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儚くて美しい物語り

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繊細で儚くて美しいものが大好き♡ そんな物語をまとめました SAIワールド全開でどうぞ('◇')ゞ
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#毎日note

赤い金魚と僕の物語り

風が止み、夕焼けが空を染める頃、静かな町の一角に佇む古びた家。 早くに両親を亡くし、姉は嫁ぎ、広い家にただ一人。生きるために生きている。三十路を目前にし、僕は考えることを諦めていたそんな人生について向き合っていた。金魚鉢の前に座り、水槽の中で穏やかに泳ぐ「金魚」に話しかけて。それは、投影していたのかもしれない。金魚鉢で飼いならされる金魚と僕を。 姪っ子がお祭りで手に入れたその金魚は、飼い猫を理由に僕のもとへと託された。とても小柄で泳ぎ方が少しだけ変な真っ赤な金魚。定期的に水

呼吸法

ちょっとすみませんが 肺呼吸の仕方を教えてくれませんか 気になる人が病んでしまって様子を見に行きたいのです さすれば、私は自由に行き来が出来るのです それならば僕に エラ呼吸の仕方を伝授してもらえませんか 肺呼吸をしててもこの頃息がしづらいのです、せめて 僕は水中で生と死を感じることをしたいのです あとがき しんどくなったら、 エラ呼吸に変えて 静かに水中に漂いたい

真っ赤な傘の下で

昔、おかしなことばかり言う女の子がいた 「おばあちゃん、明日しんじゃうよ」 「あなたの赤ちゃんもう長くないわ」 村人たちは気味悪がりました。その少女の言う通りになるからです。 あの子は魔女の子だわ、村中で噂になりました。 そんな女の子の不思議なお話し。 彼女には家族はなく、いつも一人でいました。おかしなことばかり言うので村人からは毛嫌いされています。彼女は2つ目の村に住んでいて、1つ目の村からは不吉な少女として村長から追い払われました。 彼女は不吉な予言をし、いつも真っ赤

音楽と花の間で

星空の下、キーボードの音が響く 夜空で雲は流れ、遠い日の思い出を振り返る 砂時計は瞬く間に吸い込まれ、着信で我に返る 会話の向こう側で描く色鉛筆、オレンジ色の夕焼け 好きな音楽Spotify、一輪の花を挿した花瓶が鏡に映る 踏切の音と甘いチョコレート片手に、地図アプリで遊ぶ指 花瓶のバラが香る夜1時、時計の針の音が静寂を包む 去年見た花火の色は何色だったんだろう、パソコンの画面をスクロール あの時食べたりんご飴の味をノートに記した 紅茶を飲みながら過ごすこの時間さえもカ

炭酸刺繍【企画に参加】

水槽のポンプからは炭酸のように泡がぶくぶく 金魚は刺激的に泳ぐ 泡の中に映るは、過去の記憶の断片 記憶の糸を紡ぐように、泡があふれ出す しゅわしゅわはじけ飛ぶ泡は自由に舞いあがり まるで手仕事の織り成される刺繍のように 繊細で美しい緻密なデザインは 甘美な思い出をそのままに 光を反射し心を動かすキラキラ あの人を思い出させる記憶がパチパチと 目に浮かぶ笑顔、忘れもしないあの日 抜けてしまった炭酸が手のひらでじっとりと まとわりつく、水ですべて流せればいいのに 淡く切ない