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どうか神様 生きる力をください

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生きるってなんだっけ。そう思ってる全あなたへ。 そうだねって言える場所、ここにもありますよ*
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#詩

こぼれゆく

手からこぼれないように 閉じ込めて 安心した 安心して眠ったら そこにはもう 何もいなかった 閉じ込めても 消えてしまうなら 手から自由に こぼれ落ちたほうが 何か感じたかもしれない そのほうが よっぽどよかった あとがき 手に入れようとしたものを守るために閉じ込めることの無意味さと、自由にさせることの価値 人それぞれ当てはまる内容が違う詩になります。 私は、「自己防衛」でしょうか。 自己を守りすぎて、人と触れ合うことをしない時期に満足していました

深海の光

息継ぎを忘れた魚のように 尾びれを揺らして眠りにつきたい 忘れがちな記憶と生命力は 透けて見えなくなってしまっても それでいいんだ。 大人になろうとすればするほど 上手に泳げもしない私を、残酷で冷酷な目で見てくる。 見たかった風景は美しくて好きだけど 少し疲れた私は水面に浮上する。 そのことがとても虚しくて、悲しくて まるで売れ残りの魚のように息絶えるようだった。 「おはよ」って優しい色の海に言えなくなってからは 正解を探して、空を眺めている。 私の切り取った輝かしい過

黒を白く塗りつぶす

あぁ、生きづらい世界で 息が詰まるほどに、また 浴びせられる言葉たちが あぁ、世知辛い世の中で 目を背けたくなるほどの 現実に明を閉じ聡を塞ぐ 飲み込めない精神的苦痛は 喉に溜まって溜まって溜まって 汚い言葉で吐き出してしまう 私はこれでスッキリしたのか これが正解だったのか やがて訪れる朝を待つ しばらくたてばまた精神的苦痛は 私の息の根を止めにやってきて 確実に普通が普通じゃなくなっていく あぁ、煩わしい自分勝手な世の中で らしくない人たちの集まりに 黒を白く塗

見えない彼女と見える僕

僕は僕で生きる世界があって この世界に流れる風は、どこまでも冷たい 幾千の星々は、そんな僕にも笑いかけ でもやっぱり、朝になれば泡のように消えていく そこら中を見えないモノたちが潜んでいて 願い事を託す、彼らにはこの世が まるで穴が開いた空のように映っているんだろうか 嫉妬と焦りと闇が漂う世界に何を望むだろうか 冷たい空に見える君を、僕はどうすることもできなくて 海が見える踏切で一人考えてしまう 君に近づく方法は何通りあるのだろうか。 君を見つけてから、灰色であるはずの

呼吸法

ちょっとすみませんが 肺呼吸の仕方を教えてくれませんか 気になる人が病んでしまって様子を見に行きたいのです さすれば、私は自由に行き来が出来るのです それならば僕に エラ呼吸の仕方を伝授してもらえませんか 肺呼吸をしててもこの頃息がしづらいのです、せめて 僕は水中で生と死を感じることをしたいのです あとがき しんどくなったら、 エラ呼吸に変えて 静かに水中に漂いたい

探し物と碧い空

探し物が見つからない。どこを探しても見つからない。 もう、探しているものが本当にあったのかもわからないけど。 探し物を探す。 尖った心は誰も近づけさせず、人の話を片っ端から 「そうなんでしょ」って切っていったら 冷たくて、寂しくて、苦しい場所から抜け出せなくなった。 家まで送ってくれた先輩は私に夢を見させてくれたが 結局それは、先輩にとって苦しみしかないんじゃないかなと思う。 ある日、先輩は絵具を持ってやってきた。 首をかしげる私に「君を救い出そうと思ってる」って真剣に言

living hell

地獄から空を見上げると そこはこの世 なんて美しい世界なんだと 鬼はつぶやく この世から地獄を見る少年は こんなものかとつぶやく よっぽどこの世のほうが辛い 生き地獄 あとがき 地獄の辛さを知らないけれど この世よりつらい世界があるのか・・・

