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ボードゲーム制作プロジェクトレポート#2-宝石の煌き編-

こちらのnoteでお伝えした通り、「ボードゲームジャム」実施の前段階として、福岡にあるアフタースクールび場様で、子どもたちを対象にしたボードゲーム制作プロジェクトをする運びになりました!

9〜12月までの間は、「模倣期」ということで、名作と呼ばれるボードゲームを遊んで、その面白さを分析したり、いろいろなゲームメカニクスに触れることで、「自分の好き」なゲームを見つける体験をします。

10月は、「宝石の煌き」を使ってゲームのルールを変えて遊んでみる体験をしましたので、その様子をお伝えします。

(筆者自身はZoomでの参加です・・・いつか現地に行きたい!)


1、宝石の煌きをプレイしよう!

「宝石の煌き」は、シンプルな拡大再生産のゲームです。

拡大再生産の定義は、ジェリージェリーカフェさんのページにあった以下の紹介文より拝借しました。

自分のボードや手札が成長していくゲームです。初めはできなかったアクションが後々できるようになったり、利益が大きくなったりしてワクワクします。(https://jellyjellycafe.com/tag/extended-reproductionより引用)

ポイントは、「成長」です。

成長の喜びが感じられることで、「楽しさ」が生まれるゲームです。

詳しいゲーム内容はコチラからご覧ください。

さて、ほとんどの子どもたちは「宝石の煌き」で遊ぶことに慣れていたので、ルール説明もそこそこに実際にプレイしました!

プレイの様子。

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2、宝石の煌きのポイント解説

通常のゲーム体験会なら、そのまま子どもたちにプレイしてもらえば良いですが、ここは「ボードゲーム制作プロジェクト」。

資料を画面に写して、「ゲーム攻略のポイント」を説明していきます。

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一部例外もありますが、大体のゲームは、「勝つ」ことにゴール(目的)をおいています。

そして、勝つためにどういうふうにプレイすれば良いか考えることで、「ゲーム(ルール)の構造」が見えてきます

子どもたちは、いったん手を止めて真剣に画面を見ていました。

さて、子どもたちはプレイからどんなことを学んだでしょうか?


3、宝石の煌きのプレイ体験を振り返る!

子どもたちが大体1プレイ終わったあたりで、ワークシートを配ってプレイ体験を振り返ります。

シート事例宝石の煌き

シートの作成には、ブレーメンゲームズ(BREMEN Games)様が作成された「ボードゲームおもいでメモ」を参考にさせていただきました。

図はシートの上半分ですが、まずはゲームを6つの視点で5段階で評価していきます。

ルールわかりやすい!」・・・ルールの明瞭さ、ルールを学ぶためのコストの低さを評価します

運で勝負!」・・・ゲームにおける「運」の要素の強さを評価します

盛り上がる!」・・・ゲーム中にプレイヤー同士で会話がたくさん発生するかや、気持ちが高揚するかどうかを評価します

めっちゃ考える!」・・・どれくらいそのゲームが考えることを要求するか、戦略性の高さを評価します

また遊びたい!」・・・再度繰り返して遊んでみたい度合いを評価します

自由記述」・・・子どもが自分で評価軸を設定して評価してみます

総合得点」・・・ゲームを総合的に評価します

あくまで主観的なものですが、ここで子どもたちの好み(嗜好性)がわかることで、このワークショップシリーズの後半戦で「自分が作りたいゲーム」を考える際にヒントになっていくかと思います。

それから、「ボードゲームプレイ分析シート」の後半にも記入してもらいます。

シート事例宝石の煌き後半

コチラは、子どもたちに定性的にゲームを分析してもらって記入してもらいます。

「おもしろい」と思ったことを言語化するのは難しいのですが、そこを深く考えることで、自分が作るゲームをアピールする際のキャッチを考えることにもつながります。

また「なぜ?」と考えることで、体験がどんなルール(ルールからだけではないこともありますが)から成っているか気づくことになります。

今回は、「なぜ?」まで考えが及んでないようでしたが、回数を経るにつれ少しずつ考えられるようになっていくといいなと思います。

さらに、最後の質問は「ゲームのルールを変えること」に導く質問です。

さて、ワークショップの後半に入っていきます!


4、宝石の煌きのルールを変えてみよう!

いったん、後半の質問について子どもたちがまとめて発表をします。

宝石の煌き感想

3年性以上を対象にしたワークショップなのですが、それぞれがしっかり言語化しているなと思いました。

2つのグループから、「宝石を10枚までしか手元に置いておけない」ことについて発言が出ました。

ここで、宝石の煌きのゲームデザイン上のポイントを子どもたちに説明します。

宝石の煌き資料スライド2

「宝石トークンの所持上限」について、2グループから発言が出たことで、

所持上限10枚という制限を無くしたら?」というルール変更の視点が出てきました。

そこで、グループを再編成して、「宝石の所持制限を無くしたルールを採用したグループ」と「黄金トークンの効果を変更したグループ(*)」を作って再プレイしました。

*黄金トークンの効果を変更してみたい!という子どもがいたので、そのグループも作ってやってみました。


5、ルール変更してみた感想

さて、「宝石の所持制限を無くしたルールを採用したグループ」の様子です。

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コチラのグループ、上級生たちの集まりだったのですが、1回目のプレイと比べてあっという間にゲームプレイが終了してしまいました。

その理由について、子どもたちと講師の山里さんが話しています。

(山里さん)「ルールを変えてみてどうだった?」

(子ども)「欲しいカードが取りやすくなって良かった

ふむふむなるほどね、元々のルールだったら獲得することが難しかったレベル3のカードも取れるようになったから、それでサクサク進んで良かったということのようでした。

ところが、残りの2人の子どもの感想はというと、「宝石を取るところで悩まなくてよくなったから(いまひとつ)」とのこと。

この場面が、今回のワークショップのハイライト!

(ルール変更が)「良かった」と言った子どもは、サクサクと進むプレイ感が良いため、「宝石の所持上限」というルールについては、無い方が好みということ、

一方で、そのほかの子どもは「宝石の所持上限」を無くしてしまうと、自分たちが好む「じっくり悩んで考える」ボードゲームの良さがなくなってしまうということに気がつきました。

これは、どちらの意見が良いということではもちろんありません。

自分たちのボードゲームに対する嗜好性が、ルールの変更によって明らかになったという体験だったのかなと思います。


6、まとめと次回告知

さて、今回のワークショップは、「プレイ」→「ゲームの分析」→「ルールを変更して再プレイ」という流れで進めました。

しばらくは、こういった流れでワークショップを進めていきます。

ワークショップの中で、子どもたちは、

「ボードゲームの体験を主観的に評価」してみることを通して、「体験を生み出しているルール」に気づき、「自身のボードゲームに対する嗜好性」を意識できたのではないかなと思います。

こういった体験は、「自分が作りたいゲームを意識する」第一歩になったと思いますし、「ルールを変える」ことから新しいゲーム体験を生み出したということで言えば、立派にゲームデザイナーの第一歩を踏み出したなと思います。

次回以降が楽しみです!


さて、次回以降もしばらく「模倣期」を続けます。取り上げるゲームは、「キングドミノ」。

ドラフトとパズル的な要素が組み合わさったゲームです。

今後も、プロジェクトの様子をコチラのnoteで報告していきますので、どうぞお楽しみに!

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