ライツビジネスは「担当」から「プロ」の時代へ

コンテンツを創造すると、そこには「知的財産」が生まれます。
それを活用して様々な派生商品などを展開することが“ライツビジネス“と呼ばれることはご存知の通り。
ライツビジネスの代表的な一つが、“キャラクターライセンスビジネス“ですが、2020年〜2021年の日本のキャラクターライセンスビジネスの市場規模は2兆5,000億だそうです。
もう一つ代表的なものは“音楽“。
一つ例を挙げると、昨年、モトリー・クルーが彼らの全音源の権利をBMGに売却したのですが、その金額は170億円
これまで1億枚以上のアルバムを売った彼らですから、この金額が高いのか?安いのか?その判断は人それぞれだと思います。
まぁ、すごい金額であることには変わりありませんね。
ただ、個人的には、この“ライツ“、まだまだ運用されていないな、と感じるのです。

「許諾する」という姿勢が古い⁈

従来のライツビジネスと言いますと、ある知的財産を持っている人/会社に対して、外部から「こういう風に使いたいのですが」という提案があり、それに対して許諾するか?しないか?という判断をする、という流れが主。
でもこれって、とっても“消極的&受け身“な姿勢だなー、と。
せっかく自分/自社で創造した財産なのに、その運用は他人からの声掛け任せ。
これ、お金で考えると、貯めた貯金に対して「あなたのお金、うちの投資信託で増やしませんか?」と銀行や証券会社から声かけられるのを待っている、というのと同じです。

「運用」はプロに任せる⁈

ライツも「運用」が大切なことは明らか。
ただ、どう運用するか?が大事ですし、そこは悩みどころです。
お金に関しては、国民が皆金融知識を持って個人で運用出来るように、というのが国の指針かと思いますが、人によって向き不向きがありますし(私はこの才能はゼロ)、素人がやって上手くいかない可能性はあるでしょうから「プロ」に頼むという選択肢が出てくるわけです(まあ、ここも注意しないといけないですけど)。
あくまで私が知る限りですが、日本の場合、コンテンツを保有する会社の“ライツ運用“は、担当窓口の方がいて「許諾するか?しないか?」の判断作業をするという形が多いですし、そのご担当者も(ご本人の能力の高さとは別に)人事異動でたまたま担当になったという方が多いのではないかと思います。

アクティブ運用には「企画」が不可欠

ライツの運用には“どう運用するのかのプラン“が必要です。
許諾判断をするだけであれば、外部から持ち込まれる「企画」を待てば良いですが、積極的に運用となると自ら「企画」を作らねばなりません。
ただ、「企画」を考える、というのはセンスと手間と時間がそれなりにかかります。
ライツホルダーにこの手の話をすると、「その通りだと思うけどリソースが無いのよ」というお返事が返ってくることがほとんど。
確かに環境で考えたら、それはその通り。

「総合的ライツ運用信託会社」の誕生を⁈

キャラクタービジネスにおいては、この手の会社は存在しています。
ですが、運用すべきコンテンツライツのジャンルも広がりの幅もまだまだ沢山あるのです。
それをライツホルダー各社のリソース状況に委ねているのは、ホルダーにとっても世の中の人にとっても“勿体無い“と思うのです。
許諾から運用へを実現する“総合的ライツ運用信託ビジネス“。
これがコンテンツ大国である日本には必要なのでは無いかと。
そして、そこに不可欠なのが「企画力」です。
企画屋としてはムズムズしますね。
これ、どなたか一緒にやりませんか⁈

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?