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時計の契約(コントラクト)

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5歳の時、颯空(そら)はじいちゃんを亡くし、その深い悲しみに心を閉ざしていた。しかし、一冊の不思議な本と共に彼の人生は大きく変わり始める。 失われた家族への思い、過去への後悔、そ…
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#魔法

時計の契約:第4章19時

19時:魔法の宝庫と謎めく光 遙もまた、同じように苦しむ俺を見つめながら、無力感と絶望に打ちのめされた。すると悪魔たちの細くて長い指が本に触れた。その瞬間、体が空中に浮き地面へと落ちた。息苦しさが一気に和らぎ、心の中に深い安堵が広がった。 「ありがとう」とまた同時に感謝を述べた。憎むべき悪魔だったはずなのに、いつの間にか恐れも憎悪も消えていたことに自分でも驚いている。ただ今は時間がない。急いで次へ向かわなくては。俺たちは立ち上がり、パズルを持って次の目的地へと向かった。

時計の契約:第5章20時

第5章:影に封じられた記憶20時:光と影の謎解き ちょうど開いたページにカタカナの「マ」を見つけた。二人は互いに手を取り合い、文字に触れた。すると、文字が浮かび上がり、大きなパズルのような形に変化した。やっと二文字目だ。こんなペースだと全部見つかるまでにどれだけ時間がかかるんだ。果てしない挑戦と体力の消耗が判断を鈍らせる。二手に分かれることも提案したが、広大な広場から一人で探すほうが無謀だという結果となり、二人は次の目的地へと進んだ。 次に向かったのは。学園のアーケード

時計の契約:第5章21時

21時:過去と未来を繋ぐ 「ちょっとまって、君!!僕たち怪しくないからー」と怪しさ満点で追いかけるが、体力がかなり消耗されているので二人ともフラフラだった。その先には深い森が見える。その奥に少女が入っていったので追い抱える。その時、悪魔たちが俺たちに忠告をした。 「ここからは危険だ。」その言葉にほっとする俺がいた。ゼー、ハー、と息が整わないでいると、遙が口を開いた。 「なんで追いかけたんだっけ」その言葉で俺たちは笑ってしまった。確かに、あの本が探している本だという保証は一ミ

時計の契約:第5章24時

24時:再び 眩しい光が部屋全体を包み込む、必死で目を開くが目の前がチカチカする。ようやく目が慣れた時には、じいちゃんが目の前にいた。「よく頑張ったなぁ。えらいぞ颯空ぁ、元気でおるんじゃぞぉ」じいちゃんはそう言ってニコニコ笑っている。だけどその姿はどんどん遠くなっていき「待っていじいちゃん!!」必死にじいちゃんに手を伸ばす。もうちょっとで届く、限りなく遠くまで手を伸ばした。その瞬間、伸ばした腕は空中に浮かび、そのままソファーから転げ落ちた。 「夢か。」 腕を伸ばしたまま、深