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#2 マチエールのことを「雪の宿」と呼ぶ

「作家」と「料理人」は似ていると人は言います。

良い素材と道具を用意し、順序を考え、足し算引き算しながら最終的な完成を目指して作り上げていく。出来上がった作品にたくさんの人たちが「感情」を揺さぶられる。

デザイナーや建築家に料理上手が多いというのもうなずけるところです。

さらにこの共通点は、思わぬところで作家と料理人を結びつけていました。

そう、日本画専攻の学生は、胡粉で作ったマチエールのことを「雪の宿」と呼んでいたのです。粗めの岩絵の具を塊のように濃く蒔いて、まわりに「山科胡粉」を垂らすと一丁上がりだそうです。美味しそうですね。

実際にはこんな画面です。

※1
一般的に「マチエール」とは絵の表面の質感の事で、画肌やテクスチャーともいわれます。色合いや艶、塗り方、タッチによって変わり、描き手の個性が現れる部分です。

※2
「胡粉」とは、貝がらを焼いて作った白色の顔料のことです。

それではまた!

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