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オンラインイベント「才能はみだしっ子フォーラム2021・ギフテッド教育への招待」開催いたしました


7月28日公開のnoteにてご案内をしました「才能はみだしっ子フォーラム2021・ギフテッド教育への招待」イベントが2021年8月18日、無事に終了いたしました。

ご視聴いただいた皆さま、誠にありがとうございました。当日視聴チケットは定員の500名にイベント10日前に到達するほど、高い関心を持って頂くことができて、実行委員の1人としてとても感謝しております。

今回のnoteでは、イベントを振り返っての報告をいたします。プログラムにそってご紹介していますが、もう一度見直したい、当日視聴ができなかったという方はアーカイブ視聴も無料でできますので、ぜひPeatixからお申し込みください。

フォーラム報告

本編スタート前に、応援動画を配信

イベントは、本編の開始時間に先立って教育関係の著名人・専門家など、7名の方からの応援動画から始まりました。

ギフテッドのお子さんを育てる上で役立つ情報を発信されているMake our own pathさん(当フォーラム実行委員会メンバー)、プレイベント対談にもご登場いただいた教育家・執筆家の石田勝紀さん、Hillock初等科スクールディレクターの蓑手章吾さん、日本ラグビーフットボール協会理事で株式会社チームボックス代表取締役の中竹竜二さん、短大講師・高校非常勤講師・セラピストなどマルチに活躍されイベントのフライヤーをデザインして下さった岩崎佳子さん(当フォーラム実行委員会メンバー)、クラスジャパン小中学園代表の中島武さん、そして公益社団法人日本サードセクター経営者協会執行理事の藤岡喜美子さんは、当フォーラム実行委員メンバーとしても多大なご尽力・ご協力をしてくださいました。

皆さまがとても心のこもった熱い応援メッセージを下さいました。

そして、福田百合加さんの司会で定刻にイベントは始まりました。福田さんはオンラインの学びの場「コラボなみらい」を運営されており、クラスジャパンの中島代表と当フォーラム実行委員メンバーと出会うことができたのも、この「コラボなみらい」という場があったからこそでした。

第一部 特別講演  専門家の視点から見るギフテッドについて

第一部は、お2人の専門家による特別講演。「ギフテッド・チルドレンとはどんな子どもなのか」についてわかりやすく解説していただきました。

上越教育大学 角谷詩織先生
「ギフティッド児の特性:優秀な⼦とどう違うか?」
角谷先生は「優秀な子」と「ギフティッドの子」の特徴を対比しながら、はじめてギフテッドについて知る方にもわかるような講義をしてくださいました。一般的に「ギフティッドというと優秀な子どもでしょう?支援は不要なのでは?」と思われがちな先入観を塗り替えるようなご説明で、ポイントは以下のようになります。

●ギフティッドの子どもは外界の情報を大量に取り入れ、頭の中でその情報を処理し、放出するため、喜怒哀楽が激しく、感覚過敏を持っていたり、人並み外れたエネルギッシュさが周囲にとって不都合な態度と受け取られやすい
●大人は子どもの優れた点と困った点がつながるとは考えにくいため、理解されにくい
●子どもたちひとりひとりを受容的なまなざしで見てあげること。ギフテッドの子どもはいるのかなという意識のレンズを通して見つけることが大切


愛媛大学教育学部 隅田学先生
「⼀緒に考えよう,ギフテッドの⼦どもたちが輝く教育」

隅田先生は、今回のフォーラムのメインターゲットである先生に向けて、「ギフテッドの子どもたちはどのような教育環境だと力を発揮しやすいか」についてお話しくださいました。

まずは日本の教育モデルとは異なる、海外で行われているギフテッド教育について紹介されました。授業内容の紹介を含め、海外の著名なギフテッド教育研究者が高IQばかりを重要視するのではなく「IQが平均以上あり、さらに創造性と物事に没頭する力が他の子どもと違う子ども」と提唱していることなどを説明されました。

