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24.2月オケ練習会①:同族嫌悪。

2月に入り、オケの練習会も本格的になってきた。

まず、プルトが決まった。
私は2プルト裏、とのこと。
本番ではチェロトレーナーのM先生がトップに入るから、今トップにいるMさんがトップサイドに移動し、今トップサイドにいるKさんが自動的に2プルト表になる。私はKさんの隣、ということだ。

う〜ん、安定の2プルト…。
私など、目立つところでなく、一番後ろでいいのに。

というわけで、私は2プルトの場所に一人で座っている。

          ★

今回は、コンマスが指揮台に立った。

「前月の指揮練では、H先生(指揮者)にブラームスの4楽章の練習が足りないことを指摘されました。今日は4楽章、3楽章、2、1の順で練習していきましょう。」

1楽章に時間を取られて、4楽章に辿り着くともう時間がない状態になるからだった。
練習順番を変えるのは、良いと思う。

全楽章通してみると、私的には今までの練習の中ではよく弾けた方だと思う。
みんなが落ちがちな1、4楽章の高速パッセージもついていけたし(テンポを少し落としてくれたせいもあるが)。


それにしても、コンマス。
指揮指導しているときは指示も的確で耳も良く、言うことないんだけど。
一対一で話すと、人への思い遣りに欠けるんだよなぁ…と感じるから苦手。でも、たぶんこれは"同族嫌悪"である。


私が10代の頃、周囲...特に大人に優しくされたことがなかったから、人に優しくするということがどういうことなのか知らなかった。
大人は私にとってみんな敵だったので、敵意は学校の先生方へも向いてしまった。
学校にいる間はずっと寝ていた(夜寝ていないから当然だ)。ペーパーテストは常に高得点だったから誰も文句を言わなかった(指導に熱心な先生もいたけれど)。
「だから、なに?」が私の口グセ。

超絶感じの悪い子どもだった。


コンマスを見ていると、その頃の自分だなーと思う。そんな態度をしたら、そんな言葉をぶつけたら、相手はどう感じるだろう、とか、悲しむだろう、とか、全く考えなかった頃の自分そっくり。

コンマス、まさか私と同じ境遇の子ども時代を送ったとは思わないけれど、人への気遣いを学ぶ機会がなかったんだろうな。
それはそれで気の毒だ。

私がそんなふうに思っていることに当然全く気付いていないコンマス。
飲み会ではグラスを持って「夜さん、何の話してるの?混ぜてよ。」と寄ってくる。私は逃げるのに必死だ。

           ★

という、コンマスの中身のことは置いておいて。
ブラームスの練習が、思った以上に早く終わってしまった。
「あと1時間ありますね…。ベートーヴェン“皇帝”も練習しましょうか。」
とコンマス。

しまったー!
皇帝の練習は置き去りにしていた。

そんなことで、私の弾く3楽章はメタメタだった。
練習してきます…。

           ★

「夜さん。次回の練習会は参加できる?」
練習会終了後、Mさんが聞いてきた。

チェロケースを背負いながら、
「ハイ。参加予定です。」と答えた。

Mさん「よかった〜。次回私来れないんだよ。」とおっしゃる。
それまでMさんと話していたKさん「夜さん来るの?よかった〜!心強い!」とおっしゃる。
どうやらKさんはMさんにトップをお願いされていたようだ。
ということは…私がトップサイドですか…。

「喜んでいただけて嬉しいですけれど、そんなに戦力にならないです、スミマセン…。」
ボソボソと言う私。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ!」
私の肩を叩いて笑うMさん…いえ、ぜんぜんだいじょうぶじゃないです。だって次回はトレーナーU先生の指揮練じゃないですか…。

「じゃあ、私は帰ります…。」

「ああ、これで次回は安心。」とまだワイワイやっているチェロの皆さんを置いて、私は帰路につく。

…気が重いなぁ。