#30 伴奏形によくある形(バス+内声のハーモニー)を立体的に演奏するためのポイント
こんにちは、さいりえです。
今日のnoteでは、左手の伴奏形によくある形
・バス(単音 or オクターブ)…おもに1拍目
・内声のハーモニー…弱拍、いくつかのリズム
を組み合わせたパターンの演奏について。
以下の2曲を例に挙げています。
例1:ベートーヴェン ピアノソナタ第16番 Op.31-1 第1楽章 提示部第2主題
例2:ショパン 練習曲 Op.10-5『黒鍵』 冒頭の4小節
(楽譜画像はIMSLPより引用しています)
このような伴奏形を立体的に演奏し、和声感やテンポ感、空間や奥行きをつくり、その上で歌うメロディと伴奏がお互いに生き合うためには?というポイントでお話と演奏していきます。
伴奏形のポイント① パート・楽器の違いを考えて、頭の中で組み立てる
左手で一緒に弾く伴奏形ですが、実際には
・バス
・内声
言い換えれば
・チェロやコントラバスの支え(ハーモニー、リズムの面で)
・ヴァイオリンやヴィオラで奏でるハーモニー
のように、違う役割がありますね。
それぞれの楽器が、役割をもってアンサンブルしている音楽像を思い描きます。
伴奏のポイント② それぞれのパート、役割の特徴を弾き分けていく
各パートは、
・呼吸
・音色
・次につながる音はどれか?という、道筋
・発音、タッチの種類
・音の響き方のイメージ
・キャラクター
など、いろんなものが違います。
楽譜上では、ひとつのへ音譜表にまとめて書いてありますが、同じように一色で弾いてしまわず、それぞれのパートの特徴を弾き分けることが大切です。
一人で、一本の腕で弾いているけれど、実際には複数の人が演奏しているというイメージですね。
それぞれの人が、役割、思いをしっかりもってそれを実現できるように練習していきます。
伴奏形のポイント③ 体の使い方を変える
バスと内声は、同じ体の動きや腕の使い方をするのではなく、違うイメージを持ちます。
同じように腕や指を動かしてしまうと、平たんな演奏になってしまいますし、硬い音、硬い音楽になってしまいます。
バスはゆとりをもって腕を準備し、
・十分に響かせられる体の準備とともに
・実際の音価よりも、長くゆったりと響かせるつもりで打鍵する
・音楽全体を包み込むように
バスは跳躍することが多いので、こちらのnoteもご参考になさってください。
内声は、指のバランスやてのひらの支えを大事にして、和声の響きを聴きながら整えます。
また、リズムやキャラクターも表現できますね。
実際の体の動きは、この後の動画でご確認ください。
参考動画(約8分)
ここまでのポイントを動画で解説・演奏しています。
実際に例にあげた、ベートーヴェンのピアノソナタ第16番とショパンのエチュードOp.10-5「黒鍵」の一部を紹介しています。
ミニポイント動画となります。どうぞご覧ください。
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