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時計の契約(コントラクト)

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5歳の時、颯空(そら)はじいちゃんを亡くし、その深い悲しみに心を閉ざしていた。しかし、一冊の不思議な本と共に彼の人生は大きく変わり始める。 失われた家族への思い、過去への後悔、そ…
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#ゲームの世界

時計の契約:第4章17時

17時:呪文 ドスン。地面に激しく叩きつけられた音が響く中、俺は尻もちの痛みに耐えながら意識を取り戻していった。ぼんやりと視界がかすむ中、そこに広がるのはまるで俺がプレイしていたゲームの世界そのものだった。不思議な感覚が心を包み込む、ふと隣に人影を感じ、俺はそっちへ振り向いた。 俺と同じサイズの白猫の姿が目に飛び込んできた。白魔法の装いを身にまとった、真っ白な毛並みが美しい猫だ。長い毛がふわふわと揺れ、時が止まったように見つめあっていた。薄い青色の目は俺をじっと見つめて

時計の契約:第4章18時

18時:魔法学校の秘密 俺たちは向こうに見える魔法学校へと向かった。その場所はゲームの始まりであり、冒険の原点だった。本当にゲームと同じ世界のようで、精巧な建物や背景がとても美しかった。 まずは、古代の魔法の書を探すための地図を探すところからだ。確か入口付近にいた天使に話しかければよかったはず、少し離れたところにそれらしき天使を発見した。俺たちはそこを目指し歩みを進めた。予想とは裏腹に天使に触れるとあっけなく地図をもらえた。この世界は城のような魔法学校で、とてつもなくで

時計の契約:第4章19時

19時:魔法の宝庫と謎めく光 遙もまた、同じように苦しむ俺を見つめながら、無力感と絶望に打ちのめされた。すると悪魔たちの細くて長い指が本に触れた。その瞬間、体が空中に浮き地面へと落ちた。息苦しさが一気に和らぎ、心の中に深い安堵が広がった。 「ありがとう」とまた同時に感謝を述べた。憎むべき悪魔だったはずなのに、いつの間にか恐れも憎悪も消えていたことに自分でも驚いている。ただ今は時間がない。急いで次へ向かわなくては。俺たちは立ち上がり、パズルを持って次の目的地へと向かった。

時計の契約:第5章21時

21時:過去と未来を繋ぐ 「ちょっとまって、君!!僕たち怪しくないからー」と怪しさ満点で追いかけるが、体力がかなり消耗されているので二人ともフラフラだった。その先には深い森が見える。その奥に少女が入っていったので追い抱える。その時、悪魔たちが俺たちに忠告をした。 「ここからは危険だ。」その言葉にほっとする俺がいた。ゼー、ハー、と息が整わないでいると、遙が口を開いた。 「なんで追いかけたんだっけ」その言葉で俺たちは笑ってしまった。確かに、あの本が探している本だという保証は一ミ