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春の非結球性白菜はけっこういけるかもしれない他

タケノコ白菜とも言われる「紹菜」を3月まきしたところ、よく育っています。

間引き菜を今週のお届けセットに加える予定です。ゴールデンウィーク明けには、「間引き菜」でない「本番」の方がセットに加わると思います。

昨年、菜園教室の参加者の方が、山東菜を4月まきして、5月に収穫、おひたしで美味しかったと仰っていました。

紹菜や山東菜は、中国系の非結球性白菜です。これらの非結球性白菜は意外と地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットのお客さんに受け入れられています。

元々、白菜は中国で栽培されていた野菜で、日清・日露戦争で白菜に接した日本人が持ち帰り、国内で栽培&品種改良が進められたようです。

こうして「日本的な」結球する白菜が登場してくるわけです。

ただ、日本では、白菜は、いわゆる「白菜漬け」として食べられることが多かったと思います。

僕が野菜づくりの師匠に弟子入りして野菜を育て始めた20年ぐらい前には、白菜を大量に購入するお客さんがいました。

「年寄りは白菜漬けがないとすまないんだ」みたいな事を言っていて、毎週3玉も4玉も買う・・・そういう感じでした。

今、そういう人はいなくなっています。むしろ、お客さんから「白菜って鍋以外に食べる方法ないよね」とかって言われることもあります。

一方、紹菜=タケノコ白菜ですが、ミルフィーユにしたとか、煮物に向いているとかと言う人もいます。もちろん、和風の「すき焼き」に入れたと言う人もいますが・・・

おひたしの件について言えば、「小松菜」の命名は江戸時代の徳川吉宗さんの時代の頃。

近松門左衛門の作品にも「茹で菜」と言う表現が出てきて、いわゆる「菜っ葉」をおひたしにする文化が登場してきている事が分かります。

つまり、青菜をおひたしにする文化が江戸時代中期頃から始まり、明治以降、白菜が伝来し、日本的に品種改良されて、「白菜漬け」文化が成立したと言う事だと思います。

現在の時点では、小松菜的な「青臭さ」がある葉物より、中国系非結球性白菜(山東菜、紹菜など)のような「あっさりした」感じの野菜のおひたしの方が、むしろお客さんに好まれているように思います。

そして、春に非結球性白菜を育てるとどうなるかと言うと、早々にトウ立ち(花芽をつけること)しやすいので、あまり大きくならないうちに収穫する(つまり、小松菜やほうれん草と同様かちょっと大きいぐらいのサイズ)と言う感じになります。

結球性の「日本型」白菜も春まきの場合、やはりトウ立ちしやすく、結球してくれなかったりします。

そういうことをアレコレ考えてみると、春まき非結球性白菜は、春から初夏の葉物として「向いている」野菜のように思います。

江戸時代から明治・大正・昭和前期にかけて成立し営まれてきた「日本型食生活」とはかけ離れた食生活をおくる人が増えている現在、野菜の栽培品目も見直すことが必要かもしれません。

2週間予報の範囲にゴールデンウィーク過ぎまでが入ってきました。ゴールデンウィーク後半は雨がちの様子です。

ただ晴れると、平年値をかなり上回る気温になると言う状況もあります。

こうなってくると、「梅雨の走り」となる5月後半~梅雨期がどうなるか、かなり気を揉みます。

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