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同僚のツイッターアカウントを見つけたら逆に人生終わった

先日、同僚のツイッターアカウントを見つけてしまった。その一部始終をここに記したい。

きっかけは些細なことだった。同僚で3人のグループLINEがあって、ちょっとした日常の会話をしていたときのことだ。ちょうど私は電車で移動中にそれを見ていたのだが、一人の同僚が唐突に「そういえば言っておかなければならないことがあって」の前置きの後に「【ご報告】私事で大変恐縮ではございますが、この度〜」と、ずっと欲しいと思っていた家電を購入したという10行程度の文章がパッと飛び込んできた。

おそらく、普段ツイッターをやっていない人には何の違和感もなく「なんだー!改まっていうから結婚の報告かと思ったー!!」みたいな反応をするだろう。実際もう一人の同僚はそのように返信していた。


しかし、ツイッター歴4年、アカウント開設から数えると10年超の超ツイッター戦士である私はここでピンと来るものがあった。むしろピンと来ざるを得なかった。

この【ご報告】から始まる文章は数あるツイッター構文の一つである。長いことやっていると同じ様なツイートを何度も見たことがある。さらに注目すべきは、LINEで前置きのすぐ後にこの長文がパッと現れたことである。10行程度の文章をこんなに即座に打ち込めるわけがなく、どこかから持ってきたものだと察知した。

つまり、これらの情報を複合的に整理すると、最近のツイートから持ってきたものではないかという推測が立った。その同僚は気心の知れた友人でもあり、前々からツイッターをやっていることはお互いに聞いていた。しかし、アカウントを教え合うなんてことは当然しない。ツイッターアカウントとはいわば誰にも知られてはいけない秘密の花園であり、けして暴かれてはいけない終末の墓場であり、約束された未来の黒歴史であり、人生最悪の恥部である。アカウントがバレることは死を意味するといっても過言ではない。


だから、私の推測が当たっているかを確かめるにはいささか抵抗があった。ツイッターで検索すればすぐわかるだろう。その気持ちはある。しかし、仮にアカウントを見つけてしまえば、それは友人の裏の顔を勝手に覗いてしまうことになる。そんなことが許されていいのか…? と、およそ2秒ほどだろうか。長い長い塾考の末、先ほどのLINEの文章で検索してみた。そして、普通にビンゴした。他のツイートを見てもその友人だということが確実にわかった。


たぶんこの時、私は極悪人の顔をしていたことだろう。リアルの友人のツイッターアカウントを見るの、超楽しい。最高。例えば人の日記を盗み見るのって想像するだけでドキドキするし楽しいじゃないですか。そんな感じ。めっちゃ過去のツイートスクロールしてみった。なんだろう、見てはいけないものを見る背徳感と高揚感。もはやこれがツイッターの究極の醍醐味ではないかとさえ思った。

しかしここで、死滅していたかと思われていた私の中の良心が顔を出す。

「お前、人の心の声を安全地帯から見ているなんて、最低だな…」

その声が次第に大きくなり、少しずつ、罪悪感が心を支配していく。良心の呵責に苛まれた私は、結果、罪の重さに耐えきれず二日後に自白しました。

「悪気は(あったけど)なかったのだと」「(三ヶ月くらい遡ったけど)三日分くらいしか見てない」と言って。


友人はもはや隙を見せた自分が悪いといって「むしろよく言ってくれたね!」と言って許してくれた。心広すぎる。なんかもう許してもらった安心感と、自分だけが知ってるのもフェアじゃないという公平性の観点から、覚悟を決めて私のアカウントも教えることにした。


日頃会社でクールぶっている私である。普段のツイートを見ても頼むから嫌わないでくれ…と散々前置きして、友人も「だいじょうぶー!自分も変だからー!」とか言ってたんですけど、目の前で次々に私のツイートをスクロールしていって最終的に私の「もう疲れたから美女のパンツが空から舞い降りてきてほしい」ってツイートを見たときに口あんぐり開けて

「あ…うん…まぁこういうのはでも…健全だよね…」って懸命にフォローしながらも血の気引いたようにドン引きしてました。ほんと、ツイッターアカウントとかバレるもんじゃないし絶対に教えるもんじゃない。

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