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感覚マニア

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目には見えない感覚の世界に潜り込む。そんな記事をまとめています。
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2020年10月の記事一覧

「見る」は目の専売特許なのか?

人が得る情報の8〜9割は視覚に由来しているという。 だとすると 視覚を持たない視覚障害者は健常者に比べ、1〜2割の情報しか得られないのか? 見える人から視覚を差し引くと見えない人になるのか? 伊藤亜紗さん著 『目の見えない人は世界をどう見ているのか?』 を読みました。 ここでぶわ〜〜〜〜〜っと蘇ってきたのは 暗闇が大好きな自分と、そのきっかけになったダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)での体験。DIDは本書の中にも出てきます。 暗闇に入った瞬間に「見える人」と「見え

暗闇の中でわたしは障害者になり、そして細胞が組み替えられた。

暗闇が大好きだ。 わたしがそう呟くと、変人とまではいかないまでも、ちょっと変わった人扱いされる。意味が分からないとゆるりと流されることもよくある。 通常イメージされる「暗闇」とは、恐ろしいものだったり、不安なものという人が多いからかもしれない。 だけど、あえて重ねて言いたい。 わたしは暗闇が大好きなのだ。 あ、熱量だけが先走ってしまいました。 何が話したいのかは順を追って説明するのでもうしばしお付き合い願います。 誤解のないように言っておくと、ここでの"暗闇"とは別

言葉にできない感覚と共にあることと、言葉にすること。

自分の中で沸き起こってる感覚が言葉にならない時がよくある。 なんと表現したらいいのかすぐに思いつかなくて言葉にできない時や その場に慣れていなくてうまく出せない時もあるし 現在知っている「言葉」では表せないような時。 例えば「怒り」や「喜び」という言葉のエネルギーにもまだ到達しないような些細な、些細な、波立つような粒子。 言葉にできないからそれは「ない」のかと言われるととんでもなくて それは言葉にできなかろうが、どんなに些細な感覚であろうが、わたしの中に確実に「ある