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#46 【和音連打の伴奏形】が硬く、重くなる人へ〜美しく音楽に沿って弾くには?〜

こんにちは、さいりえです。

今日の note は、「和音×連打の伴奏形(とくにロマン派)」についてお話します。

和音を「チャチャチャチャチャ・・・・」と鳴らしていく、あの形ですね。

今日は シューベルトの即興曲 Op.90-4 を用いて説明、演奏しています。

中間部(トリオ)の、この部分です。

スクリーンショット 2020-04-21 18.40.17

(楽譜はIMSLPから引用しています)

このような音形、たくさん登場しますよね。

とくにロマン派やロマンティックな部分では、

・ガチャガチャ弾きたくない!
・世界観、感情の揺れ、空気感を出したい…

でも、たくさんの音を打つため、どうしても硬くなったり、うるさくなったりしやすいんですよね。

歌曲の伴奏にも通じるものがあります

そんなわけで、このような伴奏形をスムーズに、そして音楽に沿って美しく自然に波打つように弾くためのポイントをお伝えします。

この曲にかぎらず、

・メンデルスゾーンの無言歌
・シューマンの小品
・ショパンのポロネーズやワルツや…

と、いろんな曲で共通するお話ですので、気になられる方はぜひお読みください。

このnoteのポイントです。


【このnoteのポイント】
・和音連打の伴奏形を美しく弾くためのポイント
・和音連打が硬くなりやすい、弾きにくい理由とそれを回避するために大事なポイント
・メロディと伴奏形の音色の違い。メロディを伸びるように弾き、伴奏は穏やかに弾くには?
・今回の題材(シューベルトの即興曲)の演奏の提案

【こんなお悩みに】
・連打の伴奏が重くなる、硬くなる、弾けないという人に
・メロディと伴奏が同じようになってしまい、演奏が平面的になる人に
・ちゃんと弾いているつもりなんだけど、パッとしない…という人に

【このnoteの構成】
・テキスト
・動画解説・演奏(約10分半)
  ※動画は vimeo のプライベートリンクを共有しています。

【例に取り上げている曲】
シューベルト/即興曲 Op.90-4 より
・ベートーヴェン/ピアノソナタ 第21番 Op.53 第1楽章 より(少しだけ)

後半からはオンラインレッスンサロンの会員様向けですが、途中まではどなたでもお読みいただけます。

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和音の連打でよくあるお悩み、失敗例について

先に挙げたシューベルトの即興曲のトリオ。

弾かれたことがある方は、イメージ可能かと思いますが、けっこう一筋縄ではいかない部分ですね。

とくに和音の連打が

・硬くなる
・うるさくなる
・流れが出ない
・メロディと一緒に弾いたとき、立体的に聴こえない(音色が変わらない)

などの難しさがあります。

しかし、いくつかのポイントを意識して練習していくことで、ぐっと雰囲気や表情が変わります。

そのポイントを紹介していきますね。

ポイント① 鍵盤と打鍵ポイントをよく観察する

和音に限らず、連打やトリルで重要になることなのですが、

ピアノの鍵盤と、あなたの指、打鍵ポイントをよく観察します

大きく分けると、次の4つのポイントです。

・ピアノの表面より上の部分(無駄な動きにつながる)
・ピアノの表面から指を沈めて、抵抗があるまでの「あそび」の部分(今回の場合、無駄な動きやバラつきの原因になりやすい)
・確実に音が鳴るポイント(重要)
・一番底の部分(使う時と使わない時がある)

このうち3つ目の「確実に音が鳴るポイント」を、あなたの指が確実にタッチする。その感覚を大事にしてください。

ここを意識するのとしないのとで、和音の連打の精度や弾きやすさが違ってきます。

(この下で紹介する動画で、実際に音を出して解説しています)


ポイント② フレーズ感、複数の音グループを作って、その模様に沿って弾く。腕の導きも大事!

つぎに、「フレーズ(音グループ)の模様に沿って弾く」ということ。

言葉にするとちょっとピンと来にくいかもしれませんが、とても重要なことです。

この逆の弾き方(悪いパターン)が、

・1つの音につき1つの動きで弾いてしまう
・どの音も同じ弾き方で弾いてしまう

ということ。

たとえば先ほどのシューベルトの楽譜をもう一度見てみます。

この1小節目だけでも、伴奏形の音はタテに5つ、横に5つと、全部で25個もの音がありますよね?

スクリーンショット 2020-04-21 18.40.17

これらがすべて同じ向き、同じ音、同じ音色ということはありえないはず…

ですが、やはり連打が弾きにくかったりコツをつかめなかったりで、同じように弾いてしまう、もしくは同じように聞こえてしまうことがあります。


そうではなく、

・音楽が向かう方向にひと繋がりに進んでいったり
・複数の音たちで、ひとつの世界をつくっていったり
・カンカンカン、という直接的な音でなく、雰囲気のある音の群にしたり

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