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ドスケベマン

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2017年3月の記事一覧

ドスケベマン(8)

前回のあらすじ初潮を迎え恐怖に打ちひしがれるユウキ。
そんなユウキに、母は横浜へ向かえと言った。
レジスタンスのアジトがあるという横浜、ユウキは無事にたどり着けるのか。

―――月明かりの中、ひび割れたアスファルトを駆け抜け続け、どれほどたったろうか。
打ち捨てられた廃墟をユウキは見つけた。
夜明けまでどのくらいだろうか。日が昇るとドスケベアーミーに見つかりやすくなる。それまでに少しでも横浜へ向か

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ドスケベマン(7)

前回のあらすじ西関東地区に住む美しき男装の少女ユウキ。
しかしその生活は、彼女の体の変化により終わりを告げる。

―――白い下着につく、血の汚れ。
膝ががくがくと震えだし、ユウキは思わず厠の壁で体を支えた。
初潮。女性ならではの体の変化であるが、それはここ西関東地区ではドスケベアーミーによる平和な日々の蹂躙を示していた。
「ユウキ、どうしたの?」
あまりに長い厠に、外から母親が声をかける。
どうし

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ドスケベマン(6)

前回のあらすじ西関東地区。
アーマード倫理観の支配するこの土地では非道な方法で美しい少女と食物が徴収される不毛の土地であった。
その土地に住まうユウキ。その運命はいったいどうなるのか。

―――ユウキの父親は美しい男だった。
村の老人曰く、幼いころは少女かと見まごうほどの美貌で、危うくドスケベアーミーに連れて行かれかけたらしい。
そして、カオル――ユウキの姉も、父親に似た美貌を持って生まれた。

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ドスケベマン(5)

西関東地区。
かつてこの国で一番高いと言われた火山へ向かい、小さな山や丘、荒野が続く広い地帯。
かつて、人々が笑い合い過ごしたと言われる面影は今はなく、その山肌は岩に覆われており、人々はそこから海へと広がる裾野で細々と作物を作っていた。
作られた作物は、かつて東海道線、京浜東北線と呼ばれた遺構を利用したトロッコで、ドスケベとともにドスケベシティへと徴収され、人々はほんの少しの麦や米、野菜で生きてい

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ドスケベマン(4)

それは、いつからあったのか。
海岸線からおよそ100キロ、小高い丘の上には奇妙な形の建造物があった。
太陽が昇っている間は一見白いアリ塚のようにも見えるその建物は、近づいてみると高さは優に400メートルはあろうかと思える。
外側を白く塗り固めた泥のようなものは、その壁に触れればところどころに繊維の切れ端のようなものが見えるだろう。
しかしそこにたどり着けるのは一体何人か。
建造物の周囲にはまるで虫

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ドスケベマン(3)

前回のあらすじ肩口を撃たれ満身創痍絶体絶命のタカシ。
しかしその瞳はドスケベを守ることをあきらめていなかった。
まさに死を覚悟したその瞬間、風と共に現れたのはドスケベマンであった。

――――砂埃とともに周りの兵士たちが倒れていくのはまるで手品のようであった。
ドスケベマンは凄まじい速さで手刀を、蹴りを、突きを兵士たちに食らわせ、そのたびに糸の切れた人形のように兵士たちが倒れていく。
何が起こった

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ドスケベマン (2)

前回のあらすじタカシは祖父の形見であるFM-VとTo Heart2を手にレジスタンスのアジトへ戻ったが、親友のヨシオの裏切りによりドスケベアーミーの襲撃を受けてしまった。銃を突き付けられたタカシの運命は。

―――「さあ、そのドスケベを渡してもらいましょうカ」
厭らしく笑うドスケベアーミー。
目だけで周りを見るが、辺り一面囲まれているようだった。
ソフマップと印字された紙袋の持ち手を握りしめる。

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ドスケベマン

近未来。
黄金に輝くかと思われた文明の栄華は、その実を付けなかった。
発展した社会の中で、思想統制を行うものがあった。
その多くは統制の最中に、または統制をしようとする前に消えて行ったが、1人だけ残ったものがいた。

ドスケベキング。

そう名乗る人物はこの世のドスケベなものをすべて管理すると言い放った。
エロ漫画、エロゲー、付随する様々なドスケベなもの。
そのすべてをドスケベキングは奪い取り、ド

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