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ニンジンのレモン絞り器まきが成功した他

ニンジンは発芽に光と酸素と水を必要とします。

水だけを必要とするなら、深く埋めればよいのですが、それだと光と酸素が行き届かない、そこで浅くまく(土を薄くかける)ことになります。

そうなると、乾きやすく、発芽しずらい・・・

夏まき秋冬採りニンジンの難しさがここにあります。

発芽するまで毎日水を与えろと指導する人もいますが、半農生活では、毎日畑に行くことができません。

「夏まき秋冬採りニンジンを安定的に発芽させる半農生活のための方法」と言うのは、課題だったわけです。

先日の野菜栽培基礎講習の実習で、ニンジンのマルチまきをしてもらいました。

このところ、資材代が高騰していることもあって、あまり、マルチそのものを使わないようにしているのですが、実習ではいろいろなパターンを経験してもらった方がよいだろうと思って、マルチに種まきしてもらったわけです。

この時、試しにレモン絞り器でマルチ穴にクボミを付けてもらいました。

穴の底だと、地表の気温や湿度の変化を受けにくく、発芽しやすいのではないかと考えたわけです。

ところが翌日、雨が降り、かなりの強風でした。その雨風でレモン絞り器でつけたクボミは「土砂崩れ」を起こしたようになり、全部クボミが埋まってしまいました。

こんなに深く埋まってしまったのでは駄目だろうと思っていたら、なんと、種まきから2週間、ほぼすべてのマルチ穴からニンジンが発芽してきました。

各穴に複数の種をまいているので、正確な発芽率は不明です。

ただ、ニンジンの種蒔には、スジまき(スジ状の「マキスジ」を作って、そのスジの中にお塩を振るようにパラパラ種をまく方法)と点まき(今回のように地面にクボミをつけてその中に数粒の種をまく方法)があります。

どちらの方法でやるにせよ、ニンジンの発芽率はあまり良くなく、今回のように全部の穴から発芽してきたと言うのは、かなり良い成果だと言えます。

レモン絞り器でつけたクボミは約3cm程度だと思われます。

通常、ニンジンの種まき穴のクボミの深さは0.5cm~1cm程度です。

と言うか、他の種類の野菜の場合でも、種まき穴はだいたい種の大きさの2-3倍程度とされていて、今まで1cm程度の深さでまくのが普通でした。

今回、なぜ、深くても発芽してきたのか?

受講生の人と議論したのですが、一つの可能性は耕すのに、平鍬でなく、備中鍬を用いているので、土がよく耕され、少し深めのところまで酸素が行き渡ったのではないかと言う可能性があるかもしれないと言う考察が出てきました。

もちろん、備中鍬を用いたからかどうかは確証はないのですが・・・

ただ、ニンジンの発芽に酸素、光、水が必要と言っても、例えば、一晩~2日程度、水につけて十分水を吸わせた種をまいても発芽してきます。

もともと、ニンジンは氾濫原で生息していた植物で、氾濫中に水を吸い、氾濫が収まって水が引くと光を浴びて発芽してくる生態を持っていたと聞いたことがあります。

氾濫中、もしくは種まき前に種を水にひたしている時は酸素はほとんど供給されていないと思われます。

水を吸った後、実際に種から根が出て、次に胚軸が出てきた段階で酸素が必要とされるのだと思います。

そうすると、3cmぐらいの深さに埋められた胚軸の先端は、2cmぐらいの深さのところに伸びている可能性があります。

土がよく耕され、「柔らかい」状態だと、2cmぐらいの深さでも光や酸素が十分に届く可能性があります。

先にも述べたように、この考察はあくまで推論であって、確証はありません。

ただ、今後、6-7月期のニンジンの種まきや他の野菜の6-7月期だけでなく、いろいろな時季の種まきで「レモン絞り器」法を行って、どうなるか観察するのは興味深いと思いました。

ニンジンを含むいろいろな野菜で「十分に耕し」た上で「レモン絞り器法」が使えるなら、半農生活、菜園起業のための栽培法の有力な手段になると思われます。

2週間予報は、5/23-24頃まで雨が降る日が続いた後、雨が降らない日が続くとしていました。今日の段階では、5/29以降、6/3までまた雨が降る日が続くと変わってきています。

今年は梅雨入りが遅れ、空梅雨になる、梅雨末期に集中豪雨があると言った予報が出ていました。その後、台風の発生が予想されるようになりました。

1980年代に比べ、最高気温の「底」となる水準が3-4℃高めだとすると、海水温もそれに応じて高く、海水温からの蒸発が活発になるため、例年より早く雨が降る日が増える、

いったん気化熱で温度が下がり、例年だと「梅雨本番」の時季までに海水に蓄えられている熱が放出されてしまう、(このため空梅雨になりやすくなる)、

ところが晴れれば、強い日射が直接海水に届き、再度の海水温上昇を招きやすくなるので、空梅雨状態の後の集中豪雨に警戒が必要となる、また南方洋上では例年以上に海水温が高いため、台風が発生しやすくなる・・・

そういうことかもしれません。

とにかく、様子を見ながら、シカクマメやインゲンなどの種まきを進めたいと思います。6月になれば秋冬もののブロッコリーやキャベツ、セロリの育苗も必要になってきます。

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