また、ギフテッドで学習困難を併せもつ2Eと呼ばれる子どもが、時に科学教育では力が発揮しやすいこと、ひらめく力が強い2Eの子どもと通常の勤勉型の子どもは相互に補完し合う形で一緒に学ぶ事が出来ることなどを話されました。子どもたちがつまらないと感じ、力が発揮出来ずに萎縮してしまう学習環境はとても残念であり、子どもたちそれぞれが輝いて力を出していくことを願っていると結ばれました。

第二部 ギフテッド当事者、保護者、世界的なギフテッド教育事情について

第二部は、ギフテッド当事者、ギフテッド・チルドレンを育てる保護者、そして世界のギフテッド教育事情について、実際に行動している中から見えてきた話を中心に展開しました。

「ギフテッド当事者との対話・ここにいるよ!ギフテッド」
ギフテッド当事者会Co-Ringを主宰されている土居綾美さんのお話を、当フォーラム実行委員でany-global合同会社代表の矢野涼子さんが対談形式でお聞きしました。

インタビュアーの矢野さんは経営者である一方、才能を育成する機関で日々ギフテッドの子どもや大人たちと接してきました。

当事者の土居綾美さんは、子どもの頃を振り返ると教科書を見ればわかる内容の授業がつまらなく感じたこと。周りから浮かないように、勉強が出来ることを隠して目立たないように過ごしていた中、学校での一部の理解してくれる先生の気遣いや家庭での理解がとても助けになったと語ります。

高校生の時に「ギフテッド」という言葉に出会い、才能面だけではなく、感情コントロールの難しさや社会での生きづらさを抱えやすい子どもたちなのだと分かり自分のことであると実感したこと。また自分にはギフテッドの特性を持った仲間がいることを知って安心したそうです。今後さらにギフテッドの特性が社会で知られて、自分の能力を出せずにいる子どもたちが、力を発揮できるようになることを願っていると話されました。

土居綾美さんのエピソードは、イベント前に詳しくお伺いして8月22日にnoteに公開していますのでそちらもご覧ください。
【才能はみだしっ子、自分を語る】 「ギフテッド」という概念に出会って、「私だけじゃない」と知ることができました

「保護者の視点・データで⾒る、⽇本のギフテッドの⼦どもたちの『今』」ギフテッド・チルドレンを育てる親の会、一般社団法人ギフテッド応援隊の会員に実施したアンケート調査の発表です。発表者はギフテッド応援隊代表理事の冨吉恵子さん(フォーラム実行委員)でした。

アンケートに回答してくださったのは、ギフテッドと2Eの子どもたちの保護者140名。ギフテッドの保護者を対象にこのような大規模なアンケートを行ったのは日本ではじめてではないかと思われます。アンケートのテーマはフォーラムのメインターゲットである先生方に知ってほしい「学校と子どもたちの関わり」でした。

アンケートグラフ

アンケートの結果では全体の実に85.7%が「学校で困っていることがある」と回答。その内訳は
●学習のレベルが合わない、
●感覚過敏、書字障害がある、
●先生から理解が得られない、
●友だちとなじめないなど
多岐にわたりました。
そのような困りごとを抱えた保護者の多くは学校に何らかの形で相談ができていますが、1割以上は相談できずに悩んでいる現状も浮き彫りになりました。

学校からの対応で良かったこととしては、学習面、心身面での個別のケアが多く、「カウンセリングや検査への紹介をしてくれた」「子どもに無理に登校させないでおいてくれた」というコメントもありました。ギフテッドの子どもが抱えるストレスとして、登校すること自体を負担に感じていることが多く、学校に通えていたとしても疲れてしまうなど様々な苦労がある、という結果となりました。子どもに直接関わってくださる先生が、ギフテッドの特性を理解し、どんなことに困っているのか を分かってほしいという切実な心情を吐露したコメントがありました。ギフテッドの子どもたちと保護者の声が実際に聞こえてくるようなリアルでかつ事例豊富な発表内容でした。

