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味覚 嗅覚の途絶えた不思議の国のアリス


味覚嗅覚がなくなったら。
なんて、食べれないわけじゃないし大した事ないんじゃない?

コロナの高熱が治まった後、何食べても味がないんですけど〜。それに嫌に部屋の空気が良いのは換気してるだけじゃなくて、ニオイがわかんないのかも?
塩を掴んで口に入れる、コーヒーのフタを開けて鼻を突っ込む。
何も感じない。
どうなるんだろう。

料理ができない事に気付く。
味の想像がつくものはナントカ食べられる。想像がつかない、あまり食べ慣れないものは口に入れても違和感しかない。
毎日、味のない粘土を「これはうどんだ」とか「これはアイスだ」としっかり目で、頭で言い聞かせてから食べる。
なかなかにメンタルが地味に削られていく。
とりあえず、栄養はちゃんと取らないと、倦怠感の続く身体が治らない。味がわからなくとも、今まで通りにしてみることにする。


もう、このときの味も思い出せない

いつもコーヒーを朝起きたら飲んでいた。
お砂糖ミルクを入れて気が付く。
入れてもわかんないじゃん。
イヤイヤ、それだったらコーヒーの味だって。

私の好きなお好み焼きを家族が作ってくれた。
次々とソースをかけても味も意味もない。

まてよ?
空腹感はなんとなくわかるとして、満腹感がない! あー美味しかった!とかあーお腹いっぱい!が全くわかんないじゃん!
食事って、どうやってたっけな?

匂いがしない夢の世界

毎日、なーんの匂いも臭いもしない。
生活の匂いがしないと、まるで夢の中にいるようだ。いつものところのようでそうじゃない。
そしてまた、想像するしかない。
汗かいて臭い大丈夫かな~?
部屋の臭いとか、洗濯物とか大丈夫かな?
とりあえず換気や掃除が増えてる。
人の雰囲気さえも匂いがないとわかりにくい。

また、食事の時に匂いがしないということは唾液が出ない事を知る。
人間の身体っていろんなことが連動してるのね。
目で見て、匂いがして、美味しそう〜ってなってから唾液がでて食べる準備ができるんだな。

ひたすら毎日、想像の世界を生きてる

職場復帰をして「味覚嗅覚障害が残っちゃって」って言うと必ず「今なら嫌いなもの食べれるよー」って返ってくる。

あーきっと私が今住んでる世界は、想像も理解も得られない異国なんだろうな。
私自身だって毎日手探り状態だもの。
粘土の食事も苦痛になってきた。
買い物に行ったところで、食品は意味のないもので、見るだけで絶望してしまう。
毎朝、起きるたびに「今日も不思議の国のアリスかー」と落ち込んでしまう。

いつも以上に想像力を働かせて
たくさんの音楽に励まされながら
今日もいつか出られるだろう出口まで
色んなことにホンロウされて
アリスは気丈に振る舞うのでした。

#味覚嗅覚
#食事
#不思議の国のアリス

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