見出し画像

時間をかけるというコト。

既に更新頻度が少なめな感じがしてきているNOTEです。

実は最近、完全プライベートでフィリピンへ旅行に行ってきた。
旅では色んなものを見る事ができて、文化や生活様式の違いなどを肌で触れれるとても良い旅になった。

まあ、その旅の話はまた後日。

どうしても東南アジアで釣りがしたかった僕はセブ島の釣り堀で釣りをする事にした。
まだ見たことのないフィリピンの魚!
心を躍らせて100ペソ払って道具を借りる。

折れた竿とスポンジのウキに
何年使われているの分からないガッタガタのリールに
少し開いちゃってる釣り針
そして、練り餌とペレット

藤田は最強装備を手に入れた!

これが最強装備らしい。

釣り堀のスタッフに何が釣れるのか聞くと

「ウニャウニャにゃにゃにゃが釣れるよ〜」っとのこと。魚の名前は全く聞き取れなかったが1kgぐらいのスズキに似た魚が釣れるとのこと。

これは楽しみすぎるじゃない!
っと早速ポンドへ向かう。
池を見渡すとティラピアと呼ばれる日本のブルーギルのような魚が何百匹も泳いでいるが、ターゲットの姿は目視できない。
浅い池なのにおかしいな。

とりあえず竿を出してみること15分。
当たりどころがターゲットの魚影すらないじゃないか。

このままではまずいなっと思い釣り堀のスタッフに。「How should i catch a big fish?(どうやったらデカい魚が釣れるの?)」。「Could you teach me・・・(教えていただけませんか)」
っと拙い英語で尋ねてみると。

任せてくれよブラザー!っと言わんばかりに満面の笑みで答えてくれる。

ってきりここにキャストする方が良いよっとか、このぐらいの深さを狙ってみてっとか、そういったアドバイスが貰えるものだとばかり思っていたのだが。

彼は大量のペレットを掴むと盛大に池に向かって投げ込み始めた。
力士の塩撒くときのレベルを繰り返す。

ペレットに反応してテンションマックスのティラピア達。

おまけに
「Big fish coming〜!」
っと叫び始める始末。

一通りペレットを撒き散らして
「Fishing need a very long time,You should more try and cast.(釣りはとても長い時間が必要です。あなたはもっとキャストを続けてください」

っと言い残し。

「I’ll back (俺戻るわ〜)」

以上。
釣り方講習終わり。

ハァァ!?っと一瞬憤慨したが、同時に笑えてくる始末。
そうだった、フィリピンの人達ってこんな感じで良くも悪くもテキトーだった。

さっさとコツを教わってフィリピンの魚を釣りたかったのだが
この時点で完全にボウズフラグが立ってしまった。

土日にも関わらず利用者は己のみ。

そんなこんなで人な何からしら取り組む時、特異な例外はあるかもしれないが。
それが釣りであれ、仕事であれ、スポーツであれ
なるべく結果を出そうとする。
それもなるべく早く。

スポーツ競技の世界においては良い結果は1秒でもすぐに出したいもの?っぽいのだが。
最近は一般のレジャーでスポーツを楽しむレベルの人たちにおいてもこの傾向が強くみられるようになったと感じる。

レジャーでスポーツを楽しむ人たちは大会に出て結果を出すような形ではなく、何々の技が出来るようになるっという技の取得がイコール結果となっているケースが多い。

その技をどれだけ人よりも早期に取得出来るか。っという点にSNSでは価値が見出されリスペクトが集まっているケースがここ数年で増えたなと。

YOUTUBEをはじめとするSNSから手早く有益な情報を取ってこれるので独学でもセンスのある人ならそこそこ形になってしまう。
それも無料で。タイミングパフォーマンスとコストパフォーマンスにおいてYOUTUBEを超えるものはないのは間違いない。

ここでは、それが悪いとかって話はしていないので悪しからず。
僕も趣味の釣りにおいてはむしろYOUTUBEの恩恵を受けております。笑

さて、少し自分の昔の話をすると。僕はフリースキーの代表的なスピントリックである360をきちんと理解し、取得するまで1年近くかかってしまった男である。

もちろん、週に2−3は室内スキー場に足繁く通いとにかく練習をした。
1年も経たず通っていた室内スキー場のポイントカードは20万ポイントを超えていたりと、自分でもなかなかの練習量だったように思う。

運動神経は良い方ではないが、すこぶる悪い方でもなく時代背景的にコーチと呼ばれる人が近くにいた訳ではないが、自分より圧倒的に技術力の高い仲間が周りにはたくさん居たし、当時の環境としてはかなり良い場所に入れたはずだ。

にも関わらず1年近くかかったのだ。

もちろんその時代にSNSはなくYOUTUBEもない。
スマホもないので、先輩や仲間の動きを映像に収めてチェックや比較することも出来ない。あるのは雑誌のシークエンス程度でなんとかそこからコツを掴もうと試行錯誤したものだ。

っと昔話をすると、それは時代の変化だよ!っと

何十年と下積みと修行が必要と言われている寿司屋でさえ、YOUTUBEで独学で学び経験ゼロで寿司屋をオープンしSNSマーケティングを成功させ予約が取れない寿司屋がある時代だ。

合理的に考えればYOUTUBEや各種デバイスを駆使するのがベストである。
そう考えるのが普通の思考。

ただ、個人的にはちょっと腑に落ちない部分もある。

それは何かというと。

試行錯誤

の部分だ。

当時18歳の藤田少年はリスクのある練習方法もあったかもしれないが、自分で想定しうるありとあらゆる取り組みをしていたはずで、その中から少しずつコツのカケラみたいなものを確実に拾い集め確実に1年近い時間をかけて360のコツを作っていったわけである。

試行錯誤のボリュームで言うとYOUTUBEやSNSで最適解をもらえる環境の人に比べると圧倒的に多くなるわけだ。

アオアシっというサッカー漫画のセリフにもあったが

「人からはっきりこう!っと言われたものは忘れるが、自分で掴んだ答えなら一生忘れない」

だから、はっきりと答えを教えない。

まさに、あのフィリピンの釣り堀のスタッフが伝えたかったのはこう言う事だったのかもしれない。
開始15分、手がかりも何もないなら無いなりに少しは自分で考えろよっと。
お前の頭はすっからかんなのかと。

もしかすると、単に仕事がだるかったのかもしれないが。
その後堂々と昼寝してたしな。

時間はかかったとしても本人のインスピレーションや”気づき”が大切なのだ。
なんでもインスタントに物事の最適解を伝えるのは違う。
これは選手へのコーチングにおいても同じ事が言えると思う。

もちろん上達においても自分で掴んだコツの方が嬉しいだろう。

そのコツのカケラを集める作業が時間が多ければ多いほど
人に伝える時の引き出しも増える。

それはまるで、アンティークのワインのような
何百年と継ぎ足されている蒲焼秘伝のタレのような
熟成された練度と呼ばれるものに向かって
試行錯誤しながら時間をかけていく。

この行為自体に価値があるのではないか。っと思う。

ありとあらゆるコンテンツの消費が異常な速度で進んいるこんな時代。
なんでもインスタントになっているこんな時代だからこそ

試行錯誤しながら焦らず、時間をかけて結果を出す。
こういう時間に価値を感じれる心でありたいものです。

そういう事で話は長くなりましたが。

フィリピンでの初釣行はコツのカケラを見つけれず

盛大にボウズを喰らうのでした。

釣りを諦めラグーンの海上レストランへ向かう時の藤田。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?