見出し画像

新しいツール(サーベイフィードバック)もOS(現場の価値観)をアップデートしないと使えないよねというお話し~中原先生オンライン読書会での学び

昨日は、立教大学 中原先生の『サーベイフィードバック入門』のオンライン勉強会に呼んでいただき、現場で、サーベイフィードバック(以下、SFB)のお手伝いをしたときに感じた「シャバ事例」をいくつかお話ししました。

☆中原先生もブログに少し書いてくださっていますね!
 <https://bit.ly/2zxPMCn>

中原先生や、参加してくださっていた方々とのチャットのやりとりを通じて、改めて感じたこと、お話ししようと思いながら、お伝えできなかった、SFB実践のポイントを下記、いくつかまとめてみたいと思います!

▽▽▽

①対話の前提は、様々な解釈が許されるということ

中原先生の書籍では、組織診断(サーベイ)の後に、対話の重要性が謳われています。

組織診断の結果は、返されるだけでは、現場に何も変化は生まれてきません。

対話をして、自分たちの行動に鑑みて、初めて変化の兆しが生まれてきます。

ただ、この対話も決して簡単なことではありません。

人によって、課題の認識はそれぞれ。「部署のコミュニケーション不足」と一言で表現してもその背景や理由は大きく異なってきます。

それぞれによって事象の捉え方がことなることを、「解釈主義」といいます。

人によっては、自分が見ている世界が全てだと思い、「そもそもコミュニケーションは少なくない!とか、「何で問題視されているかよくわからないとか」いい放ってしまう、マネージャーもいます(苦笑)。

それはマネージャーの一つのものの見方です。部下からみると、必ずしもそう感じていない場合があります。

なので、自分がファシリテーションさせていただく対話の場では、対話をする以前の場ならしとして、マネージャーの皆さんに、「どんなに理不尽で、的外れな意見が出ても、まずは耳を傾けましょう」ということを、マインドセットとしてお伝えします。

そこでマネージャーが反論をぐっと思いとどまることで、チームには、「意見を言ってもいいんだ!」という想いが浮かんできます。すべてはそこからのスタートです!


②SFBは、マネージャーのフィードバック/ ファシリテーション力向上施策とセット

組織診断の実施で「部署内のコミュニケーション」の結果が悪かったとします。

担当部署のマネージャーに、その結果を返して、部署内の改善に活かしてね! と言って、例え、対話の場を持ったとしても、改善に繋がる可能性は低いと思います。

だって、診断の結果への影響の一つに、マネージャーのコミュニケーション力や、ファシリテーション力の低さもあるから。

もし始めからうまくコミュニケーションができるなら、組織診断の結果も低くはならないかなと。

なので、マネージャーが組織診断の結果を活かすためには、基礎的なコミュニケーションや、フィードバック、ファシリテーション力の向上に関する研修はセットだと思います。

もしそのテコ入れができないのであれば、組織診断の実施自体も、慎重になってもいいくらい、大切なことだと思います。

それがなければ、せっかく対話の時間を設けても、上長からの一方的な結果の伝達に終わってしまい、部下のモチベーションが下がる、悪循環が発生してしまいます(涙)

③上長のこれまでのマネジメントに対するケアも大切!

上長が、部下の意見を聞きたがらない理由の一つに、今までのマネジメントやチーム運営に対して、否定的な意見を聞きたくない!というものがあります。

そこに対する拒否感は、思った以上に大きいです。

結果はどうであれば、ほとんどのマネージャーは自身のスキルや経験を生かしながら、そのときどきで、最善を尽くしています。

その点については、まず"承認"をしっかりと伝えてあげましょう。

そして、組織診断の結果は、必ずしも上長だけの責任に押し付けられるものではありません。

上長と部下、それぞれの相互作用でチームが成り立っているという前提を、もう一度、チームメンバー全員で確認しておきたいところです。

④ネガティブな側面だけでなく、ポジティブな側面にも光を当てる!

組織診断の結果、各項目を比較すると、相対的に数値が高い項目と低い項目が出てきます。

ネガティブな側面だけでなく、できている点については、しっかりと、その点は評価してあげたい!

その中に、組織やチームの強みや、その前段階の種が隠れています。

ネガティブな側面だけに光を当てるのはフェアじゃないなと。

強みを伸ばすという点では、できているところに着目する、「ソリューションフォーカス」という考え方が、参考になります!
<https://amzn.to/2KI6u4z>

⑤SFBを補完するインタビュー~他の手法との組み合わせ

組織診断の目的は、組織の状況を"数値"で見える化することです。

数値で見える化することで、空中戦になりにくくなります。

ただ、その一方で、数値を"絶対の指標"として扱っていいかというと、必ずしもそうとも言えません。

例えば、5段階評価の"3:ふつう"という回答をとっても、甘めに付ける人と辛めに付ける人で、その意味合いは同様ではないはずです。

①でも述べた通り、その背景にある回答の理由も大きく異なってきます。

大事なのは、回答の裏に込めた想いも含めて把握すること。
組織診断では、これが表に出てきにくくなります。

定量的な評価は全体的な傾向を知る上で、非常に重要なのですが、それと同時に、定性的なインタビューも行うことで、数値の背景を探っていきます。

誰が何を回答したかわからないたてつけでも、全体的な傾向を見ながら、その数値から何を感じるかをインタビューするだけで、メンバーそれぞれの想いを深く理解できます。

外部支援者として組織づくりを入らせてもらうときは、この部分を特に重要視し、匿名でインタビューをして伺った内容を整理して、共通する課題を抽出して、ワークショップの材料にしたりもします(外部支援者だと、匿名インタビューが特にやりやすいです!)。

▽▽▽

以上、改めて、SFBを現場で進める上で、大事だなと思った点をまとめてみました。

中原先生をはじめ、200名を超える参加者の皆様との贅沢な時間、とっても楽しかったです!

チャットの機能もうまく使って、思った以上に、インタラクティブに進んでいるのもびっくりしました! 参加者のみなさんが、リアルタイムでコメントや質問を出してくださると、スピーカーも追加の差し込みがしやすくていいですね!

中原先生、PHP研究所の宮脇さん、中村さん、野崎さん、大隅さん、吉村さん、貴重な機会をありとうございました!!

追伸①ーーーー

コロナ禍の影響で、リモートワークでの、チーム運営やチームビルディングに直面しているマネージャーの方向けに、研修を企画しました!

アカデミックな知見や現場実践の知恵など、すぐに使えるヒントを織り込んでいます。

5月10日(日)9:00~11:00@ZOOM

での開催です!

↓お申込み
<https://bit.ly/3f0Ivv3>

追伸②ーーーー

私が理事をしているNPO GRAで、コロナ禍の影響を大きく受けている食や農に関わる事業をされている方をお招きして、対話の場を企画しました。

実際の影響や、新しいチャレンジ、どんなサポートが必要かをみんなで対話しながら検討していきたいと思います!

5月8日(金)20:00~22:00@ZOOM

での開催です!

↓お申込み
<https://bit.ly/2YcVEvf>

ーー

200428_サーベイフィードバック入門読書会_v01


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?