【一日一捨】　ドラえもんのペットボトル

甥っ子のしんちゃんが、「これあげる！」と持ってきてくれた。
僕がドラえもんを好きなのを知ってたからだ。それまで何度かうちに遊びにきて、よくドラえもんの話をしてた。てんとう虫コミックスのドラえもんはさすがにとうの昔に捨ててしまったけれど文庫版のドラえもんは持っていて、「しんちゃん、この話、知ってる？」とか言いながら一緒に読んだのを憶えていてくれたのだ。しんちゃんのお気に入りエピソードは『独裁スイッチ』と『石ころ帽子』だ。なんとなく共通点がある。小学校２年生にしてなかなか見所あるじゃないかと、僕の好きな『あやうしライオン仮面』の話をすすめたけれど、これはいまいち響かなかったようだった。

あれから数年経って、しんちゃんは６年生になった。うちに遊びにくることは最近はもうあまりなくなったが、ときおり義妹が見せてくれる写真の中のしんちゃんは、背も伸びてすっかり大人の顔立ちになってきている。今でもドラえもんが好きなのか義妹に聞いてみたけれど、どうやら今はサッカーに夢中なのだそうだ。ちょっと残念だけど、大人になってまた思い出し、自分の子供や甥っ子なんかとどの話が一番好きかとか話してくれたらいいのになあと思いつつ、とりあえずこのペットボトルはもういいかな。捨てる。