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才能は未知数ですが、マーケティングの本当の天才 ロッシーニ

さて、才能のない サティ を書きましたが、才能のなくて大成功した人物といえば、ロッシーニです。 

1.大成功とは

ここでの大成功とは、経済的な大成功で、才能のないというのは、音楽の面での革新者であり続けたいという音楽家という意味で。。。才能はあります。若くしてオペラを作曲し、23歳で「セビリアの理髪師」を上演しておりますので、音楽+文学+劇も精通しているので才能はあるんです。


が、音楽は100m走であると述べましたが、その観点からすると、ほぼ、この革新t機という意味においては、普通のオペラだけで走り抜けた作曲家です。


2.オペラ

36曲のオペラを作曲しました。生涯というよりは40歳までにといった方がいいかもしれません。後期の名作ウイリアムテルが40歳までなのです。

なぜ36曲だけで経済的な大成功を収めたのか??簡単です。ポップなオペラが儲かる芸術だったからです。ポップなオペラを作曲していきました。


オペラはクラシックの行きつくところ てな事も言われたりします。

さて、オペラ は日本人には理解のできない分野です。理由は身近でないから。日本でもオペラ公演はありましたが、高すぎるので身近ではありません。本場では安いチケットもあります。日本では安いチケットは皆無です。そりゃそうですよね。丸ごと持ってくるわけですから。丸ごと持ってくるのに、キャスティングは安い人っていうのもあれですし。丸ごと持ってくる費用をかけるのであれば、プラスして、有名なキャスティングの方がいいですよね。

ということで、日本が身近でない理由は高いからですが、それでも多くのオペラが来ていました。こんな極東に。。エコノミックアニマル万歳!!


で、小澤征爾がウイーン国立歌劇場の音楽監督になったのは、日本人では理解できない程すごい事なんです。よく例えられたのが、歌舞伎の一番偉い人に外国人がなったというような表現でした。歌舞伎の一番偉い人がどいう言ったポジションか、わかりませんが、成田屋の市川團十郎が外人になったくらいの重みがあったような気がします。まあ、相撲では、すでに外人が横綱なので、横綱が外人になるという重み程ではないですが、逆に言うと、強く品格があれば、外人であろうと横綱になる、土俵がウィーン国立歌劇場にあったのかもしれません。


され、総合芸術のオペラなので、芸術性が求められるはずです。その芸術性はポップを内包するとしても、基本的にはポップの対極に存在する芸術であるので、どちらかというと、宗教的、民族的、な要素もあるわけです。



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3.ポップなオペラ

今一度ロッシーニのオペラをみていると、親しみやすいものばかりです。ここでの親しみやすさとは、ポップとは、何か?ハッピーエンドの恋愛ものです。ポップでないオペラ、恋愛以外の政治的なもしくは、宗教的な不条理を表しているオペラです。もう一つ付け加えて楽しいオペラ、悲劇ではない喜劇。喜劇だけではありませんが、悲劇ばかりよりは、恋愛的なハッピーエンドもあった方が楽しいですよね。

悲劇も作っておりますが、他の作曲家に比べてハッピーエンドの作品の方が多かったのです。


ポップだけど芸術の在り方に似た存在として、新しくは、「100日後に死ぬわに」古くは「高校教師」 のエンディング、なぜ死んだか分からない。死んだのか寝ただけなのかわからない。という、見る側に不快なほどの考える余地を残している作品がそうかなと思います。


オペラというより楽劇というジャンルになってしまっていますがワーグナーもすんばらしいオペラを作曲した作曲家ではあり、作品としては、ワーグナーの作品の方がいいです。理由は芸術性が高いから。芸術性が高い理由は、ユダヤやキリスト教などを反映した側面があるからです。


もちろんロッシーニでも恋愛の障害として権力は出てきましたが、ハッピーエンドの場合は、権力によって解決もするわけです。いわば水戸黄門のような爽快さも持ち合わせたのです。泥棒カササギ なんかそうですね。


ということで恋愛もののハッピーエンドが娯楽が少ない時代に受け入れられたという事があったと思います。


4.ポップなオペラにするために。。。

作曲の才能がある、オペラ作曲の技術も努力によって習得した。。オペラも作ってヒットした。。。という30歳の青年が次にどんなオペラをつくろうとしたか????

ここは、さすがに天才といえども熟慮に熟慮を重ねたと思います。


こんな題名があります。

絹のはしご 
アルジェのイタリア女
パルミーラのアウレリアーノ
イタリアのトルコ人 
イングランドの女王エリザベッタ 
セビリアの理髪師


ジブリのタイトルは「の」が多いといいますが、「の」を使わずにタイトルをどんどん作れと言われても困りますが、「もののけ姫」をどっちにするかは置いといて、このように、ロッシーニのタイトルにも、「の」が多いというか場所が多いです。イタリアのトルコ人 等といわれると、異なる要素が含まれていて、興味を覚えるのでしょうか??当時の遠くへの旅行は庶民には難しいものだったのかな??

劇場で見たいと思われる題名を持ってきているように思われます。



題名だけでなく、中身もどうやって選択したか気になります。そういったオペラというか、スクリプトの方の業界もあるでしょうから、ロッシーニが0から文字を作るという作業はさすがにないとは思いますが、それでも自身のメロディーにはまるような調整はし続けたはずです。


そして、作曲が終わったとして、ロッシーニはプロデューサーではなさそうですから、売れる演出、キャスティングを対応するプロデューサーはいたはずです。プロデューサーではないとはいえ、秋元先生のように、作詞家とはいえ、強い発言力は持っているとは思いますので、ロッシーニにとって全く関係のない仕事でもないと思います。


そして、晴れて初演を迎え、成功をおさめ続けた。。。


偉大な作曲家ですね。

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5.ロッシーニコーダ

ワーグナーの曲は無茶苦茶長いですが、新しいメロディーが山のように出てくるわけではなく、同じメロディを雰囲気を変えて繰り返す、モチーフとして扱っているからです。


ロッシーニの場合は、軽快なメロディーが多いかな??少なくとも有名な曲では軽快なメロディーが多いと思います。そして、軽快なメロディーを使っているがゆえに、盛り上がるのにも一苦労と思いきや。。。そこは天才、盛り上がり方をパターン化しているのです。


ある程度シンプルなメロディーであれば、いろいろな調理方法がありますが、軽快なものであると、楽しくするという調理方法は既にないのです。しかし、さらに盛り上がりを見せるのがロッシーニコーダ!!


成功体験のパターン化です!!


このロッシーニコーダどんなメロディであってもあっというまに盛り上げてしまうという恐ろしい技ですが、オペラのいたるところに ロッシーニクレッシェンドという形でもってきてあっという間に盛り上げる事ができるんです。


大切なのは、いいメロディーではなく、盛り上がったという感じの再現性を実現しているんです。




6.意図的マーケティングの成功者


結果としてマーケティングを成功した作曲家はおられますが、意図して作曲活動で経済的な大成功した作曲家は、映画ができるまではロッシーニ唯一人だったと思われます。


そして、1792年生まれと、クラシック界の中では早い生まれだったという事は留意しておきたいです。


そして今マーケティングをするうえでこのロッシーニの生き方は非常に参考になるはずです。


儲かることをやる。儲けた後は悠々自適!!













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