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最近、秘かに通っているところ

先月頃から秘かに通っている場所がある。
移動の電車内、たまたまスマホで調べものをしていた時にとても心惹かれるスポットを見つけてしまった。
本来調べたかったことを遥かに超えてくるレベルで。

都営浅草線の高輪台駅からほど近く、品川駅からも歩いて行ける場所にある「味の素・食文化ライブラリー」。
1979年に味の素(株)の70周年記念事業を前身として「味の素 食の文化センター」が設立され、食文化についてのシンポジウムや講座なども行っている財団だが、ライブラリーには食に関する書籍のみ収蔵されている。
日本をはじめ各国の食文化に関する資料、書籍、栄養学やレシピ本、最新の料理雑誌、料理マンガに至るまでその数40,000冊という。
明治~大正時代の料理本を閲覧できる貴重な場でもある(年代物の古書、貴重書については貸し出し不可となっている)。
ここに私が食い付かない筈はなく、文字通り「本の虫」になったように書架にたかっている。

自宅からは少々遠いけれど、そこは惚れて通えば千里も一里、3週間の返却期限ごとにせっせと通っている。
家にあった大量の料理本を読んで育った身、食に関する書きものは漸く五十の手習い、それでも学生時代に戻ったように知的好奇心をとことん刺激されている。

施設内には展示ブースもあり、味の素製品と共に日本の食文化が時系列にディスプレイされていて見応え十分。

魔女の大釜を思い出した

これは、かつて味の素の製造に使われていた甕。写真もそうだけど現物が残っているのもすごい。

ちゃぶ台、和ダンス、柱時計におひつ。

昭和10年頃の食卓を再現して展示したもの。
戦前の空気感が伝わってくる……そして食卓には「味の素」。

続いて昭和40~50年代の食卓、平成の食卓……とディスプレイがあったけれど、何故かそれらは撮影禁止。
残念だけど自分が子供の頃の雰囲気がプンプン。戻りたいけど戻れないあの頃。

当時の中吊り、風情がある。

味の素の電車中吊りポスターも展示されていた。
春は蛤の吸物、初夏は鰹、秋はレンコンにこれは何かな、芋がら?
お正月バージョンもあって、中吊り広告が歳時記のようになっている。
こんなに風情のある中吊りなら、満員電車も苦ではないかも(それとこれとは別)。

展示だけでも楽しめるし、図書館は一日居られるほど楽しい。
閲覧室も平日は空いているので快適。ちなみに利用は無料で、貸出カードを作る場合のみ100円が必要。
正直、人に教えたくないレベルのお気に入りスポット。
ちなみに当初調べていたのは「国会図書館の利用方法」だったりする。

せっかく生活範囲の外に出掛けたのだから、その街のパン屋さんでも探そうかと思ったところ、早速あるお店のファンになってしまったのでそれはまた別の話で。

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