「縄」か「檻」か「城壁」か

なんだか小忙しくて連続投稿は途絶えてしまったが、そもそも毎日書かなきゃならんルールも無いんだった。なんか続けてると「あああ、もうすぐ12時回っちゃう！早くしないと！」みたいに若干思っている自分もいて、良し悪し。

「12時を回る」と言ったり書いたりすると「それは表現として違う」と言う人がいる。もちろん、そりゃそうなんだろうけど伝わればいいじゃんね、と思う。毎回「時計の針は12時を回る」というのもどうかと思う。

上記の例が当てはまるかはわからないが「自分ルール」というものは誰にでもあると思う。

例えば「玄関を出る時は左足から」とか「LINEの文章にも読点はかならずつける。」とかそういうのだ。これは別に誰から言われたことでも無いし、なんとなく続けている、守っている、守らないとなんだか気持ち悪いみたいなものだと思う。ルーチンっていうやつなのかもしれない。

あまりにも自分ルールが多すぎると、逆に自分を縛りすぎてあまり行動が出来なくなる状態になる。自縄自縛というやつだ。ましてや、自分ルールを他人に押し付けるなんてことは、想像するだけでよくわからない。

自分で自分を亀甲縛りにしたやつが「お前も縛れよ！縛れよ！」と進めてくるのだ。地獄絵図だし、それはもはやそういうプレイだ。そんな状況見かけたらさすがの私でも通報する。

ただ、こういう「なんとなく続けていること、守っていること」っていうのは、子供の頃の何らかの記憶が関係している場合も多くあると思う。特に「負の感情」に関しては。

私は寝る時に部屋の扉が開いているのが非常に「嫌」だ。理由は無いのだが、ちょっとでも空いているととても気になってしまい、閉めてからでないと寝られない。ドアでも、襖でも同じだ。

多分これは、子供の頃好きだった「ゲゲゲの鬼太郎」が原因な気がする。私は3期アニメを見ていた世代だ。鬼太郎には【枕返し】という妖怪が出てきて、子供を夢の世界に連れて行ってしまう話があった。多分ここから、ドアが開いていると夜に何かが入って来て悪さをする気がして、扉が開いているのが嫌になったんじゃないかなという推測。

ちなみにもう1つの鬼太郎トラウマは【吹っ消し婆】という妖怪のビジュアル。なんか異常に怖い。この【吹っ消し婆】は3期では気の弱いプロレスラーの手をたい焼き機で焼いて手相を変え、めっちゃ凶暴にするという意味の分からないストーリーに出てきた。気の弱いプロレスラーは明らかにダンプ松本だし、最後は鬼太郎とプロレス勝負をしていた。鬼太郎のアニメはいつの時代も前衛的だ。

話がズレたが、同様に寝る時の姿勢で「仰向けで胸の上で手を組む」というのにも何故か忌避感があるのでやらない。多分これは、外国の映画で埋葬される人が同じポーズをしていたのを見たからだと思う。

このように「自分ルール」というのは、多かれ少なかれ誰しもが持っているものだろう。

思うに、人の世の中はルールでできている。

まずは「生存・本能」という大きな枠のルールがあり、「倫理・道徳」という少し小さな枠のルールがあり、その中にさらに一回り小さい「法律」というルールがある。ルールの枠はだんだんと小さくなっていって「地域」「学校」「町内会」「家庭」とその適用範囲を狭めていく。そして、最小単位は「自分」だ。「宗教」というルールがあるかもしれないが、これは宗教国家に住んでいない限りは「自分ルール」に近いものではないだろうか。

普段は意識していなくとも、人間として社会生活を送る限り、既にルールに縛られているし、縛られることによって守られてもいる。ルールは「檻」でもあり「城壁」でもあるのだな、と。そこから外れた者はアウトローであり、無法者なのだ。そうなるとどうなるか？そう「縄」で縛られるのである。

私が好きな声優・歌手の坂本真綾の曲に「Rule」という曲がある。その曲の歌詞にこういう一節がある。

くだらない校則や壁に貼られた決まりも無く
きっと大人になれば叱られなくて済むだろう
いつのまに気が付けば手には憧れてた自由
誰にも咎められないことの悲しさを思い知る

年齢を重ねたり、立場が上がるにつれて咎められることが無くなる、というのは「守ってくれるべき城壁が無くなる」のと同義なのではないだろうか。

それだけ行動範囲も広がるが、その代わり、危険度も増す。

ルールというものが自分を縛る「縄」であるのか、自分の行く手を阻む「檻」であるのか、自分を守ってくれる「城壁」であるのか。

それを、それぞれの立場から正しく理解することが必要だな、と、昨今の「ルールを他人に押し付ける風潮」を見て、改めて感じた次第。

鉄格子を挟んで対峙した人が、檻の中にいるのか、檻の外にいるのか、それを知るためには広い視野が必要なのではないだろうか。