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星を身につけたら、無敵になれると思うんだ どんな困難もやってのけて 怖いもの知らずに進んでいける、そう信じているんだ でもきっと、それには時間制限があるだろうから 僕の星を使うその日が来るまで、ずっとスターの前で待っているんだ スタートダッシュが大切だから スタートダッシュのスターは星ではないけれど 僕の星が使うその日が来るまで したくないことをしているんだ その時が訪れたら、僕は気づくんだろう 星はただの象徴で、力は自分の中にあったと 待っていた時間も、犠牲も、すべて
神社の階段は100を超えるだろうか 額からほとばしる汗と 永遠に続く石階段に意識が飛びそうだ 急に思い立って来たものの 神社の階段ってこんなに辛かったっけ そんな独り言が漏れる ただひたすら登るのは もしかしたら誰かに呼ばれたからだろうか そんな気がしていた 最近、僕はひどく疲れていた 特別大変なわけではないけれど ただの睡眠不足だろう よく眠れない日々が続いた 登るごとに風が木々をざわめかせ 鳥のさえずりが不思議と心に響く 少年時代の記憶がフラッシュバックする 友達
夜の静寂が訪れる頃、 一陣の風が、過去の記憶を運んでくる 何の前触れもなく、胸に触れるその風は 忘れたはずの痛みや後悔を呼び起こす 心がざわめき、かつての感情が蘇っては 吐きそうになる自分が風に乗って 嫌な思い出に一瞬で胸を支配される 心の平穏が揺さぶられ、不安が顔を覗かせる 怯えにも似た感情が覆いかぶさり 過去に縛られるみたいだ 先ほどまで緩やかに流れていた風が 酷く冷たく、荒く吹く フラッシュバックは自分をどこまでも沈め 言葉にならない感情で埋め尽くされてしまう
路地の奥にある時計店「アズール・タイムズ」は、時間と空間の狭間である。この店では、時計が止まった瞬間青く光り、その光は「青の時間」と呼ばれる過去へと訪れる者を導く。 彼女はその一人だった。行き場を失くした劣等感がこの店まで引き寄せた。店の扉を押すと、賑やかだった店内の時計たちが一斉に停止し、すべてが深い青色に包まれる。時計師は彼女に語る。「ようこそお嬢さん。ここは青の時間への扉、時間は流れを失い、過去と現在が繋がる場所です。」彼女は安心したかのように微笑み応える。「ずっと、
そっと目を閉じてイメージした私の未来はどうなっているんだろうって 眠気にも似た感覚で瞼を閉じ、イメージするは未来の私 アクアブルーの世界が広がる たくさんの人が浮かぶ でもそれはフィルターをかけたように アクアブルーに染まって映る 見え方が違う、心のせい? 過去の記憶が色を変えたの? どうしてこんな風に見えるんだろう? 世界の色がアクアブルーしかなくなったような 靄がかかったような 心が創り出す幻影 希望と恐れの狭間で揺れる 儚い未来の景色 その中で見たものは、私
蝉の止まない鳴き声とベタつく汗を拭い、 夏休みという刹那の時間を古びた図書館で過ごす。 うるさい親も、泣き虫な妹もいない、 どこまでも静寂に浸るこの時間を、魔法の時間以外になんていえばいいんだろう。 図書館の一番奥、専門書が並ぶ棚に人差し指を添えて、 一冊ずつタイトルを読んでいく。 難しい本の中に一冊、埃にまみれた本を見つけた。 光を纏ったようなその本にそっと手を伸ばし、表紙をめくれば、 それは僕を異世界へと導く魔法の本だった。 現実の孤独と無力感に沈んでいた僕、 その本