと/ 対話して欲しいことに絞って、2時間に厳選=結晶化しました。

オンラインの方が、対面より音声に集中する力が求められるので、あまり“遊び”や"間"の時間を多くせず、必要なことに集中した方が、みんなもダレずに参加できるのではないかと思います。

集中力を考えると、時間的には2~3時間が上限ではないでしょうか? それ以上になる場合は、日を改める方が無難ではないかと思います。


(2)-3. 参加者への問いかけを多めに

スピーカーは、特定の人に偏るのではなく、定期的に参加者にも語り掛け、「お客さんにしない」のが大事です。

その意味では、ファシリテーターは、資料の説明パートであっても、参加者に「どう思うか? 」を問いかけたり、必要な個所を読んでもらったりして、双方向的に創造的な緊張感を維持していく必要があります。


(3)事後フォローの留意点

1. SNSとの連携
2. 内容の理解を促す事後課題の設定
3. 欠席者への資料/ 録画媒体の共有


(3)-1. SNSとの連携

今回は、ワークショップ中に感じたことや対話の内容を、WorkplaceというFacebookのクローズドコミュニティ版に投稿してもらう流れを創りました。

ZOOMのチャット機能だと、どうしてもワンタイムのセッションでのやりとりになってしまい、ZOOM終了後に、なかなか見返すことができません。

ZOOM以外の場でログが残る、SNSグループも作成しておけると、気付きや学びを共有しやすくなり、ワークショップの内容がより生きてくると思います。


(3)-2. 内容の理解を促す事後課題の設定

今回は、ワークショップの内容に関連する事後課題を設定しました。

当日の理解度を把握したり、補足的に伝えたいことを共有するためにも、事後課題を有効に機能させるのは重要です。

研修型のワークショップの場合は、あらかじめ、当日の内容に関連した課題を出すよ!ということを伝えておければ、集中力もより高まると思います。


(3)-3. 資料/ 録画媒体の共有

ZOOMは、当日のセッションの様子を録画もできます。m4a(動画)とmp4(音声)の両方のファイルで保存できますので、欠席者がいる場合にも、情報共有をする際にとても便利です。

人数が多いオンラインセッションの場合は、説明や発言を聞き逃しても、なかなか遮って確認することができませんので、参加者の振り返りとしても活用できると思います。

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以上、実際にオンラインでワークショップを行った際に、感じた留意事項をまとめました。

今まで、オンラインでのワークショップなんかできないよ!と、自分自身勝手に線中間を感じていたのですが、使い方によっては、ブレイクアウトルームや画面共有を有効に使えば、高いクオリティで実施できると思います。

もちろん、対面/ オンラインそれぞれの良さがありますので、場面場面で選択しながら、進めていけるといいですね。

上記は、まだまだ抜けている点も多いと思います。

もし、フィードバックをいただければ、できるだけ反映して、みなさんが使いやすいコツをまとめたページに育てていければとも思います。

こんな点が大事だよ!とお気付きの点がありましたら、フィードバックいただけると嬉しいです!

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