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ボードゲーム制作プロジェクトレポート#7:試作期編その2

福岡のアフタースクールび場で行っているボードゲーム制作プロジェクトのレポート、試作期編の第2回です。前回のnoteはこちらをご覧ください。

さて、前回のワークショップで子どもたちが、その進行度に合わせて大きく2つのグループに分かれました。この2つのグループはそれぞれが、チームで制作するというわけではなく、あくまで進行の具合によって自然発生的に分かれたものです。

今回も前回同様、前半にボードゲームを「個人で制作すること」と「チームで制作すること」に関するちょっとした講義をしたのち、後半では子どもたち自身のペースで制作を進めてもらいました。

1、ボードゲームを制作する体制に関するレッスン

今回も僕自身のボードゲームデザインの経験をもとに、子どもたちに講義をさせてもらいました。

内容としては、ボードゲームを「個人で制作すること」と「チームで制作すること」について。ボードゲームデザインをするサイコロ塾は、(最終的にいろいろな人の助けがあってゲームができましたが、)僕個人のプロジェクトなので、「個人で制作すること」中心の話にはなりましたが、「チームで制作する」サークルさんたちについて、日頃うらやましく思っている部分など含めて子どもたちに紹介しました。

前半部では「個人で制作する」上で、実際にぶち当たった障壁、その障壁をどうやって乗り越えたかを中心に子どもたちに話し、後半部で「個人制作」と「チーム制作」のそれぞれのメリット・デメリットについて話をしました。

#7プレゼン資料スライド4

子どもたちがこのプロジェクトで取り組んでいるのは、ボードゲーム制作の重要な部分ではあるのですが、全体ではありません。ボードゲーム制作の全体像を見据えたときに、それぞれの制作体制の違いを子どもたちに知ってもらえたかなと思います。

#7プレゼン資料スライド9

一緒にファシリテーションをしている山里さんからも指摘をいただきましたが、これらは別に「ボードゲーム制作」に限った話ではなくて、子どもたちがいろいろなプロジェクトをやっていく上で応用できる話だと思いますので、そのエッセンスがうまく子どもたちに伝わっていれば良いなと思います。

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2、ボードゲーム制作の進捗状況(1)

後半は、前回の進行度に合わせて2つのグループに分かれてそれぞれ作業を進めていく時間です。

余談ですが、これまでプロジェクトを進めてくるにあたって、「ファシリテーション」がとても重要であったと感じてきたのですが、ここにきて「コーチング」が重要になってきているなと感じます。このあたり、プロジェクトがひと段落ついた際には、「子どもたちにボードゲーム制作プロジェクトでボードゲームをデザインしてもらう方法」などとしてまとめられたらと思います。

さて、前回のワークショップではボードゲームの骨子となる「ミニマムサイクル」「プレイヤーの目標設定」ができたグループ(仮にグループAとします)と、「アイデアを抽出」して「コンセプトを決める」というところに取り組んだグループ(同じくグループBとします)に分かれました。

今回、グループAの子どもたちは、早速紙などにカードの効果を書いたり、画用紙を切ってサイコロを作るなど、テストプレイ用のモック作りに取り組んでもらっています。

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中央に見えるのは、ゲームボードみたいですね!カードにも自分で絵を描いて雰囲気がだんだん見えてきました。

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こちらもボードですかね?切ったり貼ったり、工作に近い感じで楽しいですよね。意外とこの時間(テストモック作り)が無心に慣れて僕自身も好きだったりします。

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2人並んで黙々とテストモック作りに取り組みます。こちらのグループAの子どもたちにはテストモックが出来上がったら、1人でそのモックを使って、ゲームを回してみる(複数人でのプレイをルールにしたがって1人でプレイしてみる)ことと、それが終わったら実際のテストプレイにむけて、他の人にルールを説明できるようにしておくことを課題として伝えました。


3、ボードゲーム制作の進捗状況(2)

さて、もう1つのグループBは前回のワークショップで山里さんのファシリテーションで「好きなこと」をベースにアイデアの発想、コンセプト作りに取り組んだグループです。

前回のワークシートには、子どもたちがじっくりと自分の好きに向き合って出した面白いアイデアがたくさんありました。それを今回は、「ゲーム」という形にしていきます。

もう1つのグループAが行ってきたのと同様に、コンセプトからゲームの「ミニマムサイクル」と「プレイヤーの目標設定」を行っていきます。

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Zoomの画面越しに自分の考えた内容を話してもらい、次に考えていくと良いことを子どもたちに伝えていきます。それぞれ考えている地点が違うので、個別にならざるを得ませんが、それにしても子どもたちのアイデアの深さや広さに驚かされます。

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グラフィックレコーディングではないですが、Zoomの画面共有を用いて、イラストソフトで子どもたちの考えを図式化しています。ゲームはルールによる構造だと思うので、その構造を子どもたちが理解できるようにということです。図式の足りない部分を指摘して、子どもたちがそこにアイデアを足したり、引いたり、まとめられるようにしました。

グループBの子どもたちの進捗状況で言うと、「ミニマムサイクル」と「プレイヤーの目標」が決まりかけているかなというところです。次回くらいにはこちらもテストプレイ用のモック作りに入れそうですね。


4、次回以降について

次回は、グループAに関してはいよいよ他の人に作ったゲームを遊んでもらうテストプレイに入れるかなと思います。

講師としては、その前に「テストプレイ」に関するレッスンができたらと思っていますので、次回のプロジェクトレポートの際に書きたいなと思います。

思いの外、子どもたち1人1人のたくさんのゲームができそうな感じがしています。もちろん、それぞれのクオリティだったり、到達度は異なるのかなと思いますが、このプロジェクトの中に止まらず、考えていってもらえればと思います。

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