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物語のタネ その壱『お留守番ヒーロー #2』

俺の名前は、滝沢さとし。
表の顔は、高齢者向け介護士だけど、もう一つの顔は

「お留守番ヒーロー」

ヒーローの留守を預かり、出現した怪獣、怪人をもてなすのが俺の役目。
先日は、ヒーローの代表であるウルトラマンにて、これまた怪獣の代表とも言えるバルタン星人さんとの思い出を話させてもらったけど、やはりね、ウルトラマンと来たら、こちらも話さないと。

「仮面ライダー」ですよ。

もう日本のヒーローの双璧ですね。
いやー憧れました。
でね、今、こうしてお留守番をさせて頂いている、この喜び、幸せです。
1番の喜びであり驚きは、本当にいた、ってことですね。
子供心にも、これは空想の世界だな、なんて思いがどこかにあったんですけどね、まさかね、大人になって実在するってことを知った驚きと言ったらなかったですね。
まぁ、ヒーローが自分の生活の中に今いるっていうのは、なんか子供の頃には想像出来なかった感覚ですね。

で、仮面ライダーの怪人さんですが、こちらも色々な方がいらっしゃいますが、私としては、仮面ライダー界からの第一号としては、この方、

カメバズーカさん。

仮面ライダーV3に登場して。
それから色々なライダーと対決されていますね。
カメバズーカさんとは最近だと1年前くらいですね、お会いしたのは。
その時はV3さんが確か九州の方でどうしても外せない闘いがあって。
カメさん、それ聞いてちょっと寂しそうだったから、こっちも、盛り上げなきゃ!って頑張りましたよ。

カ「え、九州で別件⁈何よそれ〜」
お「なんか、おやっさんの親戚がらみの方のところに出ちゃったらしく、どうしても外せない、って言いまして。ほんと、すみません、って言ってました」
カ「おやっさん絡みなら仕方ないけどさ、俺、一応、V3全身登場第一号怪人なのよ」
お「はい、もちろん、存じております。カメさんの衝撃的登場のおかげで、V3シリーズは一気に人気が出ましたからね、それはもう業界の伝説ですからね」
カ「まあまあまあね(ちょっと機嫌が直ったっぽい⁈)。そうなんだけど、あれはあれで色々あったのよ」
お「え、何があったんですか⁈」
カ「実際のV3登場第一号怪人はさ、ハサミジャガー先輩だったからね、みんな知っている通り。だけどね、あの先輩、かっこつけだから、第一話で自分のハサミだけしか出さなかったのよ、焦らし作戦⁈あれでミステリアス度を上げてね、まあ、セルフプロデュースよ」
お「はい、確かにチラッと、でしたね」
カ「で、俺の方は、ほら、セルフプロデュース⁈そんなのわかんないじゃない。だからガツンと最初っから曝け出しよ、若いしね、もうドーンといくしかないじゃない」
お「いや〜、カメさん登場、プロフィールが半端なかったですからね。バズーカ背負っているわ、甲羅の硬さは厚さ30mの鉄塊と同じだわ、極め付けは体内に原子爆弾を抱えている、ですからね。もう、ヒーロー泣かせですよ」
カ「まあね、正直盛り盛りよ。だっていきなり相手がダブルライダーだったからね、こちとら新人で。引き出しいっぱい持っていかないと不安じゃない」
お「まあ、カメさんも不安だったと思いますが、その結果その存在が世の中に与えた不安は半端なかったと思いますよ。それが結果カメさんの人気に火をつけたわけですけど」
カ「まあね、がむしゃらやると結果がついてくる、ってことだね」
お「ですね」
カ「でもな、結果が出るとそれはそれで大変なこともあるのよ、ほら、ハサミジャガー先輩」
お「ハサミジャガーさんがどうかしたんですか⁈」
カ「さっき言ったけど、あの人、焦らして焦らしてバーン!という作戦でいたらしいんだけどさ、ほら、俺が先にバーン!って行っちゃったからさ、なんとなく出そびれちゃったというか、世間の注目が、俺の方に来ちゃっていたからさ」
お「あー、確かにそうですね」
カ「で、まあなんて言うの、男の嫉妬とでも言うかね、大変だったね。今は、会えば挨拶くらいはするようになったけど、結構長い間無視とかされてさ」
お「わあ、それはきついですね」
カ「デストロンはさ、The昭和な団体だからさ、年功序列タテ社会なのよ風土が。先輩だから立てないといけないんだけど、もう、長い間横向かれちゃってたからさ、ま、お留守番さんも気をつけた方がいいよ、男の嫉妬には」
お「はい、肝に銘じておきます。しかし、そんな葛藤というんですか、抱えながらもカメさん、本当に色々なことをやられてきましたよね。で、抱えているといえば、あの、今日はちょっと思い切って聞いちゃいますけど、その原子爆弾、ってホントなんですか?」
カ「あー、あれね(しばし沈黙)若気の至りっていうのかな、最初は本当に抱えてました。でもね、途中で、ダブルライダーと最初に戦っていい感じで押せた時かな、あ、やばいな、と。やりすぎだな、と。ダイブルライダーが目で言っているのよ、おいおいお前、バズーカは俺たちも受け切れるけど、原爆はちょっとどうしたらいいんだよ、と。そう、プロレスで言うと張り切っちゃっているけど下手なレスラーの代表、みたいな感じだよね、自分をどう見せるかしか考えていない。ああ、しまった、と」
お「でも、もう抱えちゃっていますものね、どうしたんですか」
カ「だから、あの後ダブルライダーさんとも話してね、どう落とし前つけようかって。で、もう空中で爆発しかないな、と。」
お「はい、あのダブルライダーさんと一緒に空に飛んでいって3人とも爆死という衝撃的なシーンですね。いや〜、あの時はすごかったな。あれで、カメさん悪役人気確定しましたね」
カ「あれは、ダブルライダーさんのおかげ。こんな新人の為にね、一緒に爆死してくれるなんてね、ホント男気感じたよ。もう、何がなんでもついて行きます!ってね、あの時思ったね」
お「そうですよね〜」
カ「あの爆発もさ、本当に空中で原爆爆発させられないじゃない、でも爆発したところは見せないといけないから、あれみんなが見ていたのはダミー爆発なんだよね」
お「え、そうなんですか⁈」
カ「そう。あの後、俺宇宙の結構遠くまで行ってさ、で、爆発させて帰ってきたの」
お「そうだったんですか、隠れたご苦労があったんですね」
カ「いやいやいや、若気の至りの責任はね、自分でとらないとね、ってことで」
お「じゃ、今は健全なお体、ってことなんですね」
カ「はい、今はもう安全な体よ笑」
お「そう言えば、以前、新日本プロレスの棚橋選手にドラゴンスクリューで投げられていましたものね。しかし、色々とやりますよね」
カ「そうそう、投げられても安全笑。まあ、ライダーさんに色んな意味で救ってもらった恩義があるからね、なんでもやるよ。で、楽しくやるがモットーだからね、俺」
お「さすが、ですね。またお話し色々聞かせてください」
カ「はいよ。あ、V3によろしく言っておいてよ」
お「はい、了解です!」

いや〜、怪人関係も人間関係同様、難しいんですね。若い頃はイケイケだったカメバズーカさん。
今は本当に素敵なおじいちゃんみたいな感じですが、考えてみれば亀は万年と言いますから、意外とまだ若いのかも。
今度、人間だと何歳なのか聞いてみよ!


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