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メイキング『モックフーンホテルの幽霊』挿絵

彩田花道 イラストレーター


2023年12月21日刊行「小説NON１月号」掲載『モックフーンホテルの幽霊』挿絵イラストを担当しました。
刊行：祥伝社
著者：青波杏さん

青波杏『モックフーンホテルの幽霊』

本誌初登場！東南アジアひとり旅で「人間」の手ざわりを少しずつ取り戻す物語。
大学三年の楓は何もかも刺激が強いベトナムに降り立った。宿泊先には予想外の出会いと事件が待ち受けていて……。

小説NON2024年1月号　本誌見出しより

①依頼のご相談

HPをご覧になった祥伝社の編集者の方からご依頼のメールをいただきました。
食べ物のイラストが美味しそうだったことと人物の表情が良くてお声がけしましたと教えていただきました。

今回は小説誌の扉絵ということでモノクロイラストの制作です。

②ラフ制作

粗ラフ

原稿を読んで粗ラフを制作します。
場面や構図の指定は無くお任せで、とのこと。

舞台となるベトナム・ホーチミンの動画や写真、主人公が足を運ぶ土地をストリートビューで見て現地の空気感を捉えてから制作に入ります。
バイクの多さと日差しの強さ、ベンダイン市場の賑わいやあちこちにあるカラフルなプラスチック製のイスが印象的でした。

メコン川やホテルの室内などを候補に挙げつつ
今回は食べ物と人物を見てお声がけいただいていたので小説内の飲食に関わる場面を3パターンご提案しました。

A:サトウキビジュースの屋台にて
バイクの往来、厳しい日差し、タマリンド並木などベトナムらしい風景を見せることができます。

B:pho2001にて
俯瞰で食べ物が良く見える構図です。タケオとの関係性を意識する主人公を見せたい場合に。

C:ベンタイン市場屋台にて
ナイトマーケットでひとり飲みデビューしている様子です。話が進展する場面を強調したい場合に。

ご検討いただき、A案で進めることになりました。

ラフ

紙面に印刷されたときにぼんやりしないように、明暗をはっきりさせます。

視線誘導と情報の粗密を意識しました。

③本制作

ラフをもとに描き込みます。

タマリンドの木々　マメ科らしい葉とグネグネとした濃い幹が力強い

バイクの多い往来　細い道の路肩にもずらりと並んでいた

木漏れ日が射す屋台の屋根　日差しが強い！


サトウキビジュースの屋台　グルグルとローラーを回してサトウキビを押し絞る
屋台ごとのペイントや文字が個性的で可愛い。
「nước mía」サトウキビジュース　「sinh tố」果物や野菜のスムージー



制作期間

  • 原稿読み　3時間

  • 資料集め　2時間

  • 粗ラフ　1.5時間

  • ラフ　2時間

  • 本制作　6時間

メール等の時間も含めて約18時間(2作業日)のお仕事でした。
ご依頼～納品までの期間は半月程度です。

おわりに

『モックフーンホテルの幽霊』が掲載されている「小説NON」は下記サイトから定期購読できます。

https://www.fujisan.co.jp/product/1218/

最後まで読んでくださりありがとうございました！
異国の物語、資料を集めながら小旅行をしている気分になりました。このお仕事がきっかけでベトナム料理屋へ行ってフォーを食べました。いつか見てみたいなメコン川。

装画、挿絵のお仕事お待ちしております。
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hanamichisaita@gmail.com

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