カスハラの犯罪心理学 感想文 ~カスハラを起こす要因について~


1. 非合理な要求に対する困難な経験
カスタマーサクセスマネージャーとして接客をする際に、
様々な非合理を経験してきた。

・お客さんの視点で考えると筋が通ってるように見えるが、自社の都合的には無理難題に感じる
例えば、「パッケージベンダーなのだから、システムの仕様を全て把握しているのは当たり前ですよね。回答してください。 出来ないのであれば開発者を連れてきてください。」等だ。 


・「私は異動してきたばかりなので教えてください」
製品を活かしきれない、引継ぎが出来ていない顧客がさも当然かのようにふるまう

・「リソース管理しない」「優先順位をつけない」無限要求
製品品質に問題があり苦労しているのは分かるが、折衝している担当者に過剰な要求をする。 そして優先順位をつけずに五月雨に要求を増やしてくる。
ベンダー側の一つの失点に対して見返りを求めるように、契約書に書かれている以上のサービスを要求してくる。



上記が行えるお客さんとの仕事は、変化を起こす充実感があり、両組織も評価に結びつく楽しいものとなる。
これが出来ないお客さんは何故カスハラとも呼べる状態になるのか
また、立場が一見弱いベンダー側はどのようにしてカスハラを発生させないように動けるのか

2.CSMとして生産性の高い状態とは?
CSMは自社製品をツールとして、お客様の事業成功を支援する仕事。
実現にはお客さんとの協働は不可欠である。

<生産性の高い状態>
・共通の目的を設定している。
・自身、相手を駒だと理解している。(会社の難題を解消しようと頑張っているだけ)
・お互いの組織事情を理解している。


3. カスタマーサクセスとカスハラの関係
特にサービス競争が激化している日本において、
カスハラに適切に対応できないと最悪メンタル不調を起こす。
また、CSMとして上位に行けば行くほど、難易度の高いお客さん(=カスハラ、または予備軍)の対応力が求められる。 マネージャーとして部下を守るためにもカスハラに対しての心得を持っておくのは重要である。

4.カスハラの5分類
・確認不足~責任転嫁から引っ込みがつかなくなるカスハラ~
・アドバイスしたいマン ~歪んだ正義感~
・個人で憂さ晴らし 
・傷ついた分傷ついて ~過度な要求~
・八つ当たりタイプ

5.カスハラの原因①:個人の資質と解決能力

優位に立ちたい、元を取りたい、傷ついたのはあなたのせいだから取り返してほしい。上記分類を見ると基本的には満たされていない人がカスハラを起こすように感じた。

6.カスハラの原因②:環境要因
本書では「加害者」「被害者」「監視者の不在」「その他環境」によって、
得を取る。損をしない。そのための方法として取られる手段が犯罪だっただけ、という考え方だ。

7.CSMの現場のカスハラ要因

CSMに置き換えると、下記状況によってカスハラが起こっていると考えら
れる。

・環境:製品への期待値Gapを埋めよとの社内圧力。過剰なルール。
・加害者:Win-Winを実現できない、解決力が不足したお客様側担当者
・被害者:立場の弱いベンダー
・監視者の不在:更に打合せの場にはYesとしか言えない担当者のみ

この関係のどこかを崩すことが出来れば、カスハラの発生を抑止できるかもしれない。





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