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上野の森美術館「モネ: 連作の情景」展 ほか

新年明けました~!今回は12月に行ってきたミュージアムについてもまとめてご紹介します


東京都美術館「いのちをうつす」展・「動物園にて」展

「いのちをうつす」展のチケットで「動物園にて」展にも入れるという構図

前者は人間以外の「いのち」を、いのちのないモノに文字通り「うつす」アーティストの作品を扱う展示、後者は動物園というものがどういうふうに見られてきたのかを、当時のパンフレットなどから追っていく展示です。前者について、それぞれの作品から、うつされた生命の躍動を感じましたが、それは、動物園とか、人間の手が既に入った環境でしかその生き物の本物を見たことのない私にとっては、本物を見たとき以上のものだったと思います。後者の展示はというと、展示を見ていくうちに、動物園というものについて、動物たちにとっての意義が十分にあることは重々承知しているけれど、それでも、人間の気分がまずあって、というところからは逃れられないんだろうな、と漠然と思いました。ちなみこれらの展示を見たあと、私は動物園に行きたくなり、上野動物園へ駆け込みました(前回の投稿はその時撮ったもの)。理性は「癒されたい」という気持ちには勝てない

内山春雄「ライチョウ」(『タッチカービング』より)
触れる彫刻です。鳴き声を聞くことのできるペン型の機械を貸し出してくれます。
どこまでもリアルで鳴き声までわかるのに、本物の生き物ではない不思議

「いのちをうつす」展
https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_uenoartistproject.html

「動物園にて」展
https://www.tobikan.jp/exhibition/2023_collection.html


皇居三の丸尚蔵館「皇室の美: 受け継ぐ美」展

「予約完売」という強い文字列

熾烈な予約戦争を勝ち抜いて行ってきました!展示室自体は広くなく、展示されているものの数も控えめですが、それぞれが見ごたえのある素晴らしい作品(伊藤若冲の作品に蒙古襲来絵詞などなど)であり、そもそも数が少ないということはそれだけ集中してそれぞれの作品を見ることができるということでもあります。個人的には、作品そのものはさることながら、展示方法が印象的でしたね。巻物の内容を、人だかりができても見えるようにするためか、そっくり同じ大きさの写真が壁に掛けられていました(多分下の写真を見てもらったほうが早い)

『蒙古襲来絵詞』の展示。作品の写真を壁に展示して解説をしている


寺田倉庫「ゴッホ・アライブ」展

入り口はもう少し先だった

友人と行ってきました。プロジェクターで次々に投影されるゴッホの作品たちを、彼の人生の雰囲気に合うクラシック楽曲とともに鑑賞していく展示です(どうでもいいですが、クラシックと絵画って合いますね)。雰囲気としてはチームラボの作品に近いと思います。音楽に合わせて映像(絵画)が変化していくのが楽しい。広々とした空間を歩きながら、昔ゴッホ展に行った記憶を掘り起こし、そういえばゴッホも最初は地味な色合いの作品だったな、だんだんふらふらなゴッホらしい風合いになっていったのだったな、などと思っていました


上野の森美術館「モネ: 連作の情景」展

よく晴れたいい日

こちらも友人と行ってきました。名前の通り、ひたすらモネの作品のみを扱う展示です。印象派と名のつく展示に行けば必ず見るモネの作品ですが、ここまでモネしかない展示は初めてです。こんなに作品描いていたんだ…と驚いていました。各時代ごとに作品がまとめられているため、描かれた順番に見ていくことになりますが、モネも、最初から印象を捉えるような筆致で描いていたわけではなく、年月をかけて自身のスタイルを確立していったのだな、ということがわかります。それぞれの絵から描かれた場所の気温や音を想像するのがとても楽しかったです


新年早々暗いニュースがありましたけれど、自分の中にある気持ちのバランスは考えて日々を過ごしていきたいですね


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