海から見る月を眺めたい

いらないものだけで構成された僕は ずっとずっと嫌いだった そんな自分の愛し方がわからず 遠回りをした人生 生まれた環境が僕の基準で僕の世界で それが全てを決めていた それしかしらない僕はそれで十分だった ただ、他と違うということを知ってしまってから それからはもっと生きづらかった 知らなかった時には何とも思わなかった行動が 本当は人を傷つけていたかもしれない事 何気なく言う言葉は実は棘があったという事 心配しているつもりが他人事なんだと気づいた時 どうしようもなく恥ず

君のこの人生を

君が欲しかったものは何だい 君が望んでいた世界はどこだい 君がそれを目にしたとき その美しさに、涙を流すほどの 感動が手に入らないのは なぜだと思うかい 近道しようと縮めた空間は 悲しいだけで何も生まれないよ ふわふわと浮遊しながら泳いでは 意味がないと嘆くことを もう終わりにしよう 一筋の揺れる光は、心の中にあって まるで君の信念のように揺れてしまっているよ 月を見てはため息をつく君は 自分の世界に閉じこもり 頭の中は理想で埋めつくされ 独りよがりの世界に浸り 侵入者を

赤いクレヨン

赤いクレヨンが一番になくなる 感情がぐちゃぐちゃになった日は ぐちゃぐちゃの心を絵にする 右から左へただ線を引くだけの作業は 私の心を落ち着かせるスイッチでもある 嫌なことがあったり、キツイこと言われたり 回りの気遣いでさえ、嫌味に捉えてしまう時だって そんな自分にため息をついた後は こんな世界におう吐したい気分になる だから気持ちを紙に殴り書きする 赤いクレヨンは私の血かもしれない それを見れば傷つけなくて済む気がして そんな私を2歳の姪っ子が 「いちご、いちご♪」って

異質な光の中で

「普通」なぜそれが必要だったのか。私の頭の中にいつも誰かが語り掛けてくる。弱くてちっぽけな私は、ひそかに生きていくだけで精いっぱいだった。 私が学校へ行けば、まるで蜘蛛の子が散らばるように人は消えていった。話しかけてくれる人もいない。本当は見てほしいんだ私の目の色、髪の色、私自身を。これは「個性」じゃダメですか? ただまっすぐに長く続く渡り廊下は、最強な私を孤独にする道にしかならない。両目から意図せず流れ出る涙はこの場から消えてなくなりたいと願ういたいけな少女だということ。

無色透明の空に色を足せるように

無色透明の空に色を足す 空気は冷たく、私の空白の時間をあざ笑うようだった 時間になれば影が生まれ私の鼓動を壊していく 留まり続ける私の影は難問が解ける快感とは程遠いところにあって また空を見上げ無色透明の空を眺める 昔公園の砂場で作った砂のお城は夢中で楽しめた でもその砂のお城は一瞬で崩れ去る、私の物語りのように 今度は私から音も取って、私は無音のまま窓の外を見る 言葉では計り知れない思いが私に影を作っていく このまま私は影の影となり、もうどっちが私かわからなくなって いっ

彩りの鳥

普通は難しいと彼女は嘆く 人々が期待する通りに生きること 同じ道を同じ速度で歩くこと 彼女は異なる色を持つ鳥のよう 風に舞い、空を翔ける 普通の枝になんてとまらない 彼女のファッションは芸術 色と形が交差するキャンバス 普通の格好ではなく、自分を表現する 絵を描く時だってイメージをそのまま 偏見ではない心の色で塗りたくる 普通の中で輝こうとすれば彼女は その窮屈さに嫌気がさす 彼女は自分を愛し、自由に生きる こぼれる涙が「ふつうは難しい」って嘆いている こちらのス

裏返る感情

飲み込む、苦いコーヒーのような味 味わうこともなく、一気に飲み干す 望まれているように、望んだ形で 言葉と感情が裏返し まるでオセロのように 言葉が光なら、闇が黒で 一面を黒が覆う 飲み込む言葉があるたびに 感情が一つ、また一つ 僕の3手先をいつも読み 四隅を埋める為に僕を追い詰める 逃げ場をなくした僕は中に逃げ込み 自ら四面楚歌となる ゲームは終わってないけど 勝ち誇り四隅から満足げにニヤついている だから僕は弱気な顔のまま 少しずつ白くする そうして打つ手なくな