プログラム からの マーケティング
さてウィーンフィル日本公演、チャーター機でなんと!!!福岡空港へと降り立ったそうです。福岡入りです!!!!
そんなプログラムですが。。。。。。
1.ウィーンフィル来日公演プログラム
指揮 ゲルギエフ
演目
■2020/11/5(木) 19:00開演
プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』作品64 より
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品16(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 作品74「悲愴」
■2020/11/6(金) 19:00開演
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33(チェロ:堤 剛)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品16(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」
■2020/11/8(日) 17:00開演
プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』作品64 より
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品16(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」
■2020/11/9(月) 19:00開演
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品16(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33 (チェロ:堤 剛)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』(全曲、1910年版)
■2020/11/10(火) 19:00開演
プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』作品64 より
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品16(ピアノ:デニス・マツーエフ)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」
■2020/11/13(金) 19:00開演
ベートーヴェン:序曲『コリオラン』作品62
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33(チェロ:堤 剛)
R. シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』作品40
■2020/11/14(土) 16:00開演
ドビュッシー:『牧神の午後への前奏曲』
ドビュッシー:交響詩『海』~3つの交響的スケッチ~
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』(全曲、1910年版)
演目として、地域性の強いもの。ゲルギエフが、ソビエトの方なので、ロシア物!!中心。。。。。そこには、ゲルギエフ もしくはウィーンフィルの大きな意思を感じ取ることができます。
チャーター機を使用して、PCR検査も行い、コロナ対策の万全の体制をとっての来日。地域に、そして国に、もっというなら自身の生活圏に分断されたような世界的状況を鑑みて、それでいいんだよ。そうやって生活していこうというメッセージをプログラムから感じ取ることができます。
2.プログラミングの基本
クラシックオーケストラのプログラムは、基本3曲
短い曲
ソロ
定番
で構成され、
責めるとすれば、どこか一つ。
例えば、最初の曲を全然知らない作曲家。もちろんパーセプションの上でですよ。作曲界で知らない作曲家がコンサートで演奏されることはほぼないので。とすれば、定番はド定番!!とか。
ソリストで、著名なソリストを招聘しているとすれば、ちょっとした技巧的だとか、有名でない曲とか。。これは、ちょっと可能性が少ないか・・・なぜならお客さん呼ばないといけない>>メジャーな曲の方が呼びやすい。。
定番をマニアックにするなら、他の曲を定番に!!
3.選択と集中で捨てたもの
全部同じ作曲家とか、2020年であれば、ベートーベンチクルスとして、全部ベートーベンでそろえるとか。。。今回250周年でありながら、ベートーベンは コリオラン 序曲の 1曲のみ。コロナ禍でなければ、ベートーベンの選曲をもう少し多くした可能性があると思います。
1年前にはホールをおさえますが、選曲の最終リミットっていつなんでしょう?????でも3月には危機的な状況になり始めたので、公演8カ月前・・・コロナ禍が単に私の後つけであったとしても、ベートーベンをプログラムに入れずに、地域性の高いものでプログラムを組んだことに対しては、十分に意義のある事なのです。そしてそれをコロナ禍というフィルターを通して理解したとしても、まあいいんじゃないでしょうか・・・
「捨てるべきものは捨てる」ビジネスの鉄則にして一番難しい事の一つであるこのルール。ウィーンフィルはルール通りに、選択と集中をしてきました。
まさに、ベートーベン生誕250周年にベートーベンを中心にプログラミングしないという、横綱のプログラム構成ですね。ゲルギエフも、ゲルギエフの日本公演は、1年半以上前から決まっていたと思われますが、指揮者第七世代(お笑い第七世代とかけてみましたが深い意味はないです。単純に、オーストリアドイツ圏以外の地域の指揮者が活躍するようになった時代という意味で)の先陣を切ったともいえるゲルギエフもポジショニングを熟知して、このプログラムになったのかと。繰り返して言いますが、じつは、最初からベートーベンをやらないという意向だったのかもしれませんが。。。。。
ウィーン系の音楽を捨てる
4.ソリストの選出
またソリストも堤剛と。。。
商業的には、若いきれいな女性 がいいに決まっているのですが、堤剛 をもってくるとは。。。といってもこれも プログラム同様に地域性を表に出した統合性がありますね。堤剛は世界的チェリストであると同時に、サントリーホールの館長です。
サントリーホールの公演で、そこの館長が、ウィーンフィルと演奏してるという。当日問題発生して 「館長どこ??」ってなっても、演奏しているという。。。。構図なのです。
ちなみに、上場企業のメセナ事業のマネージャーはこうはいきません。本丸からの出向者もしくは、最終ポストになります。プレイヤーを館長にした佐治さんはえらい。
堤館長!!
5.お客の集まるプログラムをあなたが作るとすれば・・・・・
ちなみに今シーズンの香港フィルのラインナップは、
諏訪内晶子
ザビーネマイヤー
アリス=紗良・オット
と花のある女性陣をソリストに迎えています。コロナ、デモという状況下ではありますが、お金を持っている香港政府の景気付け予算がでたからです。
さて、あなたがお住いの一番近いオーケストラでお客の集まるプログラムをつくるとするならば・・・・・
1.有名な指揮者を招聘
2.有名なソリストを招聘
この二つしか方法はありません。2.有名なソリストを招聘 の方が色々と面倒が少ないです。ソリスト招聘の予算が取れたら、ソリストに、やりたい曲を聴く。そのコンチェルトを中心に、プログラムを構成。
こんなに単純ではありませんが、あまりクラシック知らない人が、お客が集まるプログラムを考えろとなると、この方法がベストです。事務局、首席指揮者、楽団員の意向を聞くという、最も大切な方法はしないという点にご注意。
上記が圧倒的な集客ができるほうほうですが、ストーリー性のあるプログラムにする方法もあります。これは素人では厳しいですが、例えば、生誕250周年ベートーベンチクルスであったり・・・・日本酒「獺祭」と日本センチュリー交響楽団、オンキヨーのコラボプロジェクトというようなものであったり。
オンキヨーの「ヨ」 は大文字です。アパレル商社の タキヒヨー の「ヨ」とおなじですね。ちなみにタキヒヨーは1751年 創業なので、ベートーベンの時代と似た感じですね。
そういった意味のあるプログラムという方法、いや、全てのプログラムに意味はあるんですが、訴求力のあるブランディングが、市民に伝わるという意味でよりつよいプログラムという意味で。。
基本は、話題作り
改めてウィーンフィル来日公演の曲目を見てみましょう。もちろん、ゲルギエフ、学友協会のプロの観点に立つことは不可能ですが、このコロナ禍の移動困難な中で、このプログラムに至った経緯を考えるのは、それで意義深い事です。
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