「世界から⾒た⽇本の現状・⽇本のギフテッド教育のこれから」

最後に、私、酒井が登壇しました。所属している世界ギフテッド&タレンティッド・チルドレン協議会の世界会議の報告と、協議会発足以来はじめての「ギフテッド教育世界規範」が策定されたことについて話させていただきました。

その「ギフテッド教育世界規範」の中では、教育関係者、コミュニティ、政府への啓発活動が重要であると発信されています。また、日本国内でも文科省、経産省でギフテッドもしくは類似のキーワードで検討が進んでおり、数年後には公教育にもギフテッドの子どもに向けた対応が期待されているということが、今のギフテッド教育を取り巻く国内外の事情です。

とはいえ国内では、今現在「ギフテッド」の特性を知らずに困りごとを抱えている親子や学校の先生が存在することから、数年後に期待をするだけではなく、今すぐに情報を発信し続けることの大切さと、ギフテッドに関わる教育者、研究者、医療関係者、保護者、当事者、支援団体、企業などが繋がって活動していくことを提案しました。

なお、それぞれの発表のあとには、実行委員の関川香織さんが登壇者の活動内容などを紹介しました。その内容は後日noteの記事に背景などを含めてご紹介予定です。

イベント後のアンケートから

イベント終了後、約10日たった時点で、95名の方から事後アンケートのご回答をいただきました。一部抜粋してご紹介しますが、こちらの内容も後日また改めてnoteで記事とできればとも思っています。
「ギフテッドの子どもの特性を知ることが出来た」
「今まで保護者として孤軍奮闘してきたが、ギフテッドについて共通認識をもつ登壇者の話が聞けて良かった」

また、参加された学校関係者の8割以上が「今後の指導に役立つ内容だった」と回答してくださいました。先生をターゲットにイベントの企画をはじめた際には実行委員であり公立中学校の養護教諭の座間貴子さんには現場目線の意見を頂き、より参加者に寄り添った内容とすることができたと感じました。

アンケートには具体的に一緒にやっていきたいと思うアクションを書いて下さった方も多く、届けて下さったお声を今後の活動へぜひ活かしていきたいと考えております。

イベントを振り返って 酒井の想い


昨年の今頃は、「才能はみだしっ子の育て方」の校了で慌ただしい時間を過ごしていました。本を出版してからどのような活動ができるのか、何も想像できず、ただワクワクする気持ちだけを感じておりました。あれから1年、たくさんのギフテッド関連の支援団体、研究者の先生方、当事者、保護者などの皆さまと繋がり、更に啓発活動に共感をして一緒に活動する仲間とも出会えました。短い間に不思議なくらいのご縁に恵まれ、行動に結びつけることができました。これはきっと私たちの「ギフテッドの子どもを支援しよう。子どもの多様な個性を大切にする社会にしよう」と願い、進んでいる道が正しいから、目に見えない存在が「頑張れ!」と応援してくださっているのではないかと個人的には思っています。

これからも、関係各所のご協力とご指導を頂きながら進んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

「才能はみだしっ子フォーラム2021ギフテッド教育の招待」アーカイブ動画は2021年12月31日まで視聴お申し込みが可能です(無料、視聴は2022年1月31日まで)。学校の先生へのギフテッドの説明などにご活用を頂けたらとても嬉しいです。
こちらからお申し込み下さい。https://invitationtogiftedarchive2.peatix.com

フォーラム報告

今回の才能はみだしっ子フォーラム実行委員は以下のメンバーで構成されております。

(五十音順)
岩崎佳子 https://ameblo.jp/oiseauheureuse/
酒井由紀子 https://www.liaisondetre.jp
座間貴子 https://note.com/tantan810
関川香織 https://kaorisekigawa.wixsite.com/mysite
冨吉恵子 https://www.gifted-ouentai.com/
中島武 https://www.cjgakuen.com
福田百合加 https://www.facebook.com/collabomirai/
藤岡喜美子 https://jacevo.jp
Make our own path https://note.com/makeourownpath/n/nb424718bcb0e
矢野涼子 https://www.facebook.com/any-global-840886296294793

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