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非線形的運動学習理論『エコロジカル・アプローチ』【4/5】

非線形的運動学習理論『エコロジカル・アプローチ』【3/5】からの続きです。

具体的なエコロジカル・アプローチの導入

Q. エコロジカル・アプローチにおけるトレーニングに関して、最適な「制約」が課されているか否かを測るための指標はあるのか?
A. 明確な指標はないが、重要な観点は存在する。エコロジカル・アプローチにおけるトレーニング中に、プレーヤーがある程度一貫したパターン運動と可変的かつイレギュラーな運動をミックスしながら問題解決をしているような状況(メタ・スタビリティ=準安定状態)が生まれていれば、そのトレーニング環境は最も効果的であると言える。

コーチらスタッフは常にプレーヤーの状況を注意深く観察し、上記で説明したような秩序と無秩序が混在するようなトレーニング環境を模索し続けることが重要である。コーチ等がプレーヤーに対して、こうしたトレーニング環境を常に提供し続けることができれば、ゲーム・モデル自体も自然と最適な「制約」が課された極めて機能的なものとなるだろう。

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バレーボールに関する記事を執筆しています。バレーボーラーにとって有益な情報を提供することをコンセプトにしています。