サイコロ塾レッスンレポート:制作編②オリジナルゲームを発表しよう!
こんにちは!
2月にnoteを書くことができなかったため、いきなりの報告になりましたが、2022年の1〜3月で子どもたちが取り組んできたゲーム制作の発表会を先日行いましたので、ここに至る経緯を簡単に紹介したのち、発表会当日の様子を報告します。
なお、子どもたちの制作したゲームの詳細については、せっかくですのでまた別のnoteを設けて説明・紹介したいと思っています。
それではレポートスタートです!
1〜3月に取り組んだこと
さて、2021年度の後半をゲーム制作編として進めてきたのですが、その様子は1月に行った「コンセプトメイキング」のところまでご報告しています。
コンセプトメイキングでの子どもたちの様子については、こちらのnoteをご覧ください。
その後、2月に何をしたかというと、ゲームの骨子となる「ゴール(目標設定)」と「ルール」を考える、ということをしていました。
この間の取り組みについては、なかなか言語化がしづらいのですが、「コンセプト」を実現するためにはどのような目標設定にすれば良いか、というところから始まり、そのためにどういったルール(制限)を設ければ良いかということを考えていきました。
幸い早くから2つのグループともに「協力して達成する」という方向性が決まっていましたので、以前に「ゲームを学ぶ」段階で学んだ「協力ゲームのメカニクス」が役に立ちました。
この間は、講師も一緒になってルール作りに参加しました。子どもたちに宿題を課しつつ、自分もサイコロ塾以外の時間もゲームについて考えたり、手を動かしたりもしました。「子どもたちと一緒に何かを作っていく」ことは想定するゴールにたどり着くような予定調和にならず、ドキドキしながらの体験でしたが、自分の意見が受け入れられたり、子どもたちの意見が創作物の中で生かされ、作り上げていく体験はとても貴重でした。
(今回、「ジェネレーター」という役割を意識してやってみました。新しい講師の在り方として注目しています。よければ慶応 SFCの井庭先生の以下のnoteをぜひご覧ください)
そういうわけでなんとかかんとかゲームの骨子が出来上がったのが2月末、3月はそれを実現するための用具づくりや、発表会に向けたテストプレイ、インストラクションの練習などをしました。
準備は(一応)整った、いざ出陣です!
オリジナルゲーム発表会
今年度も、株式会社学研プラスのボードゲーム編集を担当されている3名の方にお時間をとっていただき、子どもたちの作ったゲームを披露させていただきました。
学研本社に伺って、会議室で発表を行いました。
昨年度は、子どもたちが作ったゲームについて「本当に自分たちで作ったの?」と驚かれるほどに良いゲームを作れてはいたのですが、トランプゲームを改造したということから「わざわざ新しいカードゲームとして出すのは・・・」と言われていました。
今回はイチからオリジナルのゲームを作っての挑戦です。果たして・・・
サイコロ塾の1年間の説明
初めに自分の方から、ここに至るまでの経緯をお話しさせていただきました。サイコロ塾としては1年間を通したカリキュラムが初めて通しで実施できた年度ともなりましたので、それぞれのセメスターごとの意味づけなどをお話しさせていただきました。
その後、簡単に子どもたちの制作したゲームのコンセプトと概略を書いたスライドを示し、いよいよ発表です。
Aグループ「アニマリング」の発表&プレイ
こちらのグループは小学2年生の男の子2名で発表を行いました。事前に、発表原稿を作って、お互いが読む箇所を確認しながら発表をしました。
説明の途中から、早速ゲームプレイをしてもらいます。子どもたちが自分の担当として必要なカードを参加者に配り、遊んでもらいました。
このときは、もう一方のグループの子どもたちにも大人の皆さんと一緒に遊んでもらいました。(実はもう一方のグループはゲームの内容を知りませんでした)
ゲームの内容はまた改めて書きますので、ここでは詳しく書きませんが、大人も子どもも関係なく熱中して遊んでいました。「おっ、それはそうだよねー」「あっ、わかったわかった」「えっ本当にそっち」などたくさん会話が生まれ(基本会話は禁止のゲームですが笑)、コミュニケーションが行われました。
Bグループ「試験はサイコロを振った瞬間に始まる」の発表&プレイ
続いてもう一方のグループが説明&プレイをしました。こちらのグループの当日参加者は3年生の男の子2名と女の子1名です。
感心したのは、事前に作った原稿を読み込んで暗記して説明をできていたことです。素晴らしいですね!
こちらのゲームはタイトル通り「サイコロ」を使うゲームですので、プレイの中では「サイコロ」が生み出す偶然に「わっ」と盛り上がりが起こったり、全員で出た目を覗き込んで考えるといった場面が見られました。
参加してくださった大人の皆さんが「なるほどね」などゲームデザインに関してうなずくことがあったり、遊んでもらって確かな感触を子どもたちも得ることができたように思います。
プロの目から講評
さて、今回は2つのグループのゲームを続け様に遊んでいただいて、ボードゲームの編集をされているプロの目から講評をいただきました。
開口一番「面白かった!」と言われたのが一番印象に残りました。
また、昨年度発表会で子どもたちのゲームを体験していただいた方からは、やはり今年度イチからゲームのデザインをしたことについてや、「協力する」というメカニクスの面白さについてお褒めの言葉をいただきました。
昨年度より確かな手応えを感じられる感想をいただけました。(Bグループは、「タイトルがいいね!」とのお褒めの言葉も)
一方で、各ゲームについて建設的な改善のご意見などもいただきました。
子どもたちは、「商品化できますか?」や「どうすれば商品化までいけるでしょうか?」「どれくらいの確率がありますか?」とグイグイと攻めた質問をしていったので、プロとしてシビアな視点からのご意見もいただきました。
具体的なパーセンテージを示されたわけではないのですが、2つのゲームについて言及しながらジェスチャーで、商品化までの大体このあたりの段階にあるよ、ということを教えてくださいました。(多分、2割位のところかな?と推測)
また、諦めず改善を繰り返していけば、その割合も高まってグッと商品化に近づくよ、ということを具体的なアドバイスとともにいただき、本当に貴重な体験を子どもたちに提供していただけたな、と思います。ありがとうございました。
ここから先は、子どもたちの作ったゲームの内容云々をどうこうするのももちろんのこと、「商品化」をきちんと見据えるのであれば、発表会までの持っていきかたや、ご参加のみなさんへの周知などこちらが気合を入れてすべきことが多くあるなと感じました。
終わりに
今年度もなんとかこの発表会までたどり着くことができました。しかも、昨年度とは違ったアプローチでここまで進めて来れたことは、子どもたちだけではなく、自分にとっても大変に貴重な体験となりました。
発表会の講評をいただく中で思ったのは、「続けていくこと」の大切さでした。
残念ながら、3年生の子どもたちは今回を最後にサイコロ塾を卒業していってしまいます。いただいたアドバイスをゲームの改善に活かす機会というのがないということです。これはとてももったいないと感じます。
とはいえ、1年間「ゲームをプレイ」し、「ゲームを学び」、「ゲームを作る」ということを体験してきた子どもたちは、ただ遊ぶだけではない、何か(しっかり言語化しないといけないと思うのですが、ここでは明言を避けます。ごめんなさい。)を学んだことではないかと思います。
少なくとも僕自身の中で、いただいた言葉を蓄積し、次の子どもたちとのゲーム制作に生かしていきたいと思います。
この次のnoteにて子どもたちの作ったゲームについては披露させていただき、本当に今年度の締めとなります。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
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