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恋の形

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実る恋  実らない恋 交わる恋  交わらない恋 どの恋も正解はなくて どれも素晴らしい ちょっと人にやさしくできないとき 読んでもらいたいお話しまとめてみました
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2024年3月の記事一覧

凍てつく想い

息をのんだ 君は見えてはいけない人なのかと思うほどに 美しく、透明な、悲しい目をしてた なぜそんなに悲しんでいるんだい 何をそんなに見つめているんだい 君の視線を独り占めしたいと思ってしまった 光にかざしたビー玉のような美しさも 今にも泣きそうなその悲しみさえも 触れたいと思ってしまった 君の冷たい手が僕の肌に触れると まるで氷のような冷たさが僕を貫通し 身体の奥までしみ込んでいった あとがき 恋は一瞬

笑う飴

色とりどりの提灯 鮮やかに並ぶ露店 子供たちの歓声と 音楽が鳴り響く 少し油断をすれば すぐに見失う 彼らは手をつなぎ 人混みを縫って歩く 何食べたい?甘いのがいいな 初々しい二人の会話 甘い香りに誘われて ふたりで買う、いちご飴越しに目が合い 少しだけ緊張はほぐれ笑いあう 始まったばかりの恋を胸に刻み 一生忘れない笑う飴をかみしめる あとがき 初めてのデートって素敵

幸せのレシピ

幼稚園から一緒のあの子は、すぐに流される あの人が今きになっててー あの子と最近気が合うんだよねー 気になる人とは、ちょっとしたことですぐケンカしたり 嫌いになったり、ほんとに忙しいヤツ。 今日は雨ですることなくて なんとなく入れたライン「暇ー」 既読になったのは夕方だったから 気になる人と遊んでたんかなって いつものパターンだし、俺はここにいつもいるんだよって 言いたいけど伝わらない想いに蓋をして 「既読スルーすんなよ」って軽く返す それでも返信ないから、何かあった

ワンシーン

苦手な料理も、洗濯も、掃除も 一緒にいるとイベントのよう 好きな音楽と好きな香りでつなぐ 二人のお城に届ける あなたの趣味はゲームから いつしか映画鑑賞になったね 今日はどんな旅に出ようか 二人で作る空間はいつかみた 映画のワンシーンのよう あとがき 時間と空間と感情を共有する

大さじ3

最近見かけた先輩に一目ぼれ 見た目も、部活も、仕草も 全部カッコイイ ラインもすぐ既読、即返信 脈ありじゃない?って盛り上がってたのに 親友があっさりと あの人彼女いるから諦めたほうがいいよ。 さっきまで応援してくれてたじゃん? あんたの為に言ってあげてるじゃんって それ先輩の前で言う? 一人舞い上がってた私がばかみたいじゃん もう全部どうでもよくなって一人で帰った 何もしたくない、誰とも話したくない なのに、こんな時に限ってあいつからのライン 「暇ー」って「既読スルーす

はんぶんこ

ダイエット中だと豪語する彼女は コンビニでスパサラを買う ドリンクは炭酸水 デザートコーナーをじっとみつめて また今度とさよならする お会計をして最後に横のごま団子を一つ これも一緒に もしもの保険だって笑ってた 食後はごま団子をみつめて 彼女はおもむろにキッチンへ行った ごま団子を半分とは少し言い難いはんぶんこをして 罪悪感のおすそわけと言って小さいほうをくれた そのおすそわけはいらないなと言いつつ もらってしまう罪悪感を ちゃんと味わう、幸福感に変えて あとがき

雨上がりの水たまり

雨上がりの水たまりに映る光  夢を追い求める二人の姿 雨粒の音が静寂を彩り 空には虹が輝く 二人の青春、躍動のリズム 水たまりに映る笑顔は 太陽の光よりも眩しく 手を取り合い、跳ねる心 幻想の世界へと舞い上がる 雨上がりの水たまりが 太陽の光を抱きしめ 二人の未来を照らす 夢を追いかける若者よ 希望に満ちた空へ 羽ばたけ、その輝く翼で 心に宿る夢を追いかけ 光と影の中を舞い 未知の世界へと進め 雨上がりの水たまりの中に 夢の鏡を見つけよう 二人の青春、永遠に輝く

恋するページ

静かな図書館の中、暗い木製の本棚が並び、 薄暗い照明が本のページにかすかな光を投げかける。 彼女は一つのテーブルに座り、詩集を手に取る。 その頭上には静寂が広がり、彼女の心は詩の世界に浸る。 彼は遠くのテーブルに座り、推理小説のページを開く。 指先がページをめくる音が響き、図書館の静寂に溶け込む。 図書館の静寂の中、彼女の詩集のページをめくる音がかすかに響く。 その音に応えるように、彼の推理小説のページをめくる音が重なる。 二つの音が穏やかに交わり合い、図書館全体に響き渡

甘い優しさの中で

「今日は何食べたい?」彼が尋ねると、カフェの中に静かな光が差し込み、私たちの間に微笑みが漂った。 メニューを手に取り、私はゆっくりと選ぶ。 たくさんの選択肢の中で、私の頭は幸せに包まれている。 しかし、決められない私に彼は優しく声をかけてくれた。 「いっぱい悩んでて、俺がその間に二人で食べるデザートを悩んでるから」と。 彼の言葉に、私は微笑みながら頷く。 彼はいつも選べない私の悩みをまるっと理解してくれる。 悩む時間も、私のペースに合わせてくれてその時間さえも楽しんでくれ

彼女との幸せな日々

夕暮れの空を見上げながら 「幸せだなー」 ご飯を食べに行く道すがら 「あー、幸せだなー」 近くの公園で風に吹かれ 「幸せだね」 夜の公園を歩く道でも 「やっぱり幸せだ」と微笑む彼女 朝の光が窓から差し込む時 彼女の笑顔が僕を優しく起こす 「おはよう」という声が心地よく 新しい一日が幸せで始まる 彼女とのんびり カフェで過ごすひとときも コーヒーの香りと共に 話すことが、何よりの幸せ 夜、星が瞬く空の下、まだ肌寒いベランダで 未来の夢を語り合う その瞬間、僕に

炭酸水とハイヒール

「もう歩けません、もうこれ以上無理です」 と、ぎこちなく歩く姿をみて先輩が笑ってる 「可愛い後輩はすぐにだだをこねるね」 と先輩は微笑みながら言った 「聞いてくださいよせんぱーい、」と先輩の目を見ると 「慣れない靴に足が抗議してくるんだろ?」と先に言われてしまった この楽しいやり取りに 「先輩優しくしてくださいよぉ」と照れ隠しで呟く 先輩はいつもの通り、コンビニで炭酸水を買ってきて手渡してくれる 「ほら、これで足冷やしとけ」 私は優しい先輩をキラキラしたまなざしで拝んだ。

Heart's Canvas

白いキャンバス、二人の絆を映す 忘れ去られたバラ、色あせても美しく 彼女はボンドを手に、花びらを貼り付け 「絵を描かないの?」と彼が問う 彼女は微笑み、答えた「これはあなた、私の中で永遠に」 彼は見つめる、彼女の手が紡ぐ愛の行方を、 ドライフラワーとなったバラに、新たな命を吹き込む 「形に残してくれるんだね」と彼は言う 白いキャンバスに刻まれた二人の物語 枯れたバラさえも、彼女のアートで咲き誇る 〇と△シリーズ 好きな言葉をお題として組み合わせ詩を作る 今日は

言葉を超える沈黙

眠りから目覚める前の君を見つめる 幸せが漂う静かな部屋 沈黙の心地よさ 心の奥底で響く 笑顔の後に届く 「おはよ」 君のまばたきに愛を感じる 静かな朝の光が差し込む 二人の世界に満ちる幸せ 沈黙と言葉の響きが奏でる 同じ空気を吸い込んで 同じ夢を見つめて 二人の時間が進む 愛と平和の詩が続く あなたと共に歩む幸せ 沈黙と言葉の響きが奏でる 今日もまた新たな一歩 愛に満ちた日々を紡ぎ続けよう 未来へと続く道 二人手を取り歩む 愛と共に 幸せの詩が永遠に響

何もない日に、花を贈る

日々の風景に咲く花を見て 愛は特別な日に限らずに溢れる お父さんがお母さんに贈る花は 日常の中での幸せを讃える 幼い男の子も同じように 道端に咲くタンポポを手に取り 好きな先生に贈る 特別な日じゃないけれど その小さな行為が 愛という花を咲かせる 花瓶に飾られた綿毛が そよ風に乗って舞うタンポポは 日常の中にこそ 真実の美しさがあると教えてくれる あとがき 特別な日じゃなくても愛を伝えられる子って エモいなと